東海道新幹線開業60周年記念 復刻C特急券での各駅停車旅、第2回です。
三島駅とドクターイエロー
(10/20の記事の続き)
熱海駅から在来線で三島駅に向かいます。熱海~三島間はかつては東海道新幹線で最も短い隣接距離でしたが、現在は品川駅開業に伴い東京~品川のほうが短くなっています。
三島駅構内では三島駅の成り立ちを描いたパネルが。三島駅は東海道新幹線開業時は駅はなく車庫を分岐する信号場でしたが、5年後の1969年にホームが設置され駅に昇格しています。
信号場への駅設置の成り立ち故か、三島駅は島式ホームに上下線が発着しその外側に通過線があって「のぞみ」「ひかり」は通過していくという他では見られない独特の構造となっています。
三島駅は在来線と新幹線との間は連絡通路が設置されていますが、在来線通路は地下、そして新幹線コンコースは2階のためこのように連絡用のエスカレーターが設置されています。途中で水平になるタイプのエスカレーターはここ三島が日本初とされ「ゆうロード・三島」の愛称がつけられています。
動く歩道部分は歩きたくなるのは、関西人ならではでしょうか(笑)
新幹線ホームに上がると、案内表示に「団体列車981号」が。今日は団体列車によくあたる日だなあと、列車に目をやるとホーム先端部分に黄色い車両が。ドクターイエローこと新幹線923形車両、新幹線の安全とチェックする検測車両です。
7両編成なので、16両編成のホームの先端にちょこんと据え付けられた黄色い車体は注目度抜群。たちまち人だかりが。自分も1両ずつ写真を撮り、しばらく眺めていると11:18頃、名古屋方面に向けて出発してゆきました。
東海道新幹線では700系は引退済なので、新大阪近辺を除き700系顔の車両はこの923形のみとなています。なお、写真のT4編成は2025年に引退していますが、残り1編成であるT5編成は現在も現役で2027年まで活躍する見込みです。
三島駅に来たからには駅そばに触れずにはいられません。

前回はコロッケそばだったので今回はぶっかけのかき揚げうどん。680円也。
桜エビがびっしり・・・なのですが2024年は不漁でエビが確保できず、やむを得ず台湾から輸入したと張り紙が。なんか潔いです。
そして桃中軒特有の甘い出汁。多分1000杯以上は駅そば食べてると思いますが、桃中軒の出汁だけは一発で見分けがつく自信があります(笑)
熱海->静岡「こだま721号」と新富士駅
在来線で熱海に戻り、今度はこだま721号で静岡に向かいます。東海道新幹線開業当初は同区間内に駅はなく、駅間距離72km(実キロ)は隣接駅間で最長距離となっていました。その後、三島駅、新富士駅が開業して現在に至っています。
三島駅、新富士駅でそれぞれ5分程度停車することもあってか同区間は37分とややかかります。もっとも在来線普通電車だと1時間15分前後かかるため、半分以上短縮しているわけですが。
熱海駅は待避線がないのであわただしく発車。
すぐに新丹那トンネルに入り、あっという間に小田原から三島まで箱根八里を越えていきます。
そして三島を過ぎるといよいよ待望の富士山・・・なんですが・・・
完全に雲の中に隠れてしまいました。
しばし車窓をボーゼンと眺めます。とはいってもほどなく新富士駅に到着するのでまたもや下車準備。
新富士駅は新幹線単独駅。東海道新幹線で鉄道単独駅は本駅が唯一で、近くの富士駅まで約2kmあります。新富士駅付近は東海道本線が山側、東海道新幹線が海側を走り、新幹線が海側に設置された珍しい駅でもあります。
入場券には(東)の文字が入ります。これは根室本線の新富士駅と区別するためで「東」は「東海道線」の東なのでしょう。
新富士駅は東海道新幹線単独駅なので乗降客が少ないイメージがありますが、実際は三河安城、岐阜羽島、掛川といった駅よりは断然多く、熱海駅とさほど差がない利用があります。
ビジネス利用がメインなのでしょうか。(某宗教団体の利用もあるかもしれませんが)
