秋田内陸線「片道寄り道きっぷ」/「西鷹巣->大館」連絡乗車券

片道寄り道きっぷ

秋田内陸縦貫鉄道では2014年に端末更新を行い、それまでの硬券などが一掃され、端末券がメインとなりました。そんな端末で発券したのが「片道寄り道きっぷ」です。
このきっぷは鷹巣~角館を通し利用の際に発売されます。通常角館~鷹巣間の乗車券は途中下車不可ですが、このきっぷは1回のみ途中下車が可能で、おそらくですが途中下車を行うときに券面の「下車」の箇所にハンコなどが押されるのではないか、と思うのですが、押されていないのでよくわかりません。

角館、鷹巣の両駅でのみ発売され、価格は1800円。通常の乗車券が1700円なので途中下車1回できる分、100円高くなっています。
もっとも角館~鷹巣94.2kmが1700円というのは意外と安く、例えば同キロだとJR東日本は1690円とほぼ同額、JR北海道は2240円と500円以上高いです。
他の三セク同様赤字に苦しんでいる同線ですが、もっと値上げしてもいいのでは・・・?

さて、割引きっぷだけでなく、通常のきっぷも端末券で購入してみました。

西鷹巣->大館乗車券

西鷹巣->大館乗車券。鷹ノ巣~大館はJR線なので秋田内陸線とJR線の連絡きっぷとなります。

一方、通常のきっぷも買ってみました。購入したのが西鷹巣~大館の乗車券。秋田内陸縦貫線は鷹巣接続でのみJR線との連絡きっぷを発売可能で、端末のある阿仁合、角館、鷹巣などでは秋田内陸線のどこの駅発のきっぷも発売可能です。

今回連絡乗車券を購入したのですが、見たかったのが経由の乗換駅表示。秋田内陸線は「鷹巣」、JR東日本は「鷹ノ巣」と「ノ」の有無の違いがあるため、このような連絡きっぷの乗換駅表示は・・・と思ったら「鷹ノ巣」とJR東日本式となりました。このあたりの経由表記ルールはどうなっているのか気になる部分はあります。

ちなみに端末で発券の様子を見ていると、JR線の連絡乗車券発券のメニューに「角館接続」を発見。既に角館経由の連絡乗車券はなくなったはずですが、メニューには残っていました。

秋田の名物「きりたんぽ鍋」

阿仁前田温泉

途中下車するとしたら温泉併設の「阿仁前田温泉」が第一候補に挙がるでしょうか。夜間なので無人駅ですが、有人時間帯は硬券入場券を発売しています。

11/27の記事から続く)

阿仁合から引き続き乗車。すっかり暗くなりましたがそれまで乗客が自分ひとりだったのが5人ほどに増え、幾分にぎやかになりました。

阿仁合以北は戦前の開業のため、線路状態が一気に悪くなります。同時にスピードも出なくなり、かなりのんびりとした速度で暗闇の中走行することに。
ところどころで派手に警笛を鳴らして徐行するのはやはりクマよけなんだろうか。

「片道寄り道きっぷ」では一か所途中下車ができますが、まあ第一候補は阿仁前田温泉ですかね。駅そのものが温泉施設になっているところで、以前も訪問したことがあります。

秋田夏休みパス(2010年度版)
秋田夏休みパスです。秋田県内のJRと秋田内陸縦貫鉄道、由利高原鉄道が全線乗り放題です。特急は料金追加で利用できます。夏休みとありますが、利用可能期間は8/23まで。大曲の花火大会の日には使えません。エ...

