2017年の九州北部豪雨で日田彦山線の添田~日田間が不通になってまる6年。バス代行を経て2023年に日田~添田間の区間は日田彦山線BRT「ひこぼしライン」となりました。
基本的に一般道を走行しますが、宝珠山~彦山間は日田彦山線の路盤を転用した専用軌道を走行するようになっています。
運賃体系は鉄道線とは切り離され、バス運賃となり鉄道乗継の場合は鉄道部分と「ひこぼしライン」部分が合算となっています。
ただし、九州内の一部の駅から「ひこぼしライン」への乗継を行った場合は両者の合算運賃から100円割引されます。
今回はそんなJR鉄道線と「ひこぼしライン」を乗り継いだ場合の乗車券です。
日田駅から夜明駅まではJR久大本線、最寄りのBRT夜明からBRT大明小中学校前までが「ひこぼしライン」となる乗継乗車券です。なお、このきっぷはJR九州内のみどりの窓口のほか、JR九州内の指定席券売機でも発売されています。(九州外では購入不可)
運賃は
・日田~夜明間:230円
・BRT夜明~BRT大明小中学校間:230円
・発売額:230+230-100=360円
となります。
一方、こちらは乗車券の区間は同じものの、経由が「久大・光岡・BRT線」となっているとおり、夜明駅ではなく光岡駅で乗り換えの乗車券となります。日田~光岡~夜明間はJR久大本線とBRTひこぼしラインが併走しており、3駅どの駅でも鉄道とBRTの乗り換えが可能です。こちらの場合、
・日田~光岡間:170円
・BRT光岡~BRT大明小中学校間:280円
・発売額:170+280-100=350円
と10円安くなりました。
なお、日田からはBRTで直接大明小中学校前まで行けるので(運賃300円)こういう鉄道乗継をするのはあまり現実的ではないと思います。
未来を先取り燃料電池バス
(7/9の記事から続く)
「進撃の巨人」づくしだった日田駅前からマイクロバスが添田に向けて発車していきます。これが日田彦山線BRT「ひこぼしライン」です。今回紹介したきっぷは日田からはJR線のきっぷですが、「福岡・大分DC&オフろう!きっぷ」を持っているのでこちらを使用してそのままバスに乗車。
ただし、乗車した便は燃料電池によるバスで、現在実証実験中とのこと。トヨタの燃料電池自動車「MIRAI」をベースにしてコースターのボディを載せたものになります。
走り出しは非常にスムーズ、モーター駆動特有の走り出しの高トルクで、特に日田駅出てすぐの久大本線をまたぐ陸橋を越えるときの上り坂での加速は目を見張るほど。
ただ、乗った感覚はバッテリーで動く「電気自動車」そのもので、「燃料電池車」特有の「何か」は乗っただけではいまいち見つけられませんでした。バッテリー充電の代わりに水素充填で動くだけの「電気自動車」が本来の姿なのかもしれません。
乗車した便は日田駅から日田市街地をぐるぐる回り、市役所前などを経由します。途中の停留所では乗車する学生などもあり、定着のほどを伺わせます。
光岡駅を過ぎてしばらく走ると久大本線と川に挟まれた国道386号線を走行します。この日は問題なかったのですが、乗車して2日後に大雨で橋梁が曲がるトラブルが発生。BRTも光岡~夜明間は7/11現在迂回を余儀なくされています。
大雨の影響?橋が波打つように変形、全面通行止め「崩落の恐れがある」…大分県日田市の国道
夜明駅を出るといよいよ旧日田彦山線区間へ。
といっても道路沿いを淡々と走ります。通常のバスと違うのは、旧日田彦山線の駅の場合、その近くまで乗り入れること。
例えば今山駅は旧駅前まで細い道をたどって入ります。駅前はロータリーとなっており、バスはロータリーを一周してもときた道を引き返していきました。
きっぷの行き先となったBRT大明小中学校前バス停は、通常のバス停と同じタイプ。宝珠山は旧駅舎が残っており、ここで専用道区間に入ります。
宝珠山を過ぎると、ゲートがあり一時停車。ゲートが開いて専用道区間に入ります。このあたりは東北のBRTと同じ仕組み。
しばらくは平坦な道を走りますが徐々に高度を上げ大行司では左下に見下ろす景色に。このあたりから短いトンネルが続き、右側が崖、左側が旧宝珠山村の点々とした集落を見ながら走っていきます。
撮影名所として有名な栗木野橋梁もこのあたり。しかし、乗っていると橋自体が見えないので微妙なところ。レンタサイクルでもあれば面白いのですが、難しいでしょうか。
崖下に奥に見える道路は昨年代行バスで通った道で、そこではしっかりめがね橋をとらえていました。
バスは筑前岩屋駅に到着。ここで下車します。
筑前岩屋駅で降りた客は私一人。バスは長大トンネルに向けて発進していきます。撮影のあと駅に入ろうとして振り向くとバスが続行でやってきました。
実は今回乗車した燃料電池バスはあくまでも実験運行。通常のダイヤに入る形で燃料電池バスが入っています。実験運行ということは不具合なども考えられるわけで、そうなったときは速やかに後続のバスに振替ができる体制が取られています。
また燃料電池バスは着席定員以上は乗せられないので、超えた場合も後続のバスに誘導という形になります。この日は後続のバスは客ゼロのまま筑前岩屋を出発していきましたが、公共交通機関での「実験」はいろいろ面倒なこともあるんだなあ、と思わず考えてしまいました。
(7/13の記事へ続く)
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