特急「はくつる82号」急行「銀河」特急券・急行券・B寝台券

はくつる82号B寝台券です。

小ネタその2です。上野~青森間を結ぶ寝台特急「はくつる82号」のB寝台券です。「はくつる」は東北新幹線八戸開業まで上野~青森間を東北本線で結ぶ寝台特急で、1964年に20系ブルートレインとして初めて東北を走った寝台特急です。
運行当初は常磐線経由でしたが、1968年に東北本線全線電化とともに東北本線経由にコンバートされたうえで寝台電車583系に置き換えられました。

客車から電車に置き換わったことで大幅にスピードアップ。上野から青森、青森から青函連絡船を通して函館発網走行き特急「おおとり」函館発釧路行き特急「おおぞら」に接続し、上野から網走、釧路を約24時間で結ぶようになっています。
その後は対北海道連絡のエースとして君臨していましたが、1975年以降の相次ぐ国鉄運賃の値上げと航空路線の発達で東京対北海道における優位性は急速に低下、以降は主に首都圏と青森を最速で結ぶ寝台特急の役割が強くなりました。

ついに1993年に583系電車特急からブルートレインである24系25形に置き換え。そして2004年の東北新幹線八戸開業で廃止されました。

もっとも需要自体は堅調だったようで、繁忙期にはこのように「はくつる81号」「はくつる82号」が列車廃止直前まで運転されていました。
この臨時の「はくつる」は、定期列車がブルートレイン化したのに対し、こちらは引き続き電車寝台(583系)で運行されています。臨時列車ながらスピードは定期の「はくつる」を圧倒し、上野~青森間を所要約9時間、表定速度約81km/hと夜行列車ながらかなりの高速運転でした。

さて、この「はくつる82号」は「2号車2番中段」。これはいわゆる「パン下中段」と呼ばれるもので、583系電車のパンダグラフ下の寝台にあたります。
詳しい説明は下記記事にて。

急行「きたぐに」急行券・B寝台券(2)
新潟から京都の急行「きたぐに」のB寝台券です。きたぐにの寝台券自体は何度も紹介してますが、今回もパン下寝台です。ただし10号車です。そもそも今回は当日急遽乗車することになり、当日青森駅で空席を聞いてみ...

583系電車はB寝台は三段寝台で上下が非常に狭く、起き上がると頭を天井にぶつけてしまうのですが、パン下部分の中段は上段がないため非常に上下が広く非常に快適でした。しかも寝台料金は5250円とお値打ち。(通常2段寝台は当時6300円)なので当時は積極的に狙っていましたね。

上野~青森所要9時間というのは、「寝る」時間としては長くもなく短くもなくまさにうってつけで、宿泊料金が高騰した今の時代に設定してもおそらく人気を博しそうですが、おそらくこの先に復活はなさそうです。

そのかわり、ではなさそうですが、JR東日本は新しいコンセプトの夜行特急の運行を突如2025年6月に発表しました。

常磐線特急が「豪華夜行列車」に変身! JR東、2027年春に「全車グリーン車個室」の夜行列車を投入 - 鉄道コム
JR東日本は10日、新たな夜行特急列車を導入すると発表しました。

完全な寝台特急ではないようですが、夜行特急の登場は少なからずニュースになったようです。おそらく「WEST EXSPRESS 銀河」に触発されたのでは?と思いますが、なんとなく復活する夜行特急に「はくつる」の名前が付けられそうな気がします(笑)

寝台急行「銀河」

銀河、急行券、B寝台券です。

寝台急行「銀河」の急行券、B寝台券です。東京で結構遅くまで飲めるので割と重宝していました。

こちらは寝台急行「銀河」の急行券・B寝台券です。「WEST EXPRESS 銀河」の由来?にもなったこの「銀河」は、東京~大阪間の寝台急行として1949年に登場しました。以来、本数が増えたり、姫路まで延長したりしていましたが、2008年の廃止までほぼ東京~大阪間という一番の重要区間を走っていました。

特に京都到着7時前というのが京都観光にうってつけで、晩年はビジネスマンのほか京都観光の観光客も多かった気がします。また京阪神の人にとってはねずみの国への足としてよく使われていました。
とはいうものの、廃止が発表されるまでは当日予約が可能なぐらい空いており、自分も当日東京でぎりぎりまで飲んでそのまま「銀河」に飛び乗って京都に帰る、は割とよくやってたと思います。

この「銀河」については東京~大阪間で需要もありそうなのでよく復活論議がされ、特に昨今は宿泊価格の暴騰、バーゲン以外の航空運賃の高騰によって夜行列車が見直されつつあり、「サンライズ出雲・瀬戸」は以前より乗車率が上がり、一部取りずらくなっています。
ただ東京~大阪間については、JR東日本、JR東海、JR西日本の三社が絡むためどうしても調整が面倒なのと、夜行列車に使える車両がありません。これからわざわざ新設する寝台列車のために車両を新造するとは考えにくく、ちょっと難しいのではないでしょうか。

銀河「テールマーク」

銀河のテールマークは銀河系をイメージしたもの。白い☆マークが寝台急行の証です。

さて、この日ですが、「はくつる82号」で上野に向かい、翌日の「銀河」で京都に帰っています。いわゆる寝台2連泊ですが、2000年前後はまだまだ全国に寝台列車、夜行列車が残存しており、このような乗り継ぎが可能でした。
また青春18きっぷも利用できた夜行快速列車も多数運行されていました。

このときは20年もたたずに「サンライズ」以外の夜行列車がほぼ壊滅するなんて予想もしてませんでしたが、今から思うと2000年前後の乗り鉄って割といろいろ楽しめてた気がします。

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