いつの間にか駅名に「温泉」が付加されより温泉駅らしくなっていました。もっとも昔から使われている駅名標と思しき看板は「阿仁前田」のままでしたが。

なお、阿仁前田駅は簡易委託駅のため、硬券入場券を販売していますが、この時間は当然のごとく営業終了済で入場券の購入はできず。

駅舎

駅舎。ホームが2階にあり、駅舎自体もホームにあわせて高くなっていて階段を上がって駅舎に入るスタイル。1階は駐車場です。右側が「クウィンス森吉」。

駅舎併設温泉の名称がクウィンス森吉。確か外湯のみだった気がしますが、いつの間にか宿泊もできるようになっていました。

外湯料金は500円。ただし、以前はあったサウナ、水風呂は撤去され、露天風呂も閉鎖されてしまい内湯のみとかなり寂しい姿になっていました。
もっとも値上げしてまで維持しようとすると地元民から見放されることでしょうから、施設の立派さよりも地元民がいつも気軽につかえる温泉であろうとしているのかもしれません。
サウナ跡にはすのこが敷かれ、そこに寝られるようになっています。

さて、クウィンス森吉にはレストランも併設されています。宿泊者の夕食会場も兼ねているようです。

きりたんぽ鍋

秋田名物きりたんぽ鍋。きりたんぽとは白米をつぶして棒に巻き、火にまぶしたもの。

というわけできりたんぽ鍋(1600円)を選択。
きりたんぽとボウ、キノコ、ネギ、セリなどの野菜、比内地鶏を煮込んでダシにしています。これが意外といける。特に比内地鶏を煮込んだダシがかなりよさげだったので、鍋を食べたあとはごはんと卵(合計270円)を追加して、このダシに混ぜておじやにして食べます。これまた美味。

平日ということで観光客はほとんどなく主に地元民っぽい人ばかりでしたが、それなりににぎわっていました。

夕食のあとは後続の鷹巣行きに乗り換え、鷹巣に向かいます。
食後ということもあって、のんびりと走る列車のリズムが眠気を誘い、気が付いたら寝ていました。

鷹ノ巣駅

鷹巣駅。JR東日本の鷹ノ巣駅の一角に秋田内陸線鷹巣駅乗り場があります。
かつては不定期にJR線との直通列車もありました。

鷹巣駅に到着です。秋田内陸線の鷹巣駅はJR東日本の鷹ノ巣駅の一角にあります。何気に大館能代空港に近く、バスで15分ほど。歩く場合は秋田内陸線縄文小ヶ田駅まで45分ほど。

世界一の大太鼓

ギネスン認定、世界一の大太鼓のレプリカ。
もちろん人間の身長よりも大きいです。

ホームにはギネス認定された世界一の大太鼓(直径3.71m、重さ3トン)の一部のみのレプリカが。身長の倍はある巨大太鼓です。実物は大太鼓の館にて展示中。

ほどなくして快速青森行きの入線です。

快速青森行き

快速青森行き。かつては特急「白鳥」につながる列車ですが、現在はすっかり地元向けの列車となっています。

入線した快速青森行きは秋田始発の701系電車の3両編成。3両なのでロングシート車限定です。秋田地区で走っている車両は登場してから30年が経過し、かなりくたびれている箇所もあります。そろそろ置き換えの声もかかる頃でしょうか。

さて、この快速青森行きはかつて金沢発青森行き急行「しらゆき」とほぼ同じ時刻で走行しています。
急行「しらゆき」は、1982年に後福井発青森行き「白鳥1号」に格上げされたもののあっさり廃止。ところが1988年の青函トンネル開通と急行「はまなす」運行開始に伴うダイヤ調整で大阪~青森の「白鳥」がこの時間帯に移動して運行。「白鳥」廃止後は「いなほ」「かもしか」「つがる」となってこの時間帯の特急電車が維持されていましたが、2018年のダイヤ改正でついに秋田~青森の快速列車に変更されてしまいました。

快速化以降も新青森で新函館行き「はやぶさ39号」と接続をとっており、対北海道連絡としての側面を残していますが、車内の乗客を見る限り長距離客はほとんどおらず大半は地元民のようで「白鳥」時代とは全く違う列車といっても過言ではないでしょう。

快速といっても八郎潟以北はかなりの高速運転のようで特急「つがる」とほぼ同様の所要時間で走行。青森までの間、701系の全力疾走を堪能しました。

(12/1の記事に続く)

コメント

タイトルとURLをコピーしました