南海電鉄の難波(なんば)から和歌山市を結ぶ特急「サザン11号」の座席指定券です。
南海ではチケットレスのほか、通常のきっぷタイプもあり、有人の特急券窓口のほか、券売機、またホーム上の特急券/指定席券券売機で発売されています。
なお、南海の特急は「サザン」「天空」が座席指定券、「こうや」「りんかん」「泉北ライナー」「ラピート」は特急券が別途必要ですが、両方とも購入すると座席が指定されるので実際の運用は区別なく扱われています。
ルール上は「座席指定券」は距離に関係なく520円均一、特急券は45kmまでが520円、45km以上が790円という違いがあり、難波~橋本が43.8kmなので、事実上極楽橋に行くときの特急料金が790円ということになります。(難波~堺東から極楽橋の特急料金が790円です。)
「サザン」「天空」が「座席指定券」なのは、料金不要の一般通勤車による自由席車両をつないでおり、これと区別するための側面もあります。「特急券」だと、「特急サザン」は自由席でも特急料金が必要ということになってしまいますので。
なお「こうや」が通勤型車両で代走するときは特急券は不要で乗車可能です。
券面はごく一般的な88mm券ですが、列車名がわりとひかえめというのはちょっと不思議な感じです。
平成レトロを今に伝える・・・?
(12/29の記事からの続き)
江本孟紀さんが発車の合図を行う「サザン11号」は南海開業140周年を記念した復刻塗装。すなわち南海ホークスと同じ緑系統の塗装となっています。緑を基調に上半身がクリームです。
内装はLEDの行き先案内が増えただけで、基本的にリニューアルは行っていない(はず)。真ん中に間接照明と、荷棚の下の照明というスタイルは南海の伝統的なスタイルです。
内装は高島屋が担当。もともと内装に凝る傾向があったのですが、ここでも分厚いシートにシート全体から肘置きまでモケットに覆い、さらに窓下まで布地で覆うなど、当時としてもかなり凝った車両でした。
リクライニング機構が最近見ないタイプで、レバーボタンを押し込むタイプ。これまたかつての近鉄など一部の私鉄で使われていたもので、最近はあまり見ないタイプのためリクライニングの倒し方わからない人も出てくるのではないでしょうか。
車両の一部にはサービスコーナーがあり、車内販売があったそうです・・・って実際自分は見ていませんが。自動販売機がありましたが非可動でした。
そして極めつけがこのアクリル製の自動ドア。かつての喫茶店などで見られた足元にマットを敷き踏むとドアが開くタイプで、これまた平成初期によく見られたタイプです。
こうやって見ると昭和末期~平成初期の車両だな・・・と思います。(10000系は1985年、すなわち昭和60年登場)
数年前からちょっとしたブーム?になっている平成レトロな感じでしょうか。
「サザン11号」は発車メロディが「南海ホークスの歌」に置き換えられ、えもやんに見送られて出発しました。
「サザン」は難波~和歌山市を約1時間弱で結びます。基本的にJR阪和線より海側を走りますが、それでも和歌山県との県境はトンネルがあり、ちょっとした旅気分に。
和歌山市には定刻に到着。やはり緑の車両は「南海」らしいですね。(ホークスのイメージもあるので。)
この平成レトロな10000系も2027度以降に置き換えが決まっています。
側面にもホークスのエンブレムが。
初めて南海を見る人が驚かれるのが、この通勤型車両(自由席車)と特急型車両(指定席車)が一緒になって運行していること。「サザン」が登場してこの運行形態になってから既に40年が経過していますが、未だに驚かれることもあるそうです。
自由席車両は車両性能の関係上7100系車両が専ら使われています。
こちらも旧南海塗装のグリーンとなっており、140周年の記念ヘッドマークが取り付けられていました。
こちらのほうが似合うと思うのは私だけでしょうか。
(1/2の記事に続く)









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