札幌市内~帯広間は、従来「指定席往復割引きっぷ」(Rきっぷ)が発売されていましたが、北海道新幹線新函館北斗開業に伴う割引きっぷの見直しにより、2016年3月に道東方面の往復割引きっぷは特急指定席が使えるものから普通列車往復になり、乗車券往復割引きっぷになりました。
なお、Rきっぷ自体は札幌市内~稚内、網走方面については2024年1月現在も現存しています。
今まで特急指定席が使えたのにいきなり特急券別払いとなったのはどう考えても使い勝手が悪くなったとしか思えませんが、当時のJR北海道は「種類が多く、区間によって利用設備が異なるわかりにくさを解消し、よりスリムな商品体系に改めるため」との説明でした。ただ、どう考えてもわかりにくくなっています。
もっともわかりにくくなっただけで実は価格はそこまで変わっていません。2016年のRきっぷ廃止時、乗車券往復割引きっぷ登場時は札幌市内~帯広間の価格比較は下記のとおりでした。(青字は2024年1月時点での価格)
きっぷ名称 | 価格(札幌~帯広特急往復) |
正規の乗車券+特急料金 | 14440円(15580円) |
Rきっぷ(夏季) | 12750円 |
Rきっぷ(冬季) | 13150円 |
乗車券往復割引きっぷ+特急料金 | 12950円(13910円) |
得割きっぷ(2016年3月設定終了) | 11000円 |
乗車券往復割引きっぷ+北海道ネットきっぷ | 10330円 |
赤太字になっているのはいわゆる枚数限定の「特割系」にあたり、通常の割引きっぷよりもさらに安くなっています。特割系は、従来は「得割きっぷ」がありましたが、その置き換えとしてこの乗車券往復割引きっぷ+北海道ネットきっぷの組み合わせになりました。
この北海道ネットきっぷですが、乗車券往復割引きっぷ専用の特急券で名前のとおり、JR北海道のインターネット予約サービスでのみ販売でした。
つまり、乗車券は駅で購入して特急券はインターネット予約で購入するという非常に摩訶不思議な購入方法となっていたのです。
その真逆がJR九州のフリーきっぷで、フリーきっぷはJR九州のネット列車予約サービス限定、しかし座席指定は駅の指定席券売機かみどりの窓口でのみ可能という、これまた奇々怪々な販売スタイルでした。
その後、JR北海道経営悪化によるスリム化により、わずか10か月後の2017年1月にインターネット予約サービスが廃止され、あわせてこの「北海道ネットきっぷ」も廃止になっています。
かわりにJR北海道で導入された「えきねっと」では早速、札幌~帯広に「えきねっとトクだ値」が設定され、昼間の列車は正規の運賃+料金の20%引き、早朝、深夜の列車は45%引きとされました。(青字は2024年1月時点での価格)
きっぷ名称 | 価格(札幌~帯広特急往復) |
えきねっとトクだ値20 | 11540円(12460円) |
えきねっとトクだ値45 | 7920円(8560円) |
設定は早朝深夜の列車に限られますが、えきねっとトクだ値45の破壊力はかなりのものです。
現在は併売という形で、駅では乗車券往復割引きっぷが、ネットではえきねっとトクだ値が買えますが、2024年3月以降は、乗車券往復割引きっぷは廃止し、札幌~帯広の割引きっぷはえきねっとトクだ値に一本化するようです。
このあたりネット予約を推進したい思惑が見てとれますね。
Tilt261の面影
「スーパーとかち3号」は北海道入りのタイミングの問題で、乗車は南千歳から。
やってきたのはキハ261系1000番台車。現在のJR北海道の主力特急型気動車ですが、現在の白色の塗装はまだ少数派で、「スーパー宗谷」などと同じ青い車体に「Tilt261」「HET261」のロゴが入った車両がメインでした。
乗車した車両はキハ261系で一番最後に車体傾斜装置をつけて登場したST-1104編成ですが、性能通りに車体を傾けて最高速度130km/hで爆走した期間はわずか1年いう超宝の持ち腐れ編成でした。
またヘッドマークも「ST」マークになっており、「スーパー」とかちでした。現在はただの「とかち」となっており、幕式からLEDマークとなっていてかなり印象が変わっているのではないかと思います。
冬の北海道は基本的に真っ白です。
特に石勝線内は山中かつ気温が低いため、5月ぐらいまで雪が残ることがあります。
石勝線内は南千歳、追分、新夕張、占冠、トマム、新得と、 川端駅/滝ノ上駅を除き、特急なのに各駅に停車します。もっとも南千歳~新得は約130km。東京から沼津あたりの距離に相当し、北海道のスケールの大きさを感じさせるのに十分です。
かつては強風で減速することが多かった石勝線ですが、防風対策が進んだせいか最近はそこまで強風で運休することはなくなりました。もっとも防風板があっちこっちに設置されたため、眺望が悪くなっています。
新得から根室本線に入り、帯広に到着しました。せっかく来たんだしまたばんえい競馬に行ってみましょう。
ふゆのばんえい競馬
帯広駅からバスで10分程度のところに帯広競馬場があり、冬でもばんえい競馬が行われていました。
前回訪問時は秋でしたが今回は真冬。ただ、帯広はもともと雪が少ない土地柄で、溶けない雪が道端にあるものの、基本的には競馬場は雪はあまりありません。
それでも氷点下の寒さの中、真っ白な息をして人馬一体となってそりを引いているのを見ると、なんか息遣いが聞こえてきそうです。
ばんえい競馬の面白いところは、スピードが出ないこと。その気になればスタートからゴールまで走りながらおいかけることも可能です。
障害の手前では一度止まって一気に加速をつけ、乗り越えていきます。このタイミングがなかなか重要なようで、人馬の呼吸がぴったりあって初めて越えられるのだとか。
馬券はほぼ全部外してしまいましたが(大穴狙いだったので)、普通の競馬とは違う馬の力強さを存分に楽しむことができました。
(1/11の記事に続く)
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