WESTERポイント全線フリーきっぷの旅、3列車目は岩国~広島間の快速「シティライナー」です。昨年登場した指定席「うれしート」の指定券です。
JR西日本では、ラッシュ時の着席通勤を目的に車掌のいる最後部を座席指定にしてのれんで区分けする「うれしート」を大和路線で導入したところ、好評ということでそのエリアを拡大していきました。
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そして2024年には広島地区にも登場、平日朝に岩国から広島方面への「通勤ライナー」と、土休日午後に岩国から広島方面に向かう「シティライナー」に設定されました。
いずれも最後部車両の半分を「うれしート」としたもので、土休日のシティライナーは時間帯からして宮島から広島に戻る人をターゲットにしているのは言うまでもありません。
券面は「Rシティライナー」となります。「R」は路線番号を示していて、これはうれしートに共通する要素ですね。
「シティライナー」というとかつての117系新快速の愛称でもあり、京成のAE100形の晩年に運行された特急列車の愛称でもありますが、マルス券にその愛称が出るようになったのはおそらく今回が初めてではないでしょうか。
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シーズンオフでもやっぱり強い宮島
(2/22の記事の続き)
岩国に向かい、そこから「シティライナー2号」に乗り込みます。車両は広島の主ともいえる227系「RedWing」。ヘッドマークの類はなく、前面には「R快速」の表示のみ。快速のオレンジ色はJR西日本独特の配色です。
編成は6両とやや長め。午後3時頃の岩国駅は土日と言えども閑散としており、岩国駅から広島方面はデータイムは30分に一本とJR西日本発足時の10分に1本から大幅に減便されてしまいました。それだけ輸送の落ち込みが激しいということになります。
最大の特徴がやっぱり「のれん」こののれん1枚で有料エリアと無料エリアを分ける発想は3ドア転換クロスの車両が多いJR西日本ならではではないでしょうか。
これが評価され、2024年の通産省のグッドデザイン賞を受賞しています。
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しかし・・・ガラガラです。
岩国口でデータイム6両は明らかに輸送過剰。指定席も岩国からだと私のようなもの好きしかいないのではないでしょうか。
列車は大野浦までは各駅に止まります。1号車は誰も乗らないまま大野浦駅を発車。ここから快速運転となり、宮島口、五日市、横川、終点の広島に停車します。ただ快速と言っても京阪神の新快速のようにぶっとばすようなことはなく、淡々と走行している姿が印象的でした。
しかし、宮島口で大量に乗車。自由席はほぼ埋まり、「うれしート」も観光客一組が乗車してきました。流石「宮島」の引力は半端ではありません。
オフシーズンとはいえ、宮島口でこんなに乗ってくるわけですから紅葉のシーズンなどは観光客で一杯になることは容易に予想がつきます。こういうときこそ、この「うれしート」の真価が発揮されるのではないでしょうか。
広島駅到着。特に折り返し運転することはなく、そのまま回送列車として海田市方面に引き上げていきました。
変わる広島駅、変わらないお好み焼き
その広島駅ですが、広島電鉄がJR広島駅2階への乗り入れを行う工事が佳境に入っているようです。既に高架は完成し、現在は駅ビルの建設の真っ最中。2025年夏の完成を目指して急ピッチで進められています。
完成したときには広島駅南口のごちゃっとした印象は大きく変わるのではないでしょうか。
1階に降り、広電の広島駅電停へ。高架工事や駅ビル工事のため、広島駅電停はかなり狭くなっており、雑多な感じになっています。既に高架は姿を見せてますが、この高架と広電の組み合わせは2025年夏までの姿。
一方、振り向くと5100形(Green mover max)が。こちらは5両連接車で、宮島口や宇品方面に主に運用されています。写真の5101編成はJR西日本227系「RedWing」を模した塗装で、鋼製車体なのにステンレスを模したシルバーと赤色でラッピングという編成です。
この編成は主に広島駅~宮島口の直通系統で運用されるため、西広島~宮島口間では本家?の「RedWing」と並走する姿も見られるかもしれません。
日々変わりつつある広島駅の姿ですが、変わらないものも。
広島の名物の一つと言えば「お好み焼き」。広島市内にたくさんありますが、もちろん広島駅にもあります。以前から広島駅でお好み焼き屋が集中している場所があり、現在はekie1階の「ekie DINING」に比較的お好み焼き屋が集まっています。今回は「いっちゃん」を利用。
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写真は「スペシャル」1300円也。麺をそばからうどんに変更しています。広島のお好み焼は、生地をクレープのように広く薄く広げその上にキャベツを載せてうどんとさらに生地で挟み込むもので、すべて最初から全部生地に野菜などを混ぜてしまう大阪のお好み焼きとかなり体裁が違います。
なので大阪の「粉もん」のイメージを持って広島のお好み焼きを食べると、粉もんとはかなり遠いイメージでちょっとびっくりするかも。
「広島風お好み焼き」は完全にジャンルとして確立してしまっているので、今後も変わらぬスタイルで続いていくことでしょう。
(2/26の記事に続く)
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