えちごトキメキ鉄道全線が1日乗り放題の「ホリデーツアーパス」です。「ホリデー」といいつつ平日も使えるのはなんか違う気がしないでもないですが・・・
販売価格は3000円。雪月花を除き、特急「しらゆき」や観光急行も含めて1日乗り放題です。主な区間を上げてみると、
区間 | 運賃料金 |
---|---|
糸魚川~直江津 | 1020円 |
直江津~妙高高原 | 900円 |
市振~妙高高原 | 2260円 |
中間点に近い直江津を起点に妙高高原や糸魚川方面往復では到底モトは取れませんが、両線の端から端まで乗車すると確実にモトが取れます。
つまりこのきっぷはどちらかというと両線をくまなく回りたい向けのきっぷでしょうか。
一方、平日限定で1日乗り放題の「トキ鉄ツアーパス」もあり、こちらは「ホリデーツアーパス」の3000円に比べて割安な2000円の設定。
というか、土休日だと、トキ鉄も含めた北陸3県のJR線、第三セクターが乗り放題の「北陸おでかけ tabiwa パス」が2900円で発売されこちらはトキ鉄も全線乗車可能なので、コスパという面ではこちらのほうが圧倒的に上でしょう。
ただし「ホリデーツアーパス」ならではの特典としては、1乗車500円かかる「観光急行」が自由に利用できるという点でしょうか。というわけで今回の旅はこの「観光急行」を最大限に利用するプランを立ててみました。
なお、本券は通販で購入したため、硬券スタイルとなっています。駅で購入するとイベント等の特殊販売を除き端末券になります。硬券は駅では売っていないのでご注意を。なお、通販で購入した硬券スタイルのきっぷは購入時は使用日付は入っておらず、2025/03/31までの好きな1日で使ってもらうスタイルとなっています。
まずは妙高高原往復
(11/12の記事から続く)
糸魚川駅前のホテルを出てきっぷに日付を入れて直江津方面に向かい、そこで妙高高原行きに乗車します。待っていたのは元北陸本線で活躍していた413系。
413系自体は、「あいの風とやま鉄道」で乗車した「とやま絵巻」以来の乗車となります。そういえばこのときも乗車駅はトキ鉄の糸魚川だったな。
「とやま絵巻」はかなりイメージを一新していますが、こちらは限りなく旧国鉄に近いイメージとなり、かつての国鉄交直流急行電車の塗装を纏っています。
妙高高原・市振方先頭車はクハ455-701で、全国で稼働している国鉄急行型車両の最後の1両となっています。
前面には「ゆのくに」のヘッドマークが。急行「ゆのくに」はかつて大阪~金沢間を米原経由で結んでいた急行電車で、大阪発の北陸方面の急行のうち、湖西線経由富山・糸魚川行きが「立山」、米原経由金沢行きが「ゆのくに」を名乗っていました。
ただ妙高高原は「ゆのくに」はえらくギャップがあるのですが・・・
クハ455-701の車内は、流石に急行型のまんまではラッシュに耐えられないのでデッキを撤去してセミクロス化されています。
一方、直江津方先頭車は413系本来の姿ですが、国鉄交直流急行色を纏ったのは今回が初めてです。意外と似合っていました。なお、こちらはヘッドマークはありません。
この413系ですが、朝に直江津から妙高高原まで1往復したあと、急行1号~4号で、直江津~市振間を2往復します。今回はその全列車に乗り倒してみようという割と酔狂な企画になります(笑)
かつて、そんな企画がトキ鉄にありましたがフリーきっぷ含めて1万円超えの価格がちょっと気になったのと、ツアー然した企画がいまいち食指が動かず様子見だったのですが、10月になぜかツアーが終了となり全車自由席となったので、「WESTERポイント北陸新幹線フリーパス」と絡めて今回チャレンジです。
この妙高高原行きは乗り鉄よりも一般の地元客のほうが多い生活列車。特に直江津~新井間は地元民でかなり混みあいます。そんな混雑も新井駅を過ぎると一掃し、1ボックス1人以下のガラガラ状態でスイッチバックの二本木駅を通過。その後山登りにアタックして妙高高原駅に到着しました。
妙高高原では数分の停車で折り返し。長野方面からの接続の電車はないからか妙高高原まで乗ってきた客がそのまま直江津行きの客になりました。
山道を上ってきた線路を今度は下っていきます。今まであまり車窓を気にしたことはなかったのですが、特に関山~妙高高原間はかなり山中に分け入るんですね。かつて「シュプール妙高・志賀」でスキー目的で京都から直江津・妙高高原を経由して黒姫まで乗車したことがありますが、そのときは雪山の中を走るイメージが強かったです。
新井駅から客が増え、上越妙高でもそれなりの乗車が。すっかり日常の電車に戻って直江津駅に到着しました。ここでやや遅い朝食。
直江津駅の改札を出て左手に進み、エスカレーターを降りたすぐのところに立ち食いそば屋「直江津庵」が。
ここではもずくそばを注文。ちょこんと乗ったウズラのたまごが見た目も味にもアクセントを与えてくれます。コリコリとした食感のもずくと、しょっぱさと甘さが同居したような感じのつゆなどわりとエッジの立った一品でファンも多いとか。
急行1号は観光停車あり、でも合理化の波も・・・
直江津駅に戻ると市振行き「急行1号」が準備中。ほどなくしてドアが開いたので、クハ455-701の海側ボックスに陣取りました。
直江津発車時の乗車率は3割程度。各ボックスに1グループずつと程よい空き具合。満席のイベント列車よりもこっちのほうが正直気が楽です。
谷浜~有馬川付近の海が見える区間は減速し、能生駅に到着。ここでは15分ほど停車します。
ツアーがあったころはここで「笹寿司」や飲み物などが売られていたのですが、現在は販売は中止され、どちらかというと時間を持て余しがちに。ただ、この乗車率だと仮に販売しても売れていたかどうかは微妙で、ツアー中止の件も含めてどことなく合理化の空気を感じ取れます。
なお、かつて行われてた車内販売は現在は一切ありません。
糸魚川で意外なことに結構な数の乗客が下車し、車内は2割以下となり、空きボックスも目立つように。自分の乗車したクハ455-701も空きボックスができています。
その残った人はどう見てもこの列車目的の人しかいませんでした。というのも次の停車駅は終点市振。その先への接続列車はないので、それほど多いとは思えない市振への用務客以外は全員この「観光急行」目当てとなります。
糸魚川発車後、青梅駅を通過すると親不知、子不知の交通の難所に差し掛かります。
この付近は断崖絶壁が海までせり出している区間となり、北陸本線はトンネルで通過、北陸新幹線は山側をトンネルで一気に通過しています。一方北陸自動車道はこの区間は海上を通過することでこの難所を突破。この高架を観光急行から見ることができます。自然の険しさを感じ取れる区間です。
親不知を通過するとほどなく終点の市振に到着。
市振駅では折り返しの間20分ほど散策時間が設けられています。皆いったんホームに出て駅舎見学や車体撮影などを行っています。
市振で降りたのは20人ほどぐらいでしょうか。かなりまったりした空気が流れていました。
(11/16の記事に続く)
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