京都鉄道博物館・入館券2(シキ800展示)

京都鉄道博物館・2

12/7の記事に続き、京都鉄道博物館の入館券です。
このときも株主優待を利用して半額で入館しています。
チケットには収蔵車両が描かれていますが、何が出るかは割とランダムなようです。

この日のお目当てはEF200とシキ800。
特にシキ800は「大物車」と呼ばれる車両で、その名の通り大きな荷物を運ぶための車両です。

EF200とシキ800

京都鉄道博物館では、現役の車両を展示することがありますが、たまにマニアックな車両をもってくることがあります。
前回記事のオヤ31もそうですが、シキ800なんて普通の人ではそうそうお目にかかる車両ではありません。

EF200とシキ800(EF200側から見る)

EF200とシキ800です。EF200はJR貨物のハイパワー機関車。そしてシキ800は、変圧器などを運んだ大物車です。

まずEF200ですが、JR貨物初のハイパワー電気機関車として登場しました。
出力は従来の車両の2倍となり、まさに日本最強の機関車でした。ところがあまりのハイパワーぶりに地上の設備がおいつかず、そうこうしていくいちに貨物の需要が減ってしまったために、設備増強は取りやめとなってそのハイパワーは封印して運転せざるを得ない「悲劇の機関車」となってしまいました。
その後経済性に優れたEF210に置き換えられ、2019年に全機引退しています。
今回展示された2号機はその2019年まで活躍した車両です。

一方、シキ800の大物車は文字通り「大物」を運ぶ車両です。とはいっても鉄道車両の限界以上の大物は運べませんし、重すぎると線路を傷めてしまいます。
このシキ800では、大量の車輪で線路にかかる負荷を軽減し、荷物を挟み込んだり枠にはめたりすることで、車両限界ギリギリの大きな貨物を運ぶことができます。このシキ800は、主に発電所や変電所の変圧器などを運んだ車両で、挟み込むタイプになります。(吊り掛け式)

シキ800とEF200をシキ800側から見る

シキ800側からみた場合。非常に長い車両であることがわかります。

シキ800の形式板

シキ800の形式表示。多気駅とありますが、これは三重県の多気駅のことです。ここには変圧器を製造するダイヘンの工場があるために多気駅に置かれていたものと想像します。

シキ800 中央部

シキ800の中央部。貨物がないため、閉じてますが、変圧器などを輸送するときは真ん中が開いて貨物を挟み込みます。(吊り掛け式)日本通運所有の私有車のため、大きく通の文字が入っています。

シキ800 上から

上から見下ろすことができるのは京都鉄道博物館の特徴。このときは案内の人が車両に上って解説していました。架線に命綱をつけながらの解説でかなり危なそう。

じっくりEF200とシキ800を堪能していると、お昼になったので、いったん館外に出ました。(京都鉄道博物館は一時退館は可能です。)

廃線跡のイベント

かつて、京都駅から嵯峨野線(山陰本線)丹波口に向かうと、途中で大阪方面から来る線路と合流します。
これは梅小路短絡線と呼ばれ、通常なら大阪方面から嵯峨野線は京都駅でスイッチバックが必須だったものの、この短絡線を使用すると直接JR京都線(東海道本線)から嵯峨野線に入ることができました。(ただし、京都駅は通過となる。)

かつては大阪から嵯峨野線直通の列車もありましたが、ほとんど使用されなくなり、2016年に廃線となっています。
この廃線跡を京都市が無償でJR西日本から譲り受け、梅小路ハイラインとして歩道を整備することになりました。梅小路京都西駅から屋根付き通路を整備したあと、京都鉄道博物館の手前まではイベント会場として活用され、この日は飲食のイベントが行われていました。

梅小路ハイライン1

梅小路ハイラインのイベント。屋台などが出店しています。ランチはここで、地ビールと一緒に。

梅小路ハイライン2

さらに大阪方面に歩くと線路跡が見えてきます。ここが廃線跡であることがわかる瞬間です。左下は京都鉄道博物館の収蔵車両たち。

なが~い大物車

昼食後は博物館に戻り、再度見学開始。
ほかの展示物も見ていましたが、EF200およびシキ800の退館イベントが行われるということで、見物に。

出発するシキ800

展示ルームから出発するシキ800。改めて見ると本当に長くて車輪の数が半端ない。

DE10に引かれてしずしずと出発。ちなみにシキ800は貨物を積んでいるときは最高速度45kmなので、かなり遅いです。
館内では全景が撮影できなかったため、いまいち大きさがピンときませんでしたが、こうやって真横から見ると非常に長い車両であることがわかります。車輪も32個と通常の車両の約4倍。
このシキ800はこのあと廃車されています。現在同型の車両(シキ801)が1両のみ現役で残っているそうです。

ときどきトンデモ車両を入れてくる京都鉄道博物館ですが、今回はその中でもかなり珍しい車両ではないでしょうか。

C56のSLスチーム号

この日のSLスチーム号はC56が登板。ただこの日ばかりは主役はEF200とシキ800でした。

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