新富士駅で「のぞみ」通過待ち中に改札に向かい、入場券に入場印をもらって引き返してきます。5分停車ならば走らずとも落ち着いて改札に向かうことは可能でした。
新富士を出ると次は静岡。「のぞみ」通過駅では最大の乗降人員がある駅です。言うまでもなく静岡県の県庁所在地。そして静岡県は東海道新幹線では熱海、三島、新富士、静岡、掛川、浜松と6駅を擁し、駅数では断トツの一位となります。
静岡駅で見かけた東海道新幹線60周年記念のモニュメント。富士山、うなぎ、サッカー、そしてお茶と静岡を連想するものと東海道新幹線を組み合わせたモニュメントです。
いかにも静岡らしいといえば静岡らしいか。
もっともお茶の生産は2024年に鹿児島県に抜かれ、全国一から転落しています。
静岡駅でうろうろしていたら目に入ったのは焙煎コーヒーの自販機。内容は普通の焙煎珈琲ですが、ネーミングが「新幹線こだまブレンド」とか「新幹線のぞみブレンド」とか新幹線の名前になっているのが面白い。苦味やコクなどで決めており、お値段は同じ。
ただそこに「ドクターイエローブレンド」なるものがあり、酸味に振り切ったタイプでお値段もかなり高め。「イエロー」だからってまさかレモンを入れているわけではないと思いますが、そうなると俄然気になります。
もう一つは売店で売られていた「すっぱみかんフルーツエール」。「世の中そんなに甘くない」のキャッチコピーと同時に刺激的?なイラストが描かれ、これまた試してみたい一杯。
ただコーヒーと発砲酒なんてどう考えても同じ時間帯に飲めるものではないのでコーヒーはあきらめ、エールを一杯。
フルーツエールですが期待した酸っぱさは意外と控えめ、ただエールなのにコクが少なめでやや水っぽいのはマイナス。これだったらコーヒーも行けたのでは?と思いつつ次回の宿題となりました。
静岡->浜松「こだま723号」
静岡からは「こだま723号」で浜松に向かいます。途中で掛川駅がありますがそれはあとで訪問するとしてまずは浜松へ。
静岡~浜松間は実キロで71.5km。三島駅開業の1969年から掛川駅開業の1988年まで、東海道新幹線では一番駅間距離が長いことで知られ、青春18きっぷの新幹線ワープによく使われる区間でした。
静岡と浜松は大井川で分断され、東側は静岡市の都市圏、西側は浜松市の都市圏のように見えます。(中間点の金谷はどちらでもなさそうですが。)
かつて「箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ大井川」で有名な大井川は、江戸時代「出女入鉄砲」の施策で橋が架けられなかったのですが、現代はそんなことはなくあっという間に越えていきます。
浜松に到着。
浜松駅の新幹線コンコースには浜松を代表する企業であるYAMAHAとSUZUKIのブースがあり、YAMAHAはグランドピアノや最新の楽器が展示され触れることができます。SUZUKIは新型フロンクスが展示されています。
定期的に展示物は入れ替えているようですが、YAMAHA、SUZUKIともにかなり力を入れているようです。というかお互い意識してる感もありそう。
SUZUKIは、2025年10月に展示車をフロンクスからクロスビーに入れ替えましたが、車を浜松駅に搬入する様子を動画で公開し、話題になりました。
\どうやって入れてるの?🤔💭/
JR浜松駅 展示車入れ替え作業の裏側に密着🙌🏻
駅構内に展示している車ってどうやって運び込んでいるか知っていますか?👀✨
今回、特別に動画でその様子をお見せします👏🏻👏🏻
リアルな現場の空気感を感じてください🚗✨https://t.co/L43WEVqp97— スズキ株式会社・四輪公式アカウント (@suzukicojp) October 21, 2025
東海道新幹線というか、新幹線の駅コンコースで大々的にブース形式で企業展示をやってるのは浜松ぐらいな気がします。
(10/24の記事に続く)
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