南ふらの情報プラザで、軟券の富良野行きの常備券を購入したのですが、そのときに目についたのがこれ。2種類あったのですが、1枚200円と手ごろなのもあって思わず2種類とも購入してしまいました。映画「鉄道員」で登場する架空の駅「幌舞駅」の入場券を模した記念きっぷです。「幌舞駅」のモデルは2024年3月31日で廃止される幾寅駅です。なお、これは正式な意味での鉄道きっぷではなく、いわゆるお土産品に類するもので有価証券としての効力はもちません。たぶん・・・
きっぷのサイズは記念きっぷなどで見られるD型硬券サイズ。材質もそれなりですが、地紋が斜め向いていたりと印刷がやや甘いようで、ホンモノの硬券と比べるとやはりクオリティ面では落ちるようです。とはいえ「鉄道員」の記念アイテムとしては手軽で、かつ内容とマッチしたものではないでしょうか。
やはり冬に来るべき?
幾寅駅は映画「鉄道員」のメイン舞台となっています。
高倉健演ずる主人公の佐藤が、幌舞駅のホームで雪の中列車を見送るシーンが印象的ですが、やはり訪問は冬が似合うのではないでしょうか。
幌舞駅は幾寅駅を改修、というかより古びた形で改修され、昭和40~50年ごろの国鉄の年季の入った木造駅舎のような感じになっています。丸形ポストも現役。
現在はこの駅舎の駅正面から向かって左半分が幾寅駅の待合室、右半分が映画「鉄道員」の資料室となっています。資料室は9:00~17:00の開館。ただし、この日は8:15過ぎに代行バスが到着すると、ほどなく鍵が開けられました。
幌舞駅の展示スペースには映画で使われた備品や制服、主に幌舞駅周辺での撮影風景の写真などが展示されています。
当時の映画セットを再現したスペースもあり、机や券箱、当時のテレビなどが展示されていました。
高倉健さん、志村けんさんなど故人の写真には花も添えられていました。そういや志村けんさんはお笑い以外では「鉄道員」が唯一の映画出演作品だったはず。
屋外には、映画「鉄道員」に出てきたキハ40 764号車がカットモデルで展示。これは映画のためにわざわざ前面を正面3枚窓、側面を通称「バス窓」として旧型気動車風にして撮影に臨んでいました。この車両は撮影後も主に旭川近辺を周辺に活躍していましたが、改造によって陳腐化が早まったようで他のキハ40より一足先に退役しています。
駅をから右斜め前には「だるま食堂」が。こちらも作中では過疎による人口減少で閉店するのですが、なんかこの風景も現在の日本のローカル線、ローカルバスおよびその地方の現状を見ている気がして、25年前と現在がダブって見えるように感じました。
「鉄道員」は廃線が決定した幌舞線がメイン舞台となる作品でしたが、モデルとなった幾寅駅も2016年の台風被災で列車運行停止、そして2024年3月31日自体で鉄道の駅自体が廃止となります。
映画と同じ運命をたどることになりましたが、この映画セット自体は観光名所として残るようです。映画のイメージを持ちたい人はやはり冬にくるべきでしょう。ただし、防寒装備は忘れずに。
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