「のってたのしい列車」のうちのひとつ「ひなび」を使用した「ひなび気仙沼」の指定席券です。「ひなび」はJR東日本盛岡支社管内をメインに走行し、盛岡~釜石の「ひなび釜石」を中心に、盛岡~宮古の「ひなび宮古」、そして八戸~大湊の「ひなび下北」が定番として運行されています。

「ひなび宮古」として乗車済ですが2025年2月22日~24日は、通常「POKÉMON with YOU トレイン気仙沼」が走行する気仙沼線に「ひなび気仙沼」として「ひなび」が入線することとなったので、乗車してみました。
ちなみにこの日は「だてSATNONO」も運行され、石巻で「だてSATNONO」を降りて気仙沼線BRT経由で気仙沼に向かい、この「ひなび気仙沼」に乗車することが可能なため、「ひなび」「SATONO」が同一日で乗り比べを試してみることになりました。

てっきり「ひなび」「SATONO」の乗り比べする人で一杯・・・と思ってたのですが、あまりみなかったですね。紙の時刻表に慣れてないと気づきづらいのかもしれません。
券面は「ひなび 気仙沼」表示。同区間は通常ポケモントレインが運行されているためかあまり「ひなび」は運行されず、2025年9月時点では2月の3日間以外は5月の団体臨時列車としての運行にとどまっているようです。
なんとなく日本のふるさとを感じる?かも
石巻から前谷地経由で気仙沼に向かいました。すでに「ひなび気仙沼」は入線中。気仙沼駅を眺めるとポケモンの像が。なぜJR東日本がポケモン列車をここで走らせるようになったのかは知りませんが、すっかり根付いているようです。
「ひなび」が登場したのが2023年12月で、一周年のヘッドマークがついていました。一ノ関側が普通車、気仙沼側がグリーン車の2両編成。HB-E300系です。
車内はほぼ満席ですが、午前中乗車した「だてSATONO」と異なり大半がそれとわかる乗り鉄ばかり。年2回しか走っていない列車だとどうしても客層が偏るのは致し方ないところか。
すっかり見慣れたハイブリッド気動車ですが、「ひなび」側面のデザインはなかなか秀逸。花や波などを配置し、それを水引っぽくまとめています。ただしJRロゴが浮いてますが(笑)
今回は普通車に乗車。JR東日本のリゾート列車お得意のやたら広いシートピッチの座席が並びます。窓も天地方面に大きく開放感はなかなかいいところ。
「SATNO」と兄弟車両なので当然ながら乗務員室後ろの展望デッキは健在。ただし、仙台七夕やらアロマペーパーなどやたらにぎやかな装飾だった「だてSATONO」と比べると、何もなくて極めて質素。
さらに車内販売員は乗務せず、ワゴンで沿線のお土産や飲み物などを巡回していた「だてSATONO」と比べると車両こそ同じ形式なものの、かなり寂しい感じです。
「SATONO」と「ひなび」を1日で乗り比べてみましたが、ハードこそ全く同じなものの、ソフトの差が如実に表れた格好でした。
大船渡線を淡々と走ります。途中の停車駅は折壁・千厩・摺沢・猊鼻渓・陸中松川。
途中千厩駅を過ぎると大きく右にカーブして北に。摺沢駅は沿線で一番乗降客が多い駅だそうです。一説によると大船渡線はこの摺沢駅に立ち寄るために大きく北に迂回したとか言われていますが、実際はどうだったのか。
猊鼻渓で南に向かい、陸中門崎で再び西に進路を変えて一ノ関に向かいます。このように摺沢~猊鼻渓で大きく北に迂回している路線の形状が、ドラゴンに似ているということから「ドラゴンレール大船渡線」と呼ばれています。
大船渡線沿線にドラゴンに関する由緒名跡はあったかなあ。(ポケモンにいた気がしますが。)
ほどなく一ノ関駅に到着。
そういえばこの「ひなび 気仙沼」は途中で観光案内は一切なく、淡々と走行していました。声優を用いて沿線のPRに熱心だった午前中乗車の「だてSATONO」に比べると、同じ車両使ってもどうしても仙台支社と盛岡支社の熱量の差というものを感じられずにはいられなかったこの1日でした。
なんだか「ひなび」に対する物足りなさを延々と書いてしまいましたが、一応「ひなび」の名誉のために書くと、メイン運行区間である「ひなび 釜石」(盛岡~釜石)では車内販売員も乗車。車内景色の案内や見どころでは徐行もあるなど、決して他の「のってたのしい列車」と比べても遜色はありません。
ただ、他路線に遠征したときに、とたんに「走るだけ」となるのはなんだかなあ、とは思います。(地元の熱量の問題もあるのかもしれませんが)
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