東海道新幹線内の相互間で6日前~前日までで発売される、自由席利用の割引きっぷEX早得1です。
自由席のため列車の指定はなく指定日ならばどの列車に乗車することも可能です。
もともとこのきっぷは新幹線自由席回数券および、シャトルきっぷの代替として登場しました。


新幹線自由席回数券は東海道新幹線の相互駅区間を6枚つづりで販売し、割引率はだいたい6~8%程度。一方、シャトルきっぷは醒ヶ井~穂積間から京都・新大阪への米原以西を新幹線利用限定の往復割引きっぷで、JR西日本との対抗からか大幅に値引きしており、大垣~京都で2割引、大垣~新大阪に至っては4割引と東海道新幹線では屈指の割引率になっていました。
というわけで、それらを引き継いだEX早得1は割引率は新幹線自由席回数券を引き継いだ6~8%程度。
しかしシャトルきっぷを引き継いだ米原~京都・新大阪間は例外的に割引率が高く、米原~京都間は1720円(約20%引)、米原~新大阪間は2520円(約44%引)と特に米原~新大阪間はかなりのダンピング区間となっています。
この区間は新快速が走っているため、あまり青春18きっぷ等での特急ワープ区間に選ばれにくいのですが、新快速と比べてもやはり所要時間短縮の効果は絶大なので、ワープ候補に入れてもいいのではと思います。
なお、このきっぷは米原からの「しらさぎ」の乗継きっぷとセットにすることも可能です。

EX早得1と乗継きっぷの組み合わせだと、新大阪~敦賀で3020円、京都~敦賀で2220円。サンダーバードで直行だと新大阪~敦賀で4700円、京都~敦賀で3420円ですから、なんというかとんでもない組み合わせだな、と。
長時間鈍行の旅
(9/22の記事からの続き)
甲府から上諏訪に移動し、この日は上諏訪で一泊。そしてこの日は上諏訪発豊橋行きに乗車です。所要時間こそ豊橋14:38発岡谷21:37着の539Mの6時間59分に譲りますが、こちらは上諏訪9:22発豊橋16:12着の544Mの所要時間6時間54分は、日本の普通列車では堂々の2位の「長時間鈍行」となります。
この上諏訪発豊橋行きは、首都圏からも日帰りできる列車として特に青春18きっぷユーザーに有名で、2025年9月時点で土休日だと
・東京4:59(中央線快速)高尾6:11
・高尾6:15 427M 上諏訪8:54
・上諏訪9:22 544M 豊橋16:12
・豊橋16:44 990M 浜松17:18
・浜松17:22 438M 熱海19:53
・熱海20:04 1668E 東京21:44
となります。ただ東京駅が早いので、もし全線乗車にこだわらなければ、
・東京5:29(中央線快速)八王子6:28
・八王子6:35 429M 岡谷9:43
・岡谷9:45 544M 豊橋16:12
もあります。これでもかなり使える人は限られそうですが(笑)
車両は313系1700番台車3両編成。この1700番台は飯田線専用に開発された編成と言っても過言ではなく、寒冷地装備や、勾配対策に発電ブレーキやセラミックジェット搭載と、バリエーション豊かな313系でも最も重装備になっています。車内は転換クロスシート。
上諏訪駅で眺めると10人ぐらいのグループ客がすでに宴会を初めています。・・・まさか豊橋まで乗る気なのか?
それ以外でも明らかにこの列車狙いと思しき人がそれなりにいます。もっとも転換クロスシートの3両編成ということで、割と席数に余裕があり、上諏訪ではガラガラで出発しました。
岡谷駅で、しばらく停車して甲府方面からの乗り換え客を受け、辰野方面に発車。辰野からは飯田線に入ります。
飯田線内は、駅間距離が短く発車してはすぐ停車の繰り返し。辰野からは車掌が2人乗務し、車内での車内改札やきっぷ販売、駅での改札、車内放送を分担して行っています。2人でも忙しそう。
特にSuicaで乗ってくる人多いそうで、その対応に時間がかかるそうな。
伊那松島で車掌が一人おりますが、すぐ駅に着く駅間距離の短さは相変わらず。所要時間の長さはこの駅間距離の短さも影響しているものと思われます。
そんな中、しれっと日本最急こう配が沢渡駅発車後すぐにあります。沢渡駅発車後、一気に加速してこの勾配を乗り越えていきます。あまりにも一瞬なので、気づかれない方がほとんどかも。
11時頃、宮田駅で行き違い待ち合わせのため、8分ほど停車。気分転換に外に出て車両撮影でも。件の宴会グループは缶を窓に並べて盛り上がっていました。
この北半分の伊那谷は南半分の山岳区間に比べるとつまらないと言われることも多いですが、実際は南アルプスと中央アルプスが見渡せ、また、谷間を上っているなあと思ったらいきなり高原地帯に出るなど景色の変化に富んでいて個人的には見飽きない区間です。どちらかというと進行方向左手のほうが富んだ景色を楽しめると思います。
伊那本郷~七久保~高遠原付近はその中央アルプスが一番見渡せる区間。冬場は綺麗な雪化粧が見られます。

