枋寮から台東までは、普快車のお世話になります。
普快車は、いわゆる普通列車ですが、先日の区間車との違いは冷房があるかないかの違いです。こちらは冷房がありません。その分運賃は区間車より安くなっています。
普快車の運賃は10kmあたり10.6元で、枋寮から台東まで98.2kmあるので104元。(約340円)
区間車よりもさらに安いです。
で、この枋寮から台東の普快車第3671次は、最近日本でも話題になっている台湾最後の定期の旧型客車で運転されています。
枋寮から台東の間は南廻線と呼ばれ、台湾を一周する鉄道のうち一番最後まで開通が遅れた区間で1992年に開通しています。
当初から人口希薄地帯だったため、日本の普通列車にあたる普快車、区間車はあわせて1日2往復。現在はうち1往復が普快車として、旧型客車で運行されています。
オレンジ色の機関車が青い客車を3両牽引。
客車はもちろん自動ドアなんてなくオープンドアで、出入り自由です。小窓がずらりと並ぶ様は壮観。
車内はレザー張りの回転クロスシートがずらり。冷房はなく天井には扇風機がついてます。しかしレザー張りはなんか蒸れそうだ。(実際乗ってたら蒸れ蒸れに。)
車内はサウナ状態だったのであわてて窓を全開にしました。
こんな両開きのドアがついた車両も繋いでいました。こっちも冷房はなし。
車内は地元民はゼロ。
どう考えてもすべての客がこの客車目当てのあっち系の人です。50人ぐらい乗ってましたが40人ぐらいが若い女子。
最近の台湾の女子はこんなものが流行っているのか???
枋寮を定刻に出発。
全開の窓から風が吹き込んできます。やっぱり冷房より自然の風がいい!。
次の加祿駅で対向列車待ち・・・のはずが、対向列車が遅れているようで、車掌から「しばらく発車しないから外でていいよ」とのこと。ここぞとばかりにみんな写真撮りまくりです。
そのうち、後続の「莒光」がやってきました。こっちは定刻なんですが、対抗列車が来ないのでやはりこの駅で足止めです。
この「莒光」は、第51次台北発花蓮行きの長距離列車。台湾を約10時間掛けて3/4周する列車です。
この列車にはツアー列車「環島之星」が連結されており、鮮やかなペインティングが特徴です。この列車は「莒光」と一緒に花蓮に向かい、そこからさらに台湾に戻るいわゆる「台湾一周列車」です。こっちも乗ってみたいな。
ようやく遅れていた「自強」号が加祿駅を通過。
その後「莒光」を先に通してこの普快も20分遅れで発車です。
加祿駅を出発するとトンネルで。旧型客車の車内は点いている照明が少ないので、なんか怖い。
トンネルを越えるといよいよ海が見えてきます。南廻線は海が良く見られる路線としても知られ、乗客みんな海側に移って外の景色を眺めてます。
・・・と思いきやどんどん山側に入っていく列車。南廻線は海が見られるのと同時にトンネルが多い路線としても知られています。全線の約3割がトンネルです。
山を越えると再び海。
しかしこのあたり人家があまり見られません。流石普通列車1日2往復なだけあります。
途中の金崙駅でまたしても対向列車待ち合わせのためしばらく停車。
そのときに列車の最後部から撮影。
最後部の貫通路は棒1本あるだけの非常に見晴らしのいい「展望車」。
走行中はちょっと怖いですが(笑)
さらに知本駅でも今度は順行の台北発台北行きの「環島之星」「莒光」とすれ違い。
さっきの「環島之星」は台北から反時計回りに一周していましたが、こちらは、台北から時計回りに一周しています。
なお、知本は日本でも有名な知本温泉の最寄駅。(駅からバスが必要ですが・・・)
約2時間強で終点の台東に到着。
景色よし、車両よし、全く退屈させてくれない2時間でした。
(7/21の記事に続く)
コメント
日本ならとっくの昔にディーゼルカーに置き換えられているはず。
東部幹線から撤退し、南廻線でもついに一往復となりましたが、どうしても乗りたくなり毎回同じ列車に揺られます。何度乗っても車窓や音、風がいいなあと思ってしまいます。
最近は確かにこの列車目当ての観光客が多くなっている印象です。
この夏に乗ったときは、日本人の家族連れも乗っていて知本で降りていきました。
最後部のデッキは棒が渡してあるだけですから、高速で走るのでスリルがあります。車掌さんはデッキに出ないように注意していました。
最近DR2700の故障で、台東線に旧型客車が復活したようですね。
こっちは本当にガラガラのようです。