前回記事でも紹介した、木次線八川駅からの乗車券3種類です。八川駅は1日6本しか列車が発着せず、乗降人員はここ数年は1日1~2人となっている超閑散駅ではありますが、簡易委託駅となっており、きっぷを発売しています。
もっとも無人駅化まい進中のJR西日本では木次線は割と例外的で、中間駅16駅中9駅できっぷを販売しています。
もっとも販売しているきっぷは、三井野原、出雲坂根、出雲横田、亀嵩への3種類の常備軟券の金額券のみ。それ以外は発売していません。利用者数からしても実需要はほぼ皆無と思われ、購入者はほとんどそっち方面の趣味者ばかり、と委託の方の弁。下手すると一か月以上発売実績ゼロということもあるそうな。
委託の方は基本的に駅に常駐はしておらず、かなり運の要素がからむので、きっぷ購入の難易度はかなり高めです。
映画のロケにも使われた古い駅舎
八川駅は昭和9年の開業当初からの駅舎を改修しつつも使用し続けています。映画「砂の器」では亀嵩駅という扱いで八川駅が使われていました。窓枠がアルミサッシにならず木枠のままというのは今となっては珍しいかも。
木枠の改札口や椅子、そして駅名標など渋さ満点。全く観光地化されていないので、実用一点張りなところがかえって郷愁をかきたてます。
簡易委託の方が掃除されているので、完全な無人駅のようなホコリがたまっているといったこともなく、古いけど駅舎内はわりと綺麗です。
きっぷを発売する「出札所」はちょっとしたブースになっており、2人も入ればいっぱいの狭さ。きっぷ販売時は、「出札所」看板下の木枠の窓が上げられ、発売されます。
この日は自分以外に列車待ちでたまたま広島から出雲そばを食べにきたという夫婦がおり、彼らも購入。「手書きですか!?」と初めてみる常備軟券にちょっとびっくりされていました。
やがて備後落合行きの列車が到着。青春18きっぷ期間中でもないのにかなり混雑していますが、どうやらツアーの団体が乗車している模様。広島へ帰る夫婦が乗車していきました。
蕎麦湯を使った「ざいごそば」
前回記事でも八川駅に出前してくれるそば屋として紹介しましたが、八川駅には「八川そば」が駅前に構えています。駅目の前に見える店がそれで迷うこともありません。列車に出前も悪くはないのですが、やはり一度は降りて食したいものです。
この店の名物が「ざいごそば」1300円也。あったかいそばと冷たいそばを選べますがこの日は猛烈に暑かったので冷たいそばを選択。
すると、そばの上に出雲そば定番のネギ、ノリ、大根おろし等に加えて舞茸等の山菜が乗ったそばが登場。そこに蕎麦湯とつゆをかけるいわゆる「ぶっかけそば」形式のそばとなります。
これはこれでいいのですが、おすすめはあたたかいそば。
こちらは3月に訪問したときに食した「ざいごそば」のあたたかいほう。
写真でもわかりますが、どろっとした蕎麦湯の中に蕎麦が入っています。どろどろ感の調整は可能ですが、自分は一番どろどろにした状態が好み。いわばラーメン