しかし、そんな伊那谷の区間も天竜峡まで。天竜峡を発車するといきなりトンネルに入り、別世界の光景が広がります。
ここから先は天竜川沿いの渓谷沿いを走ることに。当然ながら人家も途絶えます。天竜峡から2駅先の金野駅は飯田線で最も乗降人員の少ない駅で1日当たりの乗降人員は1人以下。年間でも3ケタに行くか怪しい駅とのこと。
このあたりは車窓右手に渓谷が広がるため天竜峡駅で座席を進行方向左手から、右手の座席に移動。空いているのでこういうのも可能ですが、混んでたら悩ましいところ。
うっしーサマの秘境駅ランキングで上位に並ぶ駅がごろごろ出てきますが、このうち最上位に来るのがこの「小和田」。車で到達できない駅でもちろん近くに人が住む集落はなく秘境駅ランキングは2位、そして現皇后陛下の旧姓が「小和田(おわだ)」だったため、御成婚時には大賑わいだったそうです。
今はひっそりとした駅に戻っています。
この先には飯田線名物の「渡らずの鉄橋」。正式には第6水窪川橋梁といいますが、人家のある対岸に向けて川を渡るふりをしてもとに戻るというのが面白い。近くに住んでる人はいい迷惑でしょうが。

佐久間発電所を眺めながら中部天竜駅に到着。ここではしばらく休憩です。駅窓口が開いていたので記念に入場券を求めました。
かつては佐久間レールパークがあり、車両展示が行われていましたが、大半が「リニア・鉄道館」に移動し、閉鎖されてしまいました。
佐久間レールパーク閉鎖後、駅前はしんと静まりかえっている感じです。以前は浜松方面からJRバス・遠鉄バスがありましたが、今はありません。(現在飯田線沿線から浜松市中心部方面は相月駅、水窪駅などから遠鉄の西鹿島まで自主運行バスがあります。)
中部天竜からも引き続き渓谷を走りますが、そこまで厳しくはなくなり駅だけでなく、駅間も民家が目立つように。
川の流れもだんだん穏やかとなり、三河大野では川辺で遊んだりバーベキューしてたりする人たちも。まあまだまだ暑い日が続きます。
本長篠で大休止。ここから先は本数が増えますが単線なので交換待ちが増えもどかしい走りとなります。すっかり平野部を走行するようになり、気が付くと豊川。ここまでくれば終点の豊橋はすぐです。
豊橋まで7時間弱は長いようであっという間ではないかと思いますね。
秘境駅をイメージした駅弁
豊橋駅で新快速米原行きに乗り換えですが、乗り換えのコンコースで駅弁屋が出店していたので覗いてみると、「飯田線秘境駅オリジナル弁当」が1210円で販売していたので購入。実は飯田線内は飲まず食わずで来たので、つい手が出てしまいます。
中身は山菜おこわ、シイタケ煮やハンペン、銀杏、ワカサギ甘露煮など。稲荷寿司があるあたり豊橋らしいですし、味噌カツがあるのは名古屋のイメージ。桜餅は葉っぱも食べられるタイプでした。昨今の値上げ一辺倒の駅弁業界の中、1210円でこのボリュームはかなり良心的ではないでしょうか。
しかしうっしーサマが唱えた「秘境駅」の概念、以前私が運営していたサイトの掲示板にうっしーサマが訪問されたときはそんなのあるんだ、と私も含めて驚いたものですが、すっかり根付き今や駅弁や列車名の名称にもなっていますね。
新快速米原行きは313系1000番台車の6両編成。それほど混んでなかったので駅弁を広げ、飯田線を思い起こしていました。
新快速米原行きは米原駅に18:39定刻着。
ここで18:47の新快速播州赤穂行きに接続しますが、「JR東海☆夏の乗り放題きっぷ」利用なので米原から先は使えません。なので新快速にこだわる必要はなく、今回の「EX早特1」を使用して18:53発の「ひかり651号」で京都まで移動することに。
今回はしっかりきっぷに引き換えたので、取り損ねはしません(笑)
新快速の京都着は19:42着。一方「ひかり651号」の京都着は19:12着と30分も早く到達します。
いくら新快速が速達性に優れていても、最高速度285km/hの新幹線には全く太刀打ちできないことを思い知った瞬間でした(笑)
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