岡山を中心に運行される観光列車「ラ・マル・ド・ボア」ですが、2021年に初めて赤穂線方面が設定され、岡山~日生間に「ラ・マル備前長船」として運行されるようになりました。
以降、主に夏場と晩秋の週末に運転されます。夏場の運行は瀬戸内海の観光船に接続し、晩秋の運転は主に小豆島方面の紅葉もセットも考慮したのでしょうが、2023年に日生~小豆島航路が休止されてからは、主にこの時期に出回りだすカキを使ったカキオコなど日生や長船のグルメや備前長船刀剣博物館など、沿線の観光を重点的に売り出すようになっています。
「ラ・マル・ド・ボア」は全車グリーン車なので当然のことながらグリーン券ですが、最近観光列車の指定席券の値上げが相次ぎ、1000円のグリーン券が安く感じてしまうのはどうなんでしょうか(笑)

きっぷに「備前長船」と刀の名前が入るのはちょっと面白い。
海はあまり見えません。
「ラ・マル・ド・ボア」は「ラ・マルやまなみ」を除いて必ず岡山駅5番線乗り場発車となります。ここには八点鐘が置かれており、八点鐘の合図とともに発車。岡山から東に向かう「ラ・マル・ド・ボア」はこの「備前長船」のみです。
車体はカバンをモチーフにしたイメージです。ロゴは荷物につけるタグですね。
地味ですがヘッドマークが列車ごとに異なります。備前長船は炎がイメージでしょうか。
車内はリクライニングシートとカウンター席が。床面などは木製になっていますが、JR九州のD&S列車とは異なり、それほど木は主張していません。WiFiと座席にコンセント設置はさすが最近の車両。なお、213系車両の改造です。
カウンター席の上部は本棚になっており、自由に閲覧することが可能です。
車端部は、トイレと向かいにはなにやらぱらぱら漫画みたいなものが、「連絡船の物語」という作品です。もともと瀬戸内芸術祭2016にあわせて登場し、この列車自体が芸術作品として紹介され、かつ列車内から車窓に見える芸術作品を鑑賞するコンセプトだったため、こういうアート作品が車内にあります。
海が見えてくるは行程終盤の伊里駅~日生駅間。それもちらっと見えるだけで、海沿いだからって海の景色を期待すると完全に当てがはずれます。
逆に大ヶ池を横断する山陽新幹線など、山側のほうに見どころが多かったり。
もっとも終点日生は日生港の真ん前になり、乗り換えは非常に便利です。・・・・乗り継ぎ便があれば、ですが。
日生駅は無人駅。とりたてて特徴のある駅ではありませんが、駅前を国道があるため車の流量が多く、気をつける必要があります。
そして後ろを振り向くと。
日生湾の光景が。
左奥に見える斜張橋が「備前♡日生大橋」橋名にハートマークが入るのは奇妙ですが、これが正式名称だそうな。

「ラ・マル備前長船」で来た人たちはほとんどが観光遊覧船に乗り込んでいきましたが、自分は当然ながらカキオコ巡りに街に繰り出します。
日生の名物がカキオコ。言うまでもなくカキ+お好み焼きの組み合わせです。お好み焼き自体は広島風ではなく大阪風のいわゆる「事前に混ぜる」タイプ。ただし具を全部混ぜ込むわけではなくキャベツと生地だけでまずは広げて焼き、そのあとにカキなどを載せていく独特のスタイル。
このため、出来上がったカキオコはお好み焼きの上に乗せられた形で提供されます。だいたい1枚あたり10個前後カキ乗ることが多く、お値段は1300円前後。安いところは1000円を切るようです。
駅周辺に15軒程度あります。
お好み焼きにカキってどうなんだ?と思うのですが、食べてみると意外と合うのが不思議。
生臭さが吹き飛んで、お好み焼きソースとしっかりなじんでいるのがこれまた不思議です。
この独特の食感はなかなか表現しずらいので、一度日生までどうぞ。

2025年の日生のカキは11/16解禁です。この時期は新鮮な生ガキがお好み焼きに乗るのでお好み焼きだけでなく、浜焼きもいいかも。








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