JR東日本版青春18きっぷというべき「東日本のんびり旅パス」です。JR東日本線全線が乗り放題であることと利用期間が異なる以外、ルール面では「青春18きっぷ」と同じ。値段は「青春18きっぷ」3日用とより1000円安い9000円です。

1日あたり3000円。これまた微妙なラインではありますが、1日あたり片道161km以上、往復81km以上(幹線計算)だとそこまで難易度は高くないかもしれません。
もっとも3日連続利用なので、今の青春18きっぷ同様1日いくらと考えることはあまり意味を成さず、3日間トータルで考える必要があります。
・・・とまあ、9000円となるとJR東日本の幹線運賃で考えると・・・
- 片道541km以上
- 往復241km以上
となります。青春18きっぷだと片道641km以上、往復281kmだったので、片道で100km、往復で40km短いことになります。これを東京駅からの運賃で当てはめると
片道541km以上
秋田(東北・奥羽線経由)
羽後本荘(新潟・羽越線経由)
田沢湖(東北・田沢湖線経由)
明科(中央本線、松本経由)
二本松(東北本線)
富岡(常磐線)
越後川口(上越線)
気のせいか、青春18きっぷ3日用より1000円安いだけなのにずいぶんとハードルが下がっているような気がします。
「東日本のんびり旅パス」は大きく2つの利点があると考えており、一つは青春18きっぷのない期間も発売があることでしょうか。利用期間はお盆を除く2025年7月1日(火)~2025年12月26日(金)ですが、11月など他にめぼしいきっぷがない場合に出番がありそうな気がします。
以前は「週末パス」なども候補になりましたが、2025年6月になくなっています。
もう一つ利点は「どこかにビューーン」との相性がいいこと。「どこかにビューーン」は行先をこちらで決められないのが特徴ですが、その場合JR東日本全線乗り放題であるこの「東日本のんびり旅パス」との組み合わせは柔軟性が大幅に上がります。
すなわち、「東日本のんびり旅パス」側から見ると「どこかにビューーン」は新幹線ワープ手段としての使い方が考えられ、「どこかにビューーン」側から見ると「東日本のんびり旅パス」は前後のJR東日本線の足が確保できるということになります。
というわけで、今回の利用は11/14~11/15は「どこかにビューーン」との併用、そして11/16は東京から日帰りで晩秋の只見線踏破をやってみました。
ちょっと遅かったけど
東京から日帰りで只見線を踏破できるのは有名ですが、東京なら紅葉のいい時期に行けばいいのですが、島根在住の場合おいそれと関東遠征はできません。
だいたい飛行機のバーゲン運賃のときに羽田往復を購入するのですが、数か月先の天候なんかわかるわけがなく、結局紅葉の季節は割とあてずっぽうになります。
2025年はとにかく暑く、そしてそれが秋まで続いたので紅葉は遅くなるはずだ、と平年よりやや遅めの11/15前後を指定。ところが10月下旬からあっという間に冷え込み、それまで日中30度あったのがあれよあれよと朝は一桁台。ということは紅葉も一気に進む分けで、日々気温に一喜一憂していました。
只見線沿線の紅葉のピークは11/10前後だったようで、自分の予想よりやや早め。というか平年並みなんだそうで、あれだけ暑さが続いてもあっという間に紅葉の季節なんだなあ、と季節の移り気の早さにはちょっと驚きです。
東京から高崎線、上越線で水上へ。東京は紅葉が始まったばかりですが、北に進むにつれて紅葉が進み、水上では落葉状態に。こりゃ失敗したかな。
水上で長岡行きに乗り換え。この長岡行きは水上から越後中里までは週末のみ運転の臨時列車です。
土合でトンネル駅見学の観光客を降ろし、新潟県に入ります。越後中里は雪こそなかったもののすっかり冬の装いで、やっぱり失敗だったか・・・
小出駅に到着し、只見線会津若松行きに乗り換え。混雑で相席、立席も覚悟しましたが1ボックス1人程度と意外と空いてます。
車両は只見線の主というべきキハE120形で閑散線区向けの2ドアクロスシート車。もっとも只見線の繁忙期は多数の観光客が押し寄せるため、2ドアでも収容力の高いキハE120にマッチした車両ではないでしょうか。
小出を定刻に発車。越後中里ではほとんど紅葉は終わっていましたが、小出付近はまだまだみられるようです。
この付近は魚沼産コシヒカリの産地でもあり、寒暖差が激しい地域ですがこの日は比較的穏やかな天候。20度近くまで上がったようで、せっかく持参したコートが完全に荷物状態です。
そして紅葉はまだまだ見られる感じ。だんだん平野部から山間部にさしかかり、大白川駅付近は完全に山中となっていました。
大白川を過ぎ、県境のトンネルとなる六十里越トンネルを過ぎると旧田子倉駅です。

田子倉駅は以前訪問したことがありますが2011年に事実上廃止となり、今年で14年がたちますがまだホームはしっかり残っていました。
そして田子倉駅前後で田子倉ダムによるせきとめでできた田子倉湖がちらりと見えますが、さすがに県境だけあってほとんど落葉しており、冬の装いになっていました。
只見駅で小休止。ここでツアーの団体客が大挙して乗車し、車内はかなりにぎやかに。そうか、団体も乗るのか。只見線乗車を売りにしたツアーもあるそうです。
立客も出た状態で只見駅発車。ここから先は只見川沿いとなります。
会津蒲生あたりから只見川沿いに沿って走ります。最初の見どころは第八只見川橋梁付近。只見川沿いにスノーシェッドやトラス橋が見え、紅葉と混じって牧歌的な光景が広がります。
只見駅からはボランティアが乗車して観光ガイドに。そしてこのような見どころでは減速してシャッターチャンスです。定期列車ではあるものの、完全に観光列車です(笑)
団体客は会津川口で下車し、車内は再びまったりムードに。この会津川口は名前のとおり?川沿いにある駅です。
ここで小出ゆきと交換。ボランティアガイドも只見から来た方は小出ゆきに乗り、会津柳津からきた方はこの会津若松行きに乗車して柳津に戻るようになっているようです。
標高も少しずつ下がっているようで、紅葉もどんどん色づいてきていました。第四只見川橋梁では只見川の川面に映った空と紅葉のコントラストが美しい。
途中で会津バスと並走。こんなところに路線バスあったっけ?と思ったら「奥会津ぶらり旅」の観光循環バスでした。これを使うと只見線の撮影スポットにバスでいくことが可能です。バス車内から手を振られ、こっちも手を振り返します。
第三只見川橋梁の光景。左手にスノーシェッドが見えます。このスノーシェッドから只見線撮影をする人も多く、フォトスポットに。水面には落葉した紅葉がぷかぷか浮かんでおり、湖面に映った紅葉の姿とともになかなか幻想的な光景でもあります。
第二只見川橋梁を渡るころにはまだまだ見ごたえのある紅葉が残っていました。既に日が傾いてきており、暗めにはなってきていますが、日が当たっているところはまさに真っ赤に色づいています。
そして只見線の代名詞?ともいえる第一只見川橋梁に。この付近は真っ赤に色づいていて、盛りを過ぎたばかりという感じです。
ちなみに只見線撮影スポットは右奥に見える鉄塔のすぐ下あたり。意外と距離があります。
会津柳津駅でボランティアガイドも下車。そしてどんどん日は傾き、会津坂下を過ぎるころにはすっかり暗くなってしまいました。
すっかり真っ暗となり、会津若松駅に到着。
急いで1番乗り場に移動し、5分後に発車する郡山行き「あいづ6号」に乗り換えます。
(11/23の記事に続く)















コメント