JR東海が発売している「北陸観光フリーきっぷ」です。JR東海の主な駅から北陸周遊に便利なきっぷです。
出発駅から自由周遊区間までは特急指定席が利用可能で、自由周遊区間内は特急自由席が乗り放題です。自由周遊区間はかなり広く、敦賀から黒部までの北陸本線と七尾線、越美北線、城端線、氷見線です。
自由周遊区間までの行き帰りが片道が「ひだ」片道が「しらさぎ」に固定されていることが特徴で、同じ道を往復することはできません。お値段は2014年時点で15430円。
なお、本きっぷは2014年購入のため北陸新幹線がありませんが、北陸新幹線開業後もきっぷ自体は存続し、現在は名古屋市内発は17720円となっています。
現在のフリー区間は北陸新幹線の敦賀~黒部宇奈月温泉間、ハピラインふくい/IRいしかわ鉄道/あいの風とやま鉄道の敦賀~黒部間、七尾線、越美北線、城端線、氷見線です。転換された第三セクターどころか北陸新幹線も乗り放題なあたり、北陸周遊に非常に便利なのではないでしょうか。
なお、自由周遊区間外では、下呂、高山、飛騨古川で途中下車できます。
2025年で富山往復を考えるとこんな感じ。
| きっぷ | 値段 |
|---|---|
| 「しらさぎ」敦賀乗り換え、 北陸新幹線普通運賃、特急料金 |
20540円 |
| スマートEX自由席+乗継きっぷ (米原経由) |
17260円 |
| 北陸観光フリーきっぷ | 17720円 |
| ひだ号富山往復割引きっぷ (高山線往復限定) |
13040円 |
| 高速バス(名古屋~富山線) | 11600円(土休日) |
高速バスの安さが目立ちますが、ひだ号富山往復割引きっぷもそれなりに安いです。所要時間は高速バスと「ひだ」でいい勝負。ただ富山に行く「ひだ」の本数が少ないのがネックです。
北陸観光フリーきっぷは、4日間敦賀~黒部宇奈月温泉の新幹線が乗り放題というのがかなり強い。とにかくスピードは圧倒的なので、北陸3県を周遊する場合は文句なしの選択肢になるのではないでしょうか。
高山本線を行く
今回は行きを「ひだ」利用、帰りを「しらさぎ」利用としました。高山本線の渓谷の景色が美しいため、個人的には行きを「ひだ」にすることを強くお勧めします。
なお、「北陸観光フリーきっぷ」では途中下呂、高山、飛騨古川で途中下車が可能ですが、特急券は2列車に限り指定が可能です。今回は名古屋から下呂を「ひだ3号」、下呂から富山を「ひだ7号」としました。
もちろん高山あたりで一泊して観光し、翌日富山に向かうことも可能です。
2014年当時「ひだ」はキハ85が使用されていました。
名古屋発の「ひだ」は岐阜で方向転換します。このため名古屋駅ではあらかじめ座席が後ろ向きにセットされていました。
岐阜を出るとしばらくは岐阜市郊外を走るものの、鵜沼を過ぎると木曽川が寄り添い、美濃太田を過ぎるといよいよ渓谷に入っていきます。上麻生駅あたりで飛水峡の案内が入り、飛騨川が生み出した渓谷美を楽しむことができます。このあたりは車窓右手のほうが景色がいいかな。
白川口を過ぎると飛騨川の蛇行も激しくなり今度は左手に飛騨川を望むように。そのまま下呂駅に到着です。
下呂駅から飛騨川を渡り、徒歩10分のところにある「クアガーデン露天風呂」。入浴料は700円の日帰り温泉施設で、文字通り露天風呂しかありません。
下呂温泉の泉質はぬるぬる系で、かなり滑らかな感じ。
2時間ほど温泉でのんびりしたあとは、下呂駅に戻り「ひだ」の旅を続行。今度は「ひだ7号」です。
途中渚駅で運転停車。「なぎさ」ですが、もちろん岐阜県に「なぎさ」が見られる場所はなく、それどころか高山本線でおそらく一番さびれた駅ではないでしょうか。国道41号が近くを走り、約1km離れた道の駅飛騨街道なぎさがそこそこにぎわっているので秘境駅にはなりませんが、駅はひっそりとしずまりかえっていました。
高山を過ぎると平坦となりますが、飛騨古川、飛騨細江を過ぎると再び山間部へ。この区間は災害などで不通になる区間です。
この区間は災害でよく不通になります。その際運行する代行バスも猪谷~飛騨古川間は神岡経由の国道41号を使うほうが早いため、直行バスは基本的に国道41号でショートカットします。
景色を眺めると平行する道路もシェッドで覆われているところがほとんど。土砂崩れや雪崩などの被害から防ぐためで大糸線の南小谷以北でもよく見られます。

猪谷でJR西日本の運転士、車掌に交代。駅名標もJR西日本様式となります。ここからは富山に向けてラストスパート。気が付くと富山平野に入っており、神通川を渡ると富山駅です。
富山駅に到着した特急「ひだ7号」のすぐ近くでは北陸新幹線の工事が進捗中。翌年開業に向けて巨大な高架建造物が姿を現してきました。
一方で新しく登場するものもあればもうすぐ消えるものもあり、隣のホームでは、すっかり色あせた国鉄急行型塗装をした475系が最後の活躍をしていました。塗装は剥げ、かなり痛々しい姿になっており翌年の北陸新幹線金沢開業で廃車となっています。
(11/7の記事に続く)











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