ほとんど見かけなくなったJRの硬券ですが、台鐡でも急速に端末券に置き換えられています。
台鐡では硬券の乗車券を「硬票」といいます。基本的に記念きっぷを除いて台鐡でも硬票は一部を除き印刷されていないようで、現在設置されている駅も、現在の在庫限りという状況のようです。
この加祿駅は数少ない硬券の販売駅のひとつですが、すべてのきっぷが硬券という台鐡でも珍しい駅です。
今回は加祿駅から南廻線の太麻里駅までの「普通、快車通用」の乗車券を購入しました。
「普通、快車通用」というのはちょっと古い言い方で、普通車、平快車用という意味ですが、現在は両方あわせて「普快車」という種別になってしまっているため、「普通車」というのはありません。
なお、太麻里駅は台湾で一番日の出が早い駅として知られています。
この加祿駅は、1日上下2本ずつしか停車しません。乗車人員も1日10人程度とどう考えても無人駅レベルの乗降客しかない駅ですが、単線である台鐡南廻線の退避可能駅だからか、駅員が配置されきっぷも売っています。
まあ1日10人では端末を置くにも維持コストのほうが高そうなので、硬券で残っているというのが現実でしょうが・・・
で、1日2本だとクルマ以外ではきっぷの入手は困難・・・というとそういうわけでもなく、枋寮12:08発の普快3671次列車に乗ると、次の加祿で5分停車になりますので、この間に購入することができます。
ただし、加祿駅も売り切った硬券の補充はしないようで、南廻線各駅行きや枋寮方面の各駅についても既にない駅がかなり出ており、なくなる(=売り切ってしまう)のも時間の問題かなあと思います。(ない行き先駅の場合は車内で購入することになる。)
さて、加祿駅の駅舎ですが、駅舎内はものすごく広いです。自動券売機や窓口のスペースも複数ありますが・・・・客がいません。自動券売機はスペースだけとられて機械はなく、有人窓口もひとつあるだけです。天井が非常に高いのは台鐡の駅の特徴。
ここの駅員は親切で、やはり硬票を求めにくる人も多いです。
言葉は通じませんが、ここは漢字が使える日本人ですから筆談でなんとかなりました。
紙に「有没有硬票、金崙、太麻里?」と書いて見せると、駅員は私をそっちの筋の方を理解したらしく、金崙を指差して小さく×(=品切れ)、太麻里はあるようだったので券箱から出してきました。これで無事購入。停車5分ですが十分でした。
加祿駅に停車中の旧型客車による普快車です。
特急の通過をまって発車しました。
2度目になりますが、やっぱり旧型客車の旅はいいですね。この日の気温は25度。窓もあけて気持ちよい外気が得られる温度です。
旧客も硬券もいつまで残っているか不透明なところもありますが、旧型客車と共に、硬券も旅の思い出になるかもしれません。
なお、一部の硬券の裏には標語が書かれています。このきっぷの裏にはこんな言葉が書かれていました。
中国語はわかりませんが、なんとなく意味するところは「乗車マナー、乗車のときは降りる人が先、乗る人が後」のような気がします。
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