JR東日本では行楽期に吉川美南~鎌倉間に特急「鎌倉」を武蔵野線経由で走らせていますが、今回の「花咲く鎌倉あじさい号」はその変形バージョンになり、始発駅は吉川美南ではなく青梅線の青梅始発となり、立川から南武線、府中本町から「鎌倉」と同じルートで運行されました。
「あじさい」の名前が語るように、運行はあじさいの期間中となり、2024年は6/8,9,22,23の4日間の運行となっています。
特急「鎌倉」は割安の特急料金となりますが、こちらは通常のB特急料金となり、「鎌倉」と比べるとやや割高。それでも乗車日はほぼ満席となっていました。
鎌倉方面に向かう列車は「鎌倉」のほか、いくつかのバリエーションがあり、一大観光スポットとなった鎌倉・江ノ島方面への集客にかなり知恵を凝らしているようです。
横浜通過の鎌倉行き
立川駅での発車は、南武線の7番ホームからの発車になります。通常233系ばかりの南武線に特急が入ることに。案内版は臨時「鎌倉あじさい」と「花咲く」が抜けた状態で表示されています。
青梅線から南武線に直通する「花咲く鎌倉あじさい号」ですが、青梅線と南武線の間には中央線があります。平面交差すると中央線の列車運行に支障をきたすので、立川駅北方で青梅線から分かれて高架で中央線をまたぎ、南武線に向かう通称「青梅短絡線」を経由して青梅線から直接南武線ホームに入ります。青梅方面から青梅短絡線を通る旅客列車はまれです。
逆に立川から青梅方面の列車は、中央線から青梅線直通の列車が使用するため、頻繁に見かけます。
南武線ホームは233系にあわせてホームドアが設置されているため、ドア数が違うE257系は立川駅でどうなるのか興味深かったのですが、ドア扱いを3号車限定とする思い切った方策をとることに。
さらに入ってきた列車を見ると3号車以外はほぼ満席なのに、3号車は客ゼロというかなり極端な状況です。
どうやら3号車を立川乗車専用として、立川~青梅間の発売をブロックしていた模様。確かに、購入時に立川~鎌倉は空いているのに、青梅~鎌倉、青梅~立川が満席という謎な空席状況だったので???だったのですが、ハナから3号車は立川~青梅を売らないという設定ならば理解できます。(実際はどうなのかわかりませんが)
ただ、流石に乗車口が一か所のみというのは乗車に時間がかかるようで、やや遅れ気味で発車していきました。
流石に5分間隔で運行される南武線に特急を入れても前につかえてなかなか進めません。このため、府中本町までは基本的にのろのろ運転となります。
府中本町をのろのろと通過したあと、武蔵野線電車を眺めながら列車は南武線から武蔵野線に転線します。武蔵野線といっても、府中本町から鶴見間は武蔵野南線と呼ばれる定期の旅客列車が通らない区間にあたり、本列車や「鎌倉」など立川、武蔵野方面から横浜方面に向かうような臨時列車が走行します。
南武線の線路と別れたと思ったら即トンネル。
トンネルを抜け、京王相模原線稲城駅付近をオーバークロスしてさらにトンネル。いくつかのトンネルを抜け、貨物駅が見えたと思ったらまた長いトンネル。いい加減トンネルに飽きてきたと思ったら、横須賀線新川崎駅付近で地上に出るように。さらに進んで鶴見駅でいったん停車します。
この付近は鶴見線のホームがなく、端からみると線路上で立ち往生しているようにも見えますが、実際はここで運転士の交代が行われます。この線路相鉄・JR直通線でも使用されており、こちらは鶴見駅を通過していきます。
鶴見駅を出ると東海道本線に合流します。
「鎌倉」が停車する横浜駅は猛スピードで通過。戸塚を過ぎて東海道本線から横須賀線に転線し大船駅をのろのろと通過。まもなく北鎌倉の案内が入り、乗客が一斉に立ち上がりだすと急ブレーキがかかり停車。
どうも踏切で非常ボタンが押されたらしくそのための停車だそうです。無謀横断か何かでしょうか。いずれにしてもあぶないなあ、もう。
安全確認はすぐにとれ、数分遅れで運行再開。北鎌倉でどっと降りていきました。以前は北鎌倉駅周辺はひっそりとした穴場的存在でしたが、最近はそのことが知れ渡ったせいか、北鎌倉にも観光客が集まる傾向にあるようです。もっともこの日はあじさいシーズンということで、北鎌倉駅近くの明月院(あじさい寺)、長谷寺、成就院といったあじさい名所に向けた観光客がメインといったところでしょうか。ただ今年は梅雨が遅れていますが咲いているのだろうか。
ガラガラとなった車内で終点鎌倉駅にやや遅れて到着。少ない観光客は一斉に改札口に向けていきますが、人でびっしりだった北鎌倉と比べて鎌倉駅前はそこまで混雑はしておらず、江ノ電乗り場も比較的ゆったりとしていました。
やっぱり列車名どおり「あじさい」が、今日の乗客の目当てなんでしょう。
終点といっても折り返しはできないため、乗車完了後ほどなく回送列車として逗子方面に出発していきました。
なおこの「花咲く鎌倉あじさい号」は、6/22,23にも1往復ずつ運転されます。
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