阪急電車、阪神電車および神戸高速鉄道が1日乗り放題の「阪急・阪神1dayパス」です。
阪急・阪神が経営統合されたときに発売され、当初は1200円、2020年に1300円に値上げされていますが、2024年から1600円といきなりも300円値上げ。
このため、ある程度乗りまくらないとモトが取れないフリーきっぷとなってしまいました。
梅田起点で主な駅までの運賃はこんな感じ。なお、梅田~三宮・新開地間は阪急電車で行っても、阪神電車で行っても同額です。
区間 | 片道運賃 |
---|---|
梅田~河原町 | 410円 |
梅田~宝塚 | 290円 |
梅田~三宮 | 330円 |
梅田~新開地 | 470円 |
河原町~新開地 | 780円 |
1300円時代は京都~神戸間を往復すれば基本的にモトがとれるようになっていましたが、1600円に値上げしたあとは、かなりの乗り降りが必要です。梅田起点で考えた場合は、1日で京都と神戸を往復するような使い方をしない限り1600円分を使い切ることはかなり難しく、正直使いどころに困るなあというのが印象です。
発売条件が限られるとはいえ、JR西日本の京阪神地区が3日間乗り放題の三都物語周遊乗車券が、2024年3月までが1250円(4月以降は3000円)だったのを考えると、1日限りで1600円はちょっと厳しいかな、と。

なお、磁気券については2025年3月で発売が終了し、2025年4月からはスルッとQRtto内でデジタル乗車券としてのみ発売しています。お値段は1600円で据え置かれています。
支線を回ってみよう。
(5/11の記事の続き)
梅田に到着後、阪急神戸線の特急新開地行きに乗り換え、夙川駅で下車します。
夙川駅は文字通り夙川の上にある駅で、ホームから夙川が眺められます。また、この駅から阪急甲陽線が分岐しており、夙川に沿って甲陽園まで線路が伸びています。
夙川沿いは夙川公園となっており、桜の名所となっています。訪問時はまだ桜の季節はちょっと早かったようで、三分咲きといったところでしょうか。
夙川から苦楽園口まで散策することに。三分咲きとはいえ結構華やいだ雰囲気で、天気にも恵まれたこともあって結構家族連れなどでにぎわっていました。
宴会を開いているところも。
苦楽園口からは、阪急甲陽線に乗車していったん甲陽園に向かい、夙川に戻ります。ここで活躍する電車は6000系。登場してからもうすぐ50年というベテラン車両ですが、古さを感じさせないのは阪急のメンテ力の力か。
甲陽線は単線で、中間駅の苦楽園口で交換するスタイルとなっています。桜を愛でながら3両編成が単線をのんびりと走る姿は、高速運転を行う阪急神戸線とはかなり違った印象がありますね。
夙川に戻ったあと、西宮北口、今津を経由して阪神武庫川駅へ。
武庫川駅も夙川と同じく川の上にホームがありますが、川幅が桁違いに広くまさしく「川の上」に列車が停車します。川の両側は西宮市と尼崎市で川が境界となっており、まさに境界上の駅です。

ホーム全体が川の上というのは全国的にも珍しく、ホームからは武庫川の流れが楽しめます。その武庫川の西宮市側に、阪神武庫川線のホームがありました。
武庫川線ホームでは2両編成の5500系電車が停車中。武庫川線は専用車両で運行され、それぞれ特徴ある塗装をしています。この日停車していたのは「甲子園号」。
阪神甲子園球場のツタをイメージした緑色の車両です。
車内もかなり手を加えられており、特に運転台直後は床にホームベースとバッターボックスが描かれ、レンガ調の壁面とあいまって甲子園球場をイメージしやすくなっています。
この専用編成は全4編成あるそうですが、通常は2編成しか稼働しておらず何がくるかは時の運。ちょっとコンプリートしたくなってきました(笑)
様々な旅のかたち
武庫川から普通列車で甲子園駅に向かい、そこから特急須磨浦公園行きに乗り換えです。
阪神の特急は阪神梅田から山陽電鉄の姫路まで向かう「直通特急」と、阪神梅田から須磨浦公園までを結ぶ「特 急」が主に運行されます。
自分は今まで「直通特急」は山陽車/阪神車、「特急」は阪神車で運用と思ってたのですが、須磨浦公園行き「特急」に山陽車がきたのでちょっと意表を突かれた形。初めて遭遇しましたが、数は多いのでしょうか。
車両はクロスシートの5000系車両。車内は固定クロスが並んでいます。
乗車日はセンバツ高校野球が開催されていたので、副標に「センバツ」が入っていました。これは阪神伝統のものですが、山陽車両にもしっかり受け継がれています。
新開地で下車。所用を済ませて今度は阪急の特急梅田行きで梅田に向かいます。
新開地で待っていたのは阪急8000系。しかも神戸より2両がクロスシート編成です。阪急神戸線系統でクロスシート車はこの8000系の一部しかありません。しかも神戸より2両のみです。
車内はドア間に4列の転換クロスシートが並んでいます。阪急京都線では当たり前のようにクロスシートの車両が走っていますが、神戸線ではあまり広まることはありませんでした。
現在8000系は順次リニューアル工事が行われており、リニューアルされた編成はロングシートに置き換えられていることから、この貴重なクロスシート編成も早晩なくなることでしょう。
やはり混雑に弱いのが嫌われたのでしょうか。もっとも乗車時は梅田までガラガラだったため、ちょっとした小旅行気分の快適な30分でした。
梅田からは快速特急梅田行きに。京とれいん雅洛です。
「京とれいん雅洛」は、先代「京とれいん」に続く、阪急京都線の観光列車。
主に土休日に梅田~河原町間の快速特急として使用され、2時間に1本特急の合間を縫って運行されています。
先代「京とれいん」は元特急車両6300系を改造して運行されていました。

このときも大胆な改装で話題になりましたが「京とれいん雅洛」はさらにグレードアップしています。
外観こそロゴの追加や装飾などで比較的地味なものの、内装はかなり派手に。
2+1のボックスシートや窓向け席など、遊び心満載な6両編成はこれが料金不要の列車で乗れるのが不思議なぐらいです。
もっとも見た目重視なのか座り心地は?な座席もありますが・・・
2号車と5号車には日本庭園を設置。もともとこの部分は出入口があったのですがここをふさいで設置されています。前後はロングシートで吊り輪含めてなんだかアンバランスな空間が新鮮。乗車したときから「京都」が強調されています。

完全に観光に振り切った「京とれいん雅洛」ですが、この列車目当ての乗車も多いようで梅田駅では発車15分前からすでに行列ができていました。
特に土休日の午前の梅田発はかなり前から並ばないと着席は難しいようです。
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