「神戸・姫路デジタルパス」では、三宮から有馬温泉までの神戸市交通局、神戸電鉄の往復乗車が可能ですが、そのままでは利用できず、三宮もしくは新神戸駅の改札口でデジタルパスを提示してきっぷに引き換える必要があります。
このときに渡されるのが「団体数取扱券」です。
三宮から新神戸、谷上まで神戸市交通局(神戸市営地下鉄)、谷上から有馬温泉まで神戸電鉄に乗車することが可能です。
「有馬」の文字が逆になっていますが、これは自動改札を逆に通してしまったために逆になったものです(笑)。手渡されたときはこんな感じです。
書式としては金額式回数券と同じタイプで、自動改札を通すと乗車駅を印字。金額の分だけ乗車ができます。
今回は、神戸市交通局発行の団体数取券ですが、谷上以降の神戸電鉄もそのまま乗車できます。
劇的に安くなった有馬温泉
三宮から有馬温泉方面はバスもありますが、電車で行く場合、新開地からの神戸電鉄のほか、三宮から谷上まで神戸市営地下鉄、谷上から有馬温泉まで神戸電鉄のルートもあり、こちらが公共交通機関利用では最速ルートになります。
従来は新神戸~谷上が北神急行という別会社で運賃が高く、三宮~有馬温泉が片道950円とバスに比べてかなり割高だったこともあって、利用は低迷していました。
そこで神戸市が、新神戸~谷上間の北神急行の市営化を決定。結果、2020年6月に市営化され、三宮~谷上間が550円から280円、三宮~有馬温泉間が950円から680円(2020年当時)へと大幅な値下げになっています。
この大幅値下げの効果は当然大きく、乗客数は2020年に他地域がコロナ渦で軒並み2割から3割減の中、新神戸~谷上間は逆に1割増という顕著な増加が見られました。翌年は3割増。
そして、三宮から有馬温泉でも最安かつ最速になった谷上経由は乗り換えのハンデがあってもかなり利用客が増えたそうです。新神戸で新幹線と直結、そして神戸市中心部につながっているためもともとポテンシャルはかなり高かったはずですが、価格だけがネックになっていたみたいですね。
谷上では、神戸市営地下鉄と神戸電鉄が対面での乗り換え。非常に楽です。
あえて注意するとすれば平日は4両中1両が女性専用車両となるため、男性は乗り間違いに注意するところでしょうか。
谷上を発車した三田行きは、すぐに山登りを開始。
このあたりは谷底を走るため、山岳地帯を走ります。しかし、沿線には家が立ち並び、寂れた感じはしません。
有馬口駅で有馬温泉行の電車に乗り換え。
有馬温泉行は1100系。1969年製造の神戸電鉄では最古参編成にあたり、車内もかなり古めかしさが漂います。
有馬口からさらに山深くなり、トンネルを抜けたら終点有馬温泉。
ここから街の散策へ。
金の湯と銀の湯
有馬温泉には有名な外湯として金泉の「金の湯」、銀泉の「銀の湯」があります。
金の湯が有馬温泉の中心にほど近いところにあるのに対し、銀の湯はそこから坂を5分ほど上ったところにあり、ちょっと行きづらいかもしれません。
駅から近いのは「金の湯」ですが、「金の湯」は素通りして先に「銀の湯」に直行。
理由は簡単で、「いいものは後に」だからです。
銀の湯は、加温加水ありの循環式の炭酸泉。サイダー発祥の地である銀泉を使った銀の湯ではあるのですが、加温加水そして循環の過程でほとんど特徴となる泡は失われ、見た目はただのお湯になってしまってます。
なお、「銀の湯」から徒歩5分の「炭酸泉源公園」には炭酸泉の源泉があり、飲むことができます。
一方、金の湯はかけ流し式。
鉄分を含む茶色に濁ったお湯が特徴で、入浴するとガツンときていかにも体に効きそうな浴感。実際成分濃度が高い高張性温泉で、入ってるだけでじわじわ効いてきます。
加えて海水よりはるかに高い塩分、そして42度から44度と高いこともあって、あっという間に湯あたりすること請け合い。
実際、すぐ湯あたりしてしまう自分にとっては3分も連続してお湯に浸かることができず。休み休み入るのが精いっぱいでした。
ここまで書くとなんとなく想像できますが、「金の湯」->「銀の湯」と回ると「銀の湯」のがっかり感が半端なく、なんか損した気分になるので自分は「銀の湯」->「金の湯」と回るのが定番になっています。
入浴料は、週末だと金の湯が900円、銀の湯が700円で、スーパー銭湯でもない公衆浴場の入浴料としてはかなり強気ですが、セット券が1200円で売られているので、両方入るときはマストアイテムでしょう。
(9/21の記事に続く)
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