4割引となった東京都区内発仙台経由東京都区内行きの乗車券です。4割引というと以前なら株主優待になりましたが、最近はこれに加えてJREBankの優待による4割引もあります。効力自体はJREBankも株優も同じで、乗車券と特急券などの料金券(1列車のみ)が4割引です。
ただし、JREBankの4割引は純粋なJR東日本の株主優待とは異なり、えきねっと上でしか使えないのが特徴です。

JREBank4割引券で東京~仙台の往復きっぷを作ろう
さて、JREBankや株主優待の4割引券は以前も少し説明したことがありますが、片道乗車券と特急券など料金券が4割引となります。料金券は複数の特急を乗り継いだとき、どちらか片方の特急券だけが4割引となります。
・・・とまあここまではシンプルですが、JREBankの特典の場合、「えきねっとでしか購入できない」が追加で入ってきます。えきねっとの場合東京~新青森のような、乗車券と特急券の区間が同一の場合は比較的簡単なのですが、東京~新青森~秋田~新潟みたいな乗車券の区間と特急券の区間が一致しない場合、とたんに難易度が跳ね上がります。
えきねっとの場合、下記の制限がつきます。
- えきねっとは座席指定付き列車は4列車乗継以上はできない
- えきねっとは基本的に当日中に乗車開始で到達可能なルートしかできない
- えきねっとは最速乗り換えしかできない

逆に言えば、そこをうまくコントロールすると「えきねっと」でも面白い経路が作れます。
慣れてくると結構アクロバティックなルートも可能ですが、今回は比較的簡単かつ需要が高そうな、東京(東北新幹線経由)仙台(常磐線経由)東京の片道ルートを考えてみましょう。
このルートは一見片道にできない気もしますが、2つポイントがあります。
- 岩沼~仙台間の扱い
- 「東京都区内発東京都区内行き」をどうやって作るか。
それぞれ追いかけてみましょう。
岩沼~仙台間の扱い
大前提として、新幹線と在来線は在来線が三セクなど一部の例外を除き、同一の線路として扱います。なので、例えば上野~大宮間は、東北新幹線に乗っても、京浜東北線や宇都宮線で行っても同一の経路として扱います。
なので普通に作成すると、東北本線と常磐線は岩沼駅で合流し、岩沼~仙台間は往復乗車になってしまいます。
しかし、福島~仙台間は東北新幹線と東北本線は別の路線として扱うルールがあります。
これを利用すると仙台折り返しでも片道の経路にできます。
福島~仙台を東北新幹線経由としてしまえば、東北新幹線は岩沼駅を通らず、仙台から常磐線方面に片道乗車券として作成することができます。
「東京都区内発東京都区内行き」をどうやって作るか。
実はえきねっと(指定席券売機も、ですが)では同一駅発着のきっぷは発売できません。
みどりの窓口は同一駅発着の片道きっぷの発売は可能です。
しかも東京駅~東京駅のルートだと、日暮里駅でルートが重なってしまい、片道きっぷになりません。そこで、きっぷのルートを、東京(東北新幹線経由)仙台(常磐線経由)北千住とします。北千住は常磐線上の東京都内の駅です。
この場合、えきねっとで購入できる片道きっぷになりますが、北千住は東京都区内の駅のため、きっぷの距離が201km以上あると、発着駅が北千住から「東京都区内」になります。(例外ありますが省略)
仙台に行っているので当然201km以上のという条件を満たすため、きっぷは北千住着でも発売時は「東京都区内」となり、これで「東京都区内発、東京都区内行き」のきっぷがえきねっとで買えるようになります。
実際にえきねっとで「東京都区内発、仙台経由、東京都区内行き」のきっぷを作ろう
では実際にえきねっとで作ってみましょう。なお、4割引を効かせるため、予め優待番号をえきねっとに登録しておきましょう。
なお、画面はPC向け画面です。スマホ向けもほぼ同じですがレイアウトが一部違います。
まずえきねっとのトップページから「JRきっぷ申込/空席案内」を選択して経路を入力します。ここでは
- 乗車駅:上野
- 降車駅:北千住
- 経由駅1:仙台
- 経由駅2:いわき
とします。日時は出発日を入れ、時刻はなるべく早い時間にします。朝5時とか6時とか。理由は後述します。
出発駅/到着駅を入力して画面下部に株優を使うか聞いてきますので、「株主/JRE BANK優待割引を利用する(片道限定)」を選択し、「検索オプション」をクリックして「新幹線を利用」をチェック。
自分は「やまびこ」利用だったので「はやぶさ」「こまち」のオプションはつけませんでしたが、利用したい人はつけてもいいでしょう。
「特急列車・指定席がある列車を利用」はチェックをはずしておきます。これは株優で購入する特急を特急料金が高額な新幹線にしておきたいためです。
すると、検索結果が表示されます。乗車予定列車と違うかもしれませんが、いったんこのルートで購入します。
ここで、時刻が朝早い理由がわかります。理由としては「えきねっとは基本的に当日中に乗車開始で到達可能なルートしかできない」からです。出発を遅くすると当日中に到達できず、その時点で検索結果がエラーになるためです。
