スーパーホリデーパスというとJR東日本のが有名ですが、井原鉄道にも同名のきっぷがあります。毎年4月1日に発売し、翌年の3/31までの土休日のお好きな1日井原鉄道が乗り放題となります。
2018年度は青春18きっぷの常備券スタイルでした。中央に日付を入れて使用します。
2022年度も同じく1000円で設定されています。
今回、井原線感謝デーの文字が入っていますが、これは毎年1/11近くの日曜日に開催される「井原線感謝デー」の際に使用されるものです。このときに限り発売額は500円と半額になります。日付は購入時に指定され、指定日以外は使用できません。
総社~神辺片道1120円ですので、1000円でもお得ですが500円とはまさにサービス価格で、この日ばかりは井原線も日中大混雑になります。
この需要にこたえるべく、井原鉄道側も増結や増発を行うことが毎年の流れとなっていましたが、ここ2年はコロナ渦で「井原線感謝デー」は中止されており、来年は実施されるのか気になるところです。
追記:2023年も「井原線感謝デー」は中止されました。(井原市観光協会HP)
車両総動員で大輸送
2019年の「井原線感謝デー」は特別ダイヤを組んでいました。
運行開始20周年のヘッドマークも誇らしげに、総社行きが福山駅に入線。
福山で総社直通が見られるは基本このときのみです。車内は意外と空いており、半分ぐらいの乗車率。
2両のうち、1両が転換クロスシートを装備した豪華版。登場時期の関係からシート形状が223系1000番台車と同じでシートの座り心地も上々です。
ガラガラ状態で福塩線を走り、井原鉄道の始発駅となる神辺駅に到着。そこには大量の客が待っていました。
あっという間に2両ともに超満員に。ほとんどの人がフリーきっぷを握りしめており、流石に500円の効果は抜群。
井原鉄道は清音~総社間を除き、全線高架で非常に快適。しかし全線満員状態のまま総社駅に到着。駅ではゆるキャラがお出迎えしていました。
西日本豪雨の記憶
総社から折り返しの列車に乗り、川辺宿で下車。ここは乗車日から数えて半年前(2018年7月)の西日本豪雨で一帯が浸水した地域となります。
駅を出て小田川のほうに向かうと、発生から半年たったにもかかわらず、道路以外は基本的に手つかずの状態で、駅舎だけがポツンと残っている状態でした。
小田川のほうを向くと、堤防工事の真っ最中。
高梁川の支流といいつつ見た感じかなり大きな川で、これがバックウォーター現象で滞留して決壊につながったとなると、かなりの大規模な災害だったことがうかがい知れます。
再起をかけるうどん屋
さらに吉備真備駅へ移動。西日本豪雨で「真備町」(まびちょう)の名前は全国区になってしまいましたが、この駅は「きびのまきび」と呼び、決して「きびまび」ではないのでご注意を。
ここは旧真備町の中心地にあたり、市街地となっています。ここも西日本豪雨で浸水があった地域ですが、流石に半年たつと復興も進んでました。そんな中で仮設店舗で一軒のうどん屋が営業していました。
店の名前は「さるや」。そういやニュースでやっていたな・・・と思いつつ入店。
テントの中で一生懸命営業していました。訪問時は流石に機材がないので自家製麵はできずに、他から麺を購入していたそうですが、その後店舗が再建されてまた自家製麺が復活したそうです。
イベント列車も動員
吉備真備駅に戻って一本後の列車に乗り、早雲の里荏原駅で福山行きに乗り換えると待っていたのは「夢やすらぎ号」です。
夢やすらぎ号は、井原鉄道の主力車両IRT355形の増備車として2005年に登場し、200番台を名乗っています。
車内はわかる人が見れば一発でわかる水戸岡デザイン。木製を多用した車内ですが、ボックスにテーブルがあって団体客向けのほか、シートの背もたれが格子状になっています。それ以外はオーソドックスなスタイルとなっており、通勤通学にも使える前提で設計されたのではないかと思われます。(セミクロスシートです。)
座席形状が「いさぶろう・しんぺい」とそっくりなのは、まあ水戸岡鋭治さんだからと言ってもいいかも。なお、水戸岡鋭治さんは岡山県出身です。
昼下がりは混雑もひと段落してのんびりと福山駅に到着しました。
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