広島・瀬戸内tabiwaぐるりんパス（2024年版）

広島地区のJR、広島電鉄および船が3日間乗り放題の「広島・瀬戸内tabiwaぐるりんパス」です。フリー区間は毎年変わりませんが、利用できる施設が年々変わってきており、

となっています。

乗車、下車時はこれを提示します。フリー区間はエリアの割りには広め。

さて2024年版の場合3600円で3日間有効ですが、三原～岩国往復で3960円とこれだけでモトが取れてしまいます。一方、船ですが、

広島～呉フェリー：1100円
広島～江田島高速船：950円
江田島～呉高速船：650円
広島～宮島高速船：2300円
宮島～宮島口フェリー：200円

合計5200円！

・・・ヤルしかないか。。。

というわけで、このきっぷで瀬戸内船で宮島～呉～広島の大周遊です。

派手なカープ電車

全体ラッピングのカープ電車。JRでプロ野球の全体ラッピングって広島と日ハムぐらいしかない気がする。

三原駅の改札を出て待っていたのは後ろより4両がカープラッピングをした227系電車8両編成。全体がド派手な真っ赤な電車で車体にはカープの代表選手が紹介されています。こういうラッピングはJRでは意外と見かけない気が。

227系車内もカープ一色。新井監督の評価はかなり分かれるところですが・・・

車内は広告欄はすべてカープ一色。新井カープですが、2024年はこの時点では好調で8月までセリーグ首位を堅持。しかし9月に5勝20敗と歴史的な失速で首位どころかクライマックスシリーズ進出まで逃してしまいました。
カープファンにとっては悪夢ともいえる9月ですが、実は2025年も6勝16敗とこれまた酷い数字で、もしかすると新井カープにとっては9月は鬼門になるのかもしれません。

そのカープ電車を宮島口駅で下車します。

5000円越えランチ

「あなごめし」で有名な「うえの」。開店直後なので人もまばら。

宮島口駅を出て宮島口港に向かう途中に「あなごめし弁当」で有名な「うえの」があります。
10時過ぎの開店直後はさすがに行列はあまりなく、すんなり入れそうなので早いランチですが入店。

あなごめし特上。3340円也。綺麗に並べられたあなごが輝いて見えます。

まずはあなごめし「特上」を。お値段はついに3000円の大台を突破して3340円。ホント、物価高の波は容赦なく「うえの」にも襲い掛かります。しかし、タレをつけて絶妙な焼き加減で乗せたあなごは一種の芸術品かも。
なお、あなごめし弁当は「上」扱いとなりますが、店舗で食べるとお吸い物とお新香がついてきます。

おすすめの穴子白焼き。塩やワサビで食べます。あなご本来の風味が漂います。

穴子白焼き1760円。10年ほど前は1000円ぐらいで食べられたことを思うとずいぶんと値上げしました。
素焼きの穴子に塩やワサビをつけて食べる一品。穴子のごまかしがきかないので、これが出せるのは穴子に自信があるということでしょう。
しかし、あなごめし＋白焼きで5100円。ランチで5100円ってあんまり記憶ないなあ。

アイランド（じゃない）ホッピング

宮島口から乗船したのが「みやじま丸」。ただ天候がどんどん悪化してきました。

さて、宮島口から「アイランドホッピング」・・・ではない「アイランドじゃないホッピング」を開始。「アイランドホッピング」とは2点間を島と島の船を乗継ながら移動する形態です。船の乗り継ぎという意味では同じですが、乗り継ぎが「アイランド（島）」ではないので、ちょっと違いますね（笑）

一番手はJR西日本宮島フェリーの「みやじま丸」。日本初のディーゼルエンジンではないモーターを回してスクリューを回転するフェリーとして知られています。

JR宮島フェリー名物？の厳島神社沖からの光景。フェリーならではの視点です。

JR西日本宮島フェリーは行きはやや右寄りに走行して厳島神社の大鳥居の沖を航行します。このときは皆右舷側に人が集まります（笑）

しかしどんどん天気が悪くなってきました。

厳島神社側から見るとこんな感じ。鳥居の向こうに接近する「みやじま丸」が見えます。

宮島港で下船し、厳島神社へ。今度は厳島神社からフェリーを眺めてみました。天気が悪いのではっきりとは見えないものの、大鳥居の中から宮島フェリーがどんどん接近する様子がわかります。

これはこれでなかなか面白い光景です。

主に広島宇品港～宮島高港航路に就航する「おやしお」シーズンは大行列となります。

宮島港からは、広島まで高速船「おやしお」で広島まで。
シーズンには大行列ができる航路ですが、この日は悪天候ということもあってほとんど客はいません。やってきた「おやしお」は乗り降りを済ませるとすぐに折り返して広島へ。