また、新幹線が乗りたい列車と違うこともありますが、「えきねっとは最速乗り換えしかできない」ため、仙台で途中下車して牛タンたべて・・・なんてことは考慮されず、ひたすら乗り換えが最速のルートしか出ません。
このため、好きな列車が選べません。これがえきねっとが非常に使いづらいところのひとつとなります。
なので、あとで変更する前提でいったん列車を仮で押さえておきます。
次の「やまびこ127号」の特急券の申し込みです。きっぷの種類は特急券と乗車券の区間が違うので「その他のきっぷ」を選びます。
座席の種類を「株主/JREBANK優待割引」を選択します。通常の特急料金の4割引の料金が表示されているはずです。
画面下には「乗車券の申込」があるので、「乗車券(紙のきっぷを申込む)株主/JREBANK優待割引」を選びましょう。4割引の乗車券です。
ここで注目したいのが、「上野→北千住」で申し込んだのに、乗車券区間の表示がこの時点で「東京都区内→東京都区内の乗車券」となっています。これで仙台往復の片道一周乗車券が完成しています。
次に進みましょう。
株主優待券番号を入力します。あらかじめ入力しておいた場合はここにプルダウンで表示されますで選択。未入力の場合はここで入力しておきます。
次に進みましょう。
指定席・グリーン車の場合はここで座席指定が可能です。
申込内容を確認しましょう。
確認画面です。株優/JREBank優待券はきっぷキャンセルしても戻ってこないため、入力間違いしていないか注意しましょう。
これで申込完了です。東京都区内~仙台~東京都区内の乗車券と、行きの上野から仙台までの「やまびこ127号」の特急券あわせて9090円と1万円を切ってきます。
帰りの仙台から常磐線経由東京はもちろん普通列車で帰れば追加料金は不要ですが、まあ普通は仙台から東京まで直通する特急「ひたち」を使うでしょうから、その分の料金が別途必要です。
それでもJREBank/株優の4割引券1枚使うだけで、12000円ほどで東京から仙台を往復することができてしまいます。
ちなみに上野~仙台の通常の片道運賃・料金は「やまびこ」指定席利用で10880円です。
さて、これで終わり・・・ではありません。というのも最初から「やまびこ127号」利用予定ならば問題ないですが、必ずしもそうでない人がほとんどではないでしょうか。
「えきねっと」上で変更すると乗車券まで変わってしまうため、いったん指定席券売機等できっぷうを引き取り、引き取ったあとにその指定席券売機で、乗りたい列車に変更してしまいます。
具体的には引き取ったあと、指定席券売機のトップメニューから「指定席」を選択して「指定席の変更/座席未指定券への座席指定」を選びます。するときっぷの挿入画面になりますので、変更したい特急券を挿入してください。
その後乗りたい列車を選択すると、元のきっぷと変更したきっぷが出てきますので、それを利用して乗車することになります。今回は「やまびこ127号」→「やまびこ125号」に変更しています。
なお、株優/JREBankの4割引特急券は「やまびこ」→「はやぶさ」など料金が変わる変更の場合は、指定席券売機で操作できませんので、みどりの窓口で変更する必要があります。注意しましょう。
このように、えきねっとを使ったきっぷの購入は癖がありすぎて、かなり難易度が高めです。慣れた人はさくさくと出せますが、そうでない人はかなり苦労するかもしれません。
まずはきっぷ購入前にえきねっとを操作してみて、狙い通りのきっぷが作れるか確認したほうがいいでしょう。
ちょっぴりお得なやまびこの旅
東京~仙台は「はやぶさ」「こまち」の人気が高いですが、「はやぶさ」「こまち」利用だと320円高くなります。東京~仙台なら「やまびこ」でも2時間ほどですので、混雑しがちな「はやぶさ」「こまち」ではなく最初から「やまびこ」を使う手もあります。自由席を使えばもっと安くなります。
なので、東京~仙台の場合はわりと「やまびこ」を使うケースが多いです。
事情により大宮から乗車しています。
土曜午前の東京発仙台方面の「はやぶさ」「こまち」は混雑していることが多く、ならば比較的空いている「やまびこ」に最初から乗るというのは一つの手です。遅いといっても各駅停車でない「やまびこ」なら東京~仙台2時間弱ですから十分に早い。
最繁忙期だと東京~仙台の「はやぶさ」指定席と「やまびこ」自由席で一人1250円の差があり、4人だと5000円の差と割りと無視できない額となるため、ここは少し考えどころではないでしょうか。
仙台行き「やまびこ125号」はE5系で運行。すっかりおなじみとなった緑の車体。直前の「はやぶさ3号」がほぼ満席で出て行ったのに比べ、こちらは割と余裕があります。
宇都宮での下車が多く、1/3ぐらいが下車していきました。車内は半分以下となり、「はやぶさ」の大宮~仙台のような満席でギッシリ感もなく、割とのんびりです。
途中福島で「はやぶさ103号」に抜かれますが、大宮から1時間33分で定刻に仙台到着。やっぱり新幹線は速いです。
翌日、常磐線の特急で東京に戻ることになりますが、在来線と新幹線の違いをイヤというほど感じることになります(笑)
(8/7の記事に続く)
コメント