「かがやき509号」特急券・グリーン券(eきっぷ・グランクラス)

かがやき509号の特急券・グリーン券です。

「かがやき509号」の特急券・グリーン券(グランクラス)です。
グランクラスは新青森から上野の東北新幹線のE5系のはやぶさ6号で紹介して以来です。

グランクラスは2011年にE5系登場と同時に誕生したクラスで、グリーン料金に加算料金を加える形になっています。登場当時は昼間の定期運行の列車では最上位に位置する車両として注目を集めました。その豪華な車両設備とサービスがクローズアップされがちですが、今回は主にそのきっぷの券面と料金について掘り下げてみます。

複雑怪奇な北陸新幹線の料金体系

グランクラスの料金はグリーン料金+5240円(2023年現在。2015年5月当時は税率8%のため+5160円。)となっています。定額料金がかかる関係上、短距離ほど割高感が高く、基本的に長距離乗車を前提にしています。
2011年のグランクラス設定当初はグリーン料金に加算料金という考え方でアナウンスされていましたが、現在は料金設定こそ登場と変わらないものの、現在はグランクラス料金はグリーン料金とは全く別系統として扱われているようにも見えます。
旅客営業規則第130条上もグランクラスはグリーン車とは別物として単体で料金設定が行われています。

ところで、東京~金沢の場合、東京~上越妙高間はJR東日本、上越妙高~金沢間はJR西日本となっています。
前回前々回の記事を参考に計算すると、特急料金、グリーン料金、グランクラス料金は次のようになるはずです。(2015年5月時点)
なお、グランクラス利用の場合、は2社またがりの場合それぞれのグランクラス料金から1030円(2023年時点では1050円)値引きになります。

    • 特急料金
      ・東京~上越妙高間4200円
      ・上越妙高~金沢間3110円
      ・上越新幹線をまたいだ通しの場合、520円割引
      ・グリーン車利用の場合、520円割引
      最終的な金額4200+3110-520-520=6270円
      (eきっぷのためここから割引)

    • グリーン(グランクラス)料金
      ・東京~上越妙高間
       グリーン3090円
       グランクラス加算5160円
       割引1030円
       合計7220円
      ・上越妙高~金沢
       グリーン2060円
       グランクラス加算5160円
       割引1030円
       合計6190円
      最終的な金額、7220+6190=13370円

では、答え合わせをしてみましょう。

券面の東京~金沢(2015年)特急券、グリーン(グランクラス)券
・特急料金、6280円(eきっぷのため、ここからさらに140円割引)
・グランクラス料金、13370円

グランクラス料金は一致しましたが、

特急料金がなんか違う・・・・(10円だけだけど)

きっぷの券面を見て気づくと思いますが、北海道~東北新幹線や、山陽~九州新幹線であった、特急料金の内訳表示が北陸新幹線ではありません。
これは特急料金の運賃設定を定めた旅客営業規則第125条を見ても明らかで、北海道~東北新幹線や、山陽~九州新幹線にあった特急料金の但し書きが北陸新幹線には一切ありません。

つまり、北陸新幹線の特急料金は時刻表にある三角表がすべてだということです。そのため、北陸新幹線の特急券の券面には、その内訳にあたる「北特」「九特」といった表示が一切なく、単純に「特」で全区間の特急料金が記載されているのみとなっています。

きっぷの券面に目を向けると、「特」が「東京~金沢」全区間の特急料金、「グ」がグリーン券(グランクラス)の料金です。
その下に【グランクラス】G05150 とありますが、これはグランクラス加算がない状態のグリーン料金で、「05150」が、東京~金沢のグリーン料金相当分の価格(東京~上越妙高3090円、上越妙高~金沢2060円の合算)となっています。

このように会社またがりの場合の特急料金の考え方が、北陸新幹線とその他で違うのは謎ですが、実際の料金設定自体は北陸新幹線もほぼJR東日本分とJR西日本分の単純加算なのはほぼ変わらないので、いずれにしても割高なのは否めないところです。

グランクラスに乗ってみよう。

しかし、東京~金沢のグランクラスの料金が13370円というのは、かなり高い印象が。
かつての寝台特急「北陸」のA寝台個室(シングルデラックス)とほぼ同額なので、そう思うのも無理はありません。実際は上越妙高を境にほぼ2回分支払っているようなものなので、ここまで高くなったものだと思います。

グランクラスのログ

グランクラスの側面ロゴ。なかなかカッコいい。

かがやき509号の側面表示

かがやき509号の側面表示。グランクラスにはGをイメージしたロゴが入っています。

グランクラスはH7系12両編成の12号車。つまり一番端の号車になります。登場当初はのぞき見が多かったようで、きっぷをもっていない人の立ち入りを固く禁じる放送を盛んにしていたと思います。

側面に「G」をかたどったエンブレムが。「G」をグランクラスと取るかゴ〇ブ〇と取るかで印象が全く違いますが、もう少しネーミングは熟考してもよかったところ。今更の感想ではありますが。

グランクラス車内

グランクラスの車内です。1+2の座席配置はもちろんフル規格の新幹線では最強クラス。

グランクラスの座席

グランクラスの座席は飛行機の国内線アッパークラスのシートに近いですが、窓が大きいのは新幹線の特権。

車内はフル規格新幹線では最大級の1+2シートが並びます。背もたれをフルにリクライニングしても後ろが気にならないバックシェル式の電動リクライニングシートに、電動ふっとレスト、レッグレス装備。プライバシーパーテンダーまでついています。
読書灯は個別のものを完備。

ここまでくると、やはり飛行機のプレミアムクラスやファーストクラスに近い印象を受けます。
さらに軽食サービスまであります。

グランクラスの軽食。

グランクラスの軽食です。シードルやおかきと一緒に。包装やかけ紙はグランクラスのオリジナル。

グランクラスの軽食(和食)

洋食と和食を選べますがこの日は和食を選択。東北新幹線とはメニューが異なるそうです。

軽食は弁当箱に入ってやってきました。ANAのローカル線のプレミアムクラスとほぼ体裁は同じ。グランクラスのマークがなければ機内食と言っても間違いなさそうです。

ちなみにJALファーストクラスや幹線系のANAプレミアムクラスは陶器のお皿に盛られた形でやってくるし、食事もさらに本格的なものとなっています。

この手のサービスはだんだん合理化のもと簡素になっていくのですが、グランクラスも例外ではなく、洋食と和食を選択できる仕組みを和食に一本化したほか、2022年10月には軽食そのものを冷凍食品に切り替え、路線、および上下別で異なってた軽食の内容を統一したとのことです。(ただし、洋食と和食の選択制は復活)
食品廃棄ロスを減らすSDGsを考慮してとのことですが、正直自分はSDGs自体反対の立場なんで、あんまり気分のいいものではありません。

JR東日本など「グランクラス」車内サービスを10月からリニューアル
JR東日本、JR北海道、JR西日本、JR東日本サービスクリエーションは26日、東北・北海道新幹線と北陸新幹線の「グランクラス(飲料・軽食あり)」車内サービスを10月1日からリニューアルすると発表した。

サイトを見ると、軽食というよりは酒のツマミという感じに見え、食事を期待していた人はあてが外れた形になる一方、車内で呑兵衛派にはちょうどいい一品になるかも。
もしかしたら、サービスがどうなったか比較のためにもう一度乗ってみようか。

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