快速「SLはこだてクリスマスファンタジー1号」指定席券

SLはこだてクリスマスファンタジー号

函館市では、毎年12月になると「はこだてクリスマスファンタジー」として様々なイベントが行われています。
このイベント自体は2023年現在も行われており、コロナ明けということもあり全面解禁状態でのイベントとなりました。

はこだてクリスマスファンタジー2023
冬の夜をファンタジックに彩るイルミネーション。家族、恋人、大切な人と、一生の思い出に残るひとときがここ函館にあります。

そんな中、JR北海道では毎年12月になると協賛列車として「SLはこだてクリスマスファンタジー号」を週末を中心に、函館~五稜郭間を午前と午後の1日2往復運転しており、2014年まで冬の定番の列車でした。
今回はその2012年度版の指定席券です。

流石に列車名が長すぎて文字が収まりきれず、「SLはこだてXマス1号」と、「ファンタジー」がまるごと抜けてしまってます(笑)
また、1号は函館朝8:35発とイベント列車としてはかなり早いのも特徴で、函館の1日を有効に楽しめる列車でもありました。

雪の函館・大沼

SLはこだてクリスマスファンタジー号のSL

函館発の先頭はC11-171形機関車が牽引。専用のヘッドマークを纏っています。

クリスマスの函館は案外雪がなかったりするものですが、2012年はがっつり積もっており、ホワイトクリスマスに相応しい日となりました。
編成は、C11機関車が14系客車、旧型客車混成の6両編成をけん引しています。普段この編成は「SL冬の湿原号」がメインとなりますが、12月は編成まるごと函館まで回送されてこの「SLはこだてクリスマスファンタジー」に使用されていました。

快速「SL冬の湿原号」指定席券
めっきり寒くなってきました。冬になるとよく北海道に行きます。なんでといわれると困りますが、夏より冬の北海道のほうが好きです。てなわけで今回は釧路~川湯温泉間の「SL冬の湿原号」指定席券です。通常は釧路...

SLは方向転換できないため、函館発がSLが先頭。一方帰りの大沼公園発は後ろにぶら下がっている補機のDE10が牽引していました。

サボ

カフェカーである旧型客車(スハシ44)に取り付けられたサボも、はこだてクリスマスファンタジーにあわせた専用のものが使用されました。

また、当時の編成には車掌車(ヨ4647)が連結され、そこにはクリスマスツリーが飾られていました。

クリスマスツリー

車掌車に飾られたクリスマスツリー。
無骨な車掌車もツリーがあるだけで華やかな気分になります。

運転日数が多いせいか、12/24でも満席になることはなく、だいたい6割程度の客を乗せて函館を発車しました。
北海道新幹線開業前なので、大沼公園までの途中停車駅は五稜郭のみです。
その五稜郭を過ぎ、七飯を通過すると、SLは渡島大野(現・新函館北斗)方面にはいかず、高架を上がっていきます。

藤城線

藤城線の高架から眺める雪の北斗市方面。藤城線自体は北海道新幹線札幌開業時に廃線になることがほぼ確実です。

この高架は通称「藤城線」と呼ばれます。
この区間を走る七飯~大沼間は高低差がありますが、渡島大野経由が途中急こう配があるのに対し、こちらは勾配がゆるく主に札幌方面の貨物列車のメインルートとして使用されています。
かつては札幌行き特急「北斗」も使用していましたが、北海道新幹線函館開業で、新函館北斗駅を経由する必要があり、2023年現在この藤城線は貨物列車以外は3本のローカル列車以外通らなくなっています。

この藤城線は、北海道新幹線札幌開業で廃線になることが確実視されていますが、個人的には新函館北斗~大沼間を廃止して藤城線側を貨物専用線として残したほうがよさげにも見えます。

SLは当然ながら七飯から藤城線を経由して大沼に向かいます。

小沼

大沼駅手前で雪に覆われた沼が見えます。よく駅名の大沼と間違えられますが、こちらは小沼です。

いくつかトンネルを抜けると進行方向左手側に雪に覆われた平地が。小沼です。
大沼駅手前なので、大沼を間違えられることもしばしばですが本列車を含め、観光列車では間違いなく「小沼」と案内されます。
大沼駅を過ぎてほどなくすると大沼公園駅に到着しました。

大沼公園駅到着

大沼公園駅到着。
線路1本しかない棒線駅なので。帰りはこのままDLが牽引して函館に向かいます。DLの後ろに車掌車が連結されているのがわかります。

大沼公園駅は函館よりもさらに雪に覆われていました。

なお、この「SLはこだてクリスマスファンタジー号」は2011年から相次いだ北海道内での脱線事故に端を発したJR北海道の経営危機の表面化に伴い、2014年をもって運転を終了しており、2023年現在運転再開の見込みはない模様です。
JR北海道が増収策としてイベントなどに注力していた華やかな一時代は、すっかり過去の話となってしまいました。

12/26の記事に続く)

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