広島、宇品港に入る間際に江田島行きフェリーを発見。

宮島から広島宇品港まで22分。さすがに海路を一直線に結ぶだけあってJR+連絡線より数段早いです。もっとも宇品から広電で広島駅まで向かうと実はあまり大差なかったりしますが・・・

その宇品港の手前で出航するフェリーがありました。江田島行きフェリーです。

江田島（小用）までの高速船。江田島は呉経由で車でも行けますがあまりにも大回りなので、特に江田島北部を中心に広島とのフェリーや航路を運航中。

広島（宇品）で乗り継いだのは江田島（小用）行きのフェリー。さらに小型になった高速船です。先の宮島方面は多分に観光客メインだったところもありますが、こちらは完全に地元の足。陸路だと呉を経由してすごく遠回りなので、今でも江田島はフェリーや高速船がメインです。

客層が先の宮島航路とがらりと変わり、どう見ても用務客しかいません。心なしか高速船の操船も荒っぽく感じますが気のせいかな。

江田島では呉行きフェリーが接続していますが乗り継ぎ時間がわずか5分！。そして案の定こういうときに限り荒れた天気で船が進まず、3分ほど遅れて到着しました。

小用～呉のフェリー。広島からの乗り継ぎ客（私だけですが）を収容するとそそくさと出航しました。右手に見えるのが先に乗った、広島～小用の高速船。

下船すると「呉行きはこちら～」と呼ぶ声が。そのまま声につられて停泊中のフェリーに走り、乗船するとそのまま出航です。船の乗り継ぎで走るなんて初めての経験です（笑）

さて江田島（小用）～呉のフェリーですが、陸路と海路だとこれだけ差があります。

海をみながらドライブも悪くないですが、距離が圧倒的に違うので、フェリー利用も多いようです。

船内はフェリーだけあってさすがにゆとりがあります。

フェリーなので船内も広々。ただガラガラなのはたまたまだったのでしょうか。
20分ほどで呉港到着です。

呉港に入港した江田島～呉フェリー。このあたりは短距離フェリーや高速船が発達しています。

呉港で下船後、改めてフェリーを撮影。20分程度のショートトリップですが、そういえば宮島フェリーと形態が近いことに今更ながら気づきました。

呉港では時間があったので、散歩・・・といきたかったけど天候がよろしくないので喫茶店に。大和ミュージアムのすぐ横にある「SEASIDE CAFE BEACON」です。

ちょうど大和ミュージアムとてつのくじら館の間にあるカフェ「SEASIDE CAFE BEACON」呉港に出入りする船舶が見られます。

ここでは「呉海自カレー」の提供店となっていたので、とりあえず注文。

護衛艦「さみだれ」のカレーをもとにした「さみだれカレー」それほど辛くはなく。マイルド風味。

護衛艦「さみだれ」で提供されているカレーをもとに作られた「さみだれカレー」1250円也（2024年当時、現在は1350円）なお、真ん中に乗っているかつは別売りの「がんす」で、カマボコのすり身に野菜などを混ぜ合わせ、パン粉をつけて揚げたもの。呉のローカルフードに近い扱いで呉以外の知名度はいまいちですが、今は拡販の結果広島でも結構広まっている模様。

広島～松山フェリー。さすがに船体がデカイ。

アイランド（じゃない）ホッピングの最終便は呉～広島のフェリー。広島～呉～松山を結ぶフェリーの区間乗船となります。
さすがに広島と松山という県都どおしを結ぶフェリーなので、今までのフェリーと異なり船体は桁違いに大きく、立派です。

船内はさすがに広く、売店なども設置されています。

当然ながら船内も広く、客層もバラエティ豊か。インバウンドの姿も見えます。船内はリクライニングシートと桟敷席と、一般的なフェリーとほぼ同等です。

乗船した船はごく一般的なフェリーですが、近年この広島～呉～松山航路にフェリーのイメージを変えた「シーパセオ」「シーパセオ2」が就航。従来のフェリーのイメージをがらりと変えましたが、一度乗ってみたいものです。

結局天候は回復しないまま広島港に到着。どうも景色が楽しめないのは仕方ないですが、悪天候でも波が少なくて安定した船旅が楽しめるのはさすが瀬戸内海、といったところでしょうか。
もっとも翌日はさらに天候が悪化し暴風警報が発令、高速船は欠航。呉線も運休となってしまい、旅どころではなくなってしまっていました。。。