特急「やくも5号」の特急券・グリーン券です。株主優待で半額となっており、岡山~松江まで2500円(通常期)となります。既に新型の273系に置き換わっており、新型車両のグリーン車に初乗車となります。「やくも」自体は何度も乗ってはいるのですが、新型のグリーン初乗りはやっぱりちょっと感慨深いものがあります。
半室になったグリーン車
岡山駅ですっかり見慣れた「やくもブロンズ」色です。今回先頭車が非貫通タイプになっていました。
あまり知られていませんが、「やくも」に使用される273系の前面は、貫通扉が開くタイプと封鎖されているタイプがあります。封鎖されているタイプは中間車に入ることはありません。
グリーン車は旧「やくも」と同じく、2+1の3列構成。ただし、半室のみとなってしまいました。これも需要を勘案してなのでしょう。
車内は青緑系統の普通車と比べてこちらは黄色がベース。枕が設置されているのはサンダーバードに導入された681系からの伝統です。黄色系統だからか車内が華やいで見えます。
見た目はJR四国8600系のグリーン車の色違いといったところでしょうか。ただし、レッグレストはありません。
窓側のカーテンが横引き型からロールアップ式になったのをはじめ、今までJR西日本の新車ではなぜか設置されてこなかったグリーン車の背面テーブルがついに装備され、今まで我が道を行く感じだったJR西日本在来線の座席が、ついにJR他社と足並みをそろえた格好になっています。
もっともJR西日本らしいところも残されており、ひじ掛けが手を載せるところ以外がモケットに覆われているのはJR西日本らしいところ。ただ手を載せるところが木製なのはあとのメンテが大変なのでは?と思うところも。(JR九州のぼろぼろの木製ひじ掛けを見ると猶更思います。)
座ってみるとリクライニングしないときはそれなりに快適。座席のサイズ自体が大きいからか普通車で見られた腰への圧迫がほとんどなく、ほとんど気になりません。
ところがリクライニングすると普通車と同じくチルト機構が働きお尻の部分が多少沈みますが、やはり座面と背面のバランスがよろしくなく感覚的には腰、お腹周りの部分が張りだすような感覚が。
決定的にダメだあ、と思ったのは、リクライニングの状態で深く腰掛けているとだんだん背中が痛くなってきたところです。
なぜ、と振り向くと、背中のくぼみ部分が当たったところがどうも問題の様子。ただ、この感覚妙にデジャビュだな・・・と思い起こすと、ANAの旧プレミアムエコノミー(プレエコ)の座席で同じ経験をしていたことに気づきました。
今のプレエコのシートはそうでもないのですが、昔の座席は同じく背中にくぼみがあり、アメリカなど長距離路線だと背中が痛くなったので、背面に毛布を敷いて寝ていました。
ならば、ここでも同じだと思ってグリーン車に常備されている毛布を持ってきて、座席の背面に敷いてみると背中の痛みがすっと引きました。どうもこれが正解っぽいです。
上記写真の奥が毛布を置いた状態ですが、毛布の上からわずかにくぼみがあるのがわかるかと思います。結構きついなあ。
多分厚着となる冬ではそんなに問題にならないかもしれませんが、この日は真夏でTシャツ1枚。こういう条件も重なって、たまたまこんな事態になったもの・・・と信じたい。
このあたりのバランスが絶妙な東海道・山陽新幹線N700系のグリーン車はやっぱり最高だなあ、と改めて思います。
ベストポジションを決めて車窓を眺めると、見慣れた伯備線の景色。伯備線は総社~伯耆溝口間の大半をこういう山間を縫うように走る区間で、カーブが多いため新型車も振り子式になっています。
ただこういう険しい山間部が多いということは災害も多く、毎週のように落石トラブルがあり、数年に1度は土砂災害で長期運休を余儀なくされるという自然災害が非常に多い路線でもあります。
この日の「やくも5号」はそういったトラブルはなく、定刻に松江駅到着。
向かいには「あめつち」が停車中。ちなみに、グリーン車利用の場合、特急料金・グリーン料金は
・岡山(やくも5号)松江・・・5000円
・岡山(やくも5号)出雲市・・・6610円
・岡山(やくも5号)松江(あめつち)出雲市・・・5780円
と、松江で「あめつち」に乗り換えたほうが1000円近く安くなるので、急ぐ旅でなければ松江で「やくも」と「あめつち」豪華グリーン車乗り換えもいいでしょう。
岡山~松江が200km以内、岡山~出雲市が201km以上のため、特に201km以上でグリーン料金が跳ね上がるグリーン車を使うと料金差がかなり出てしまいます。
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