前回に引き続き北陸観光フリーきっぷの帰り券です。敦賀から黒部までの北陸本線を中心に特急自由席が4日間乗り放題はかなり便利。
2024年の北陸新幹線敦賀開業以降は、敦賀~黒部宇奈月温泉の新幹線自由席が4日間乗り放題となり、かつ転換された三セクも乗車可能と、着地型フリーきっぷでは最強ではないでしょうか。
バッテリー/架線のハイブリッド電車
(11/5の記事から続く)
この日は金沢に泊まり、翌日は高岡に向かいます。高岡駅で万葉線乗り場に向かうと待っていたのは鉄道総研のLH02形電車。2007年に登場した日本初の架線/架線レスのハイブリッド電車です。HI-TRAMの愛称があります。
なお、2009年にはJR東日本の架線/架線レスの試験車クモヤE995形(NE Train スマート電池くん)が登場しており、烏山線のハイブリッド車両EV-E301系電車のベースとなっています。
自動車のハイブリッド車両は主にバッテリーとガソリンエンジンによるハイブリッドを指しますが、鉄道ではもちろんディーゼルエンジンとバッテリーによるハイブリッドもあれば、このように電車とバッテリーによるハイブリッドもあります。
北海道から四国まで試験運行が行われ、この日は高岡~越の潟の万葉線で運行されていました。車体はアルナ工機のリトルダンサーSシリーズで、車輪にかかる運転台が高いのが特徴です。
試験車なだけに室内は試験機材がいっぱい。
LH02形は、架線からの電気とバッテリーからの電気をそれぞれコンバーターで変換してモーターの電源として使用します。架線があるときは架線から電気を得てモーターを動かし、同時に回生電力などはバッテリーに蓄えて架線レスの箇所はバッテリー走行が可能となります。
ここで一定の成果を得て、鉄道総研はJR九州と共同で架線/架線レスのハイブリッド電車の開発に着手しました。こうして誕生したのが「DENCHA」BEC819系ですが、今後のバッテリー技術の進展とともにさらに発展しそうな分野ですね。
万葉線の人気者がこの「ドラえもんトラム」。車体をドラえもんのブルーとし、前面や側面にドラえもんなどが描かれています。運転台にドラえもんの人形が置かれているのはご愛敬。
車内も青一色。ドラえもんのキャラクターが描かれ、天井に描かれているのはタケコプターで空を飛んでいるという設定。予備知識なしで初見はかなり驚かれることうけあい。
この「ドラえもんトラム」は2025年も水曜以外1日8往復しています。時刻は決まっているので万葉線HPにて確認を。
越の潟から岩瀬浜までぐるっと周遊
万葉線越の潟駅前に富山県営渡船(越の潟フェリー)が越の潟~堀岡間で運航されています。所要5分。運賃無料。
かつては富山地方鉄道射水線(現・万葉線)が越の潟~堀岡間を運行していましたが、廃止され代替として運航されたのがこの渡船になります。
わずか5分の船旅ですが、天気が良ければ立山連峰が望めます。一方で、日本海側には2012年供用開始の新湊大橋の姿が。日本海側最大の斜張橋です。船から全景を眺めることができますが、皮肉にもこの橋によって県営渡船の廃止検討がされるようになりました。
現在、新湊大橋の開通や船の老朽化、それらに伴う利用人数減少などで渡船の廃止が検討されています。いつなくなってもおかしくないので試し乗りはお早目に。
その新湊大橋は徒歩で横断することも可能で、堀越渡船場から徒歩5分ほどのところにエレベーターが設置されて上がることができます。高さ45m。高所恐怖症の方はちょっと厳しいかも。
エレベータで上がると橋の下に吊り下げられた形でこのように通路が。絶景を眺めることができるのですが、ワイヤーなどで遮れられてそこまで視認性は高くはありません。風が吹くと小刻みに揺れます。あまりにも強風時(風速25m/h以上)は通行禁止になるとか。
しかしエレベーターホールではガラス越しに日本海の絶景を眺めることができます。そして展示している海王丸を上から眺めることも。
海王丸パークから岩瀬浜まではコミュニティバスが運行されています。
海王丸パークから岩瀬浜まではコミュニティバスが連絡。2014年に乗車したこの射水市コミュニティバス(海王丸パーク・ライトレール接続線)は2021年で廃止され、現在は公共交通機関だけで高岡~新湊~岩瀬浜~富山の一周ができなくなってしまっているのは残念。
今度は新湊大橋をバスで渡り、一気に岩瀬浜駅に到着しました。
岩瀬浜駅では富山ライトレールの富山駅北口行きが停車中。当時はまだ富山市内線とつながっておらず、富山駅北口が終点でした。
乗車して東岩瀬駅で下車。気になるものがあったからです。
それが旧富山港線の東岩瀬駅駅舎跡。LRT開業後JR時代の駅舎はほとんど取り壊されてしまいましたが、東岩瀬駅は残され、休憩室になっています。
室内は現役当時の状態が残されています。ただその後改装され、キッチンや畳などが設置されたとのこと。現役時代からは変わってきていますが、それでも地元の憩いの場となっているようです。
富山駅に戻り、「しらさぎ16号」で一気に名古屋に戻ります。今は敦賀での乗り換えが必須ですが、このころは富山~名古屋直通の「しらさぎ」がありました。
2014年当時の「しらさぎ」は683系2000番台車8両編成での運行。側面に「しらさぎ」のエンブレムが入り、オレンジの帯がついているのが特徴です。
この車両も北陸新幹線金沢開業で「しらさぎ」から撤退し、交流機器を使用停止にして289系に改番して「こうのとり」や「くろしお」に転用されています。

米原駅では一斉に座席を方向転換。
「ひだ」は岐阜で方向転換するものの、座席の向きは基本そのままで名古屋~岐阜間は逆向きのまま走るのに対し、「しらさぎ」では米原で方向転換するときに必ず座席を進行方向向きに変えるという暗黙のルール(?)があるようで、米原駅で下車しなかった乗客が一斉に座席を方向転換してました。

















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