由利高原鉄道の補充券による矢島から川辺の片道乗車券となります。基本的に補充券は常備の乗車券、すなわちここでは硬券に設備がない場合に発売されます。もっとも矢島駅の場合基本的に発売できる全駅分の片道乗車券の硬券が設備されているため、本来いる場面ってどこなんだろう?と思うのですが、設備自体はあり、頼めば発券してくれます。
補充片道乗車券は国鉄・JR各社では縦7.3cm横9.5cmですが、こちらのきっぷはそれよりやや小さく、また紙質がやや厚めとなった独特のスタイルとなっています。基本的に発駅が「矢島」で固定されており、他駅発は基本出来ないものなのではないかと思います。(特別補充券の出番かもしれませんが・・・)
さらに往復の補充券もあります。こちらは行きの発駅、帰りの着駅が「矢島」で固定されたもので、こちらは国鉄・JRと同サイズ。ただしやはり若干厚みがあります。真ん中の点線で分けることが可能です。
こちらは硬券の往復乗車券が前郷、羽後本荘しかないので、それ以外の往復乗車券はこの補充券の出番となります。
もっとも来年3月のJR線の往復乗車券廃止に伴い、接続する三セクでも廃止になる可能性があり(JR連絡往復乗車券は間違いなく廃止)もしかするとこの補往もなくなるかもしれませんね。
楽しいけどたくさん乗れないおもちゃ電車
(12/3の記事から続く)
矢島駅できっぷを購入し、改札中の札が下がるといよいよ乗車開始。もっとも改札中といってもきっぷの拝見はなく素通り。
きっぷ売り場は自動券売機はなく、窓口のみ。しかも出てくるきっぷは基本的に硬券です。前回記事のタブレット閉塞といい、硬券ばかりの窓口といい、なんだか昭和な時代を彷彿とさせるのですが・・・
停車中の列車がなんか不思議な内装です。
由利高原鉄道のイベント列車「なかよしこよし」です。
途中鮎川駅最寄りの「木のおもちゃ館」タイアップとして2018年に登場。外観こそ塗装の塗り替えですが・・・
木を基調にした内装はまさに水戸岡デザイン。そして規模は小さいながらも木のボールが置かれた遊具「こどものあそびば」はJR九州の「あそぼーい!」と全く同じです。

反対側は外向きに椅子を並べたラウンジ席。
おそらくイベント時には使用するであろう販売カウンター、そしてソファー席もあります。また木のおもちゃが多数あるのはおそらく「木のおもちゃ館」関連。
このほかこども用のテーブルとイス、そして積み木などのおもちゃもあります。水戸岡ワールドは木のイメージが強いですが、ここではなおさら強調されています。
4人用ボックスシートは4脚設置。すべて大型テーブル付き。カウンター席やソファー席にもテーブルがあるため、レストラン列車にも使用されるとか。
ただこれだけあれこれ1両に詰め込んだため着席定員が極端に少ないのが玉に傷でしょうか。(着席定員30名)
一応運用は公表されていますが前日にならないとわからないため、特に遠方からくる場合はこの列車に乗れるかは運しだいな部分もあります。自分はたまたまその運を引き寄せたようです(笑)
発車までしばらく時間があったので、さらに由利高原鉄道にお布施。
2025年10月1日に国鉄矢島線から由利高原鉄道に転換して40周年を記念して発売された入場券セットです。3駅分の硬券入場券と台紙付きで1000円。入場券のスタイルは国鉄様式ですが、真ん中に赤線が入った国鉄でも古い様式のものです。
台紙に描かれているのは由利高原鉄道開業時のYR-1000形です。よく見ると冷房装置がなく車体横にはサボが刺さっています。40年前は新車でも冷房がなかったわけですが、なんというか時代を感じさせますね。
裏面は矢島駅の配線図が。矢島駅は車庫を兼ねており、現在は5両が活躍しています。
なおタブレット閉塞機は多分前郷駅のほうが見やすいんじゃないかな。いずれにしてもタブレット閉塞は現在、旅客鉄道では津軽鉄道、由利高原鉄道、そしてくま川鉄道のみとなっており、かなり貴重品となっています。
さて矢島駅では、駅員、観光案内所の係員、そして売店の方総出でお別れの挨拶。ただの定期列車なのに、こんな送別を受けたのは初めてでした。これって毎日やってるのでしょうかねえ・・・
ほどなくあたりは真っ暗となり、暗闇の中、羽後本荘に向けて走っていきました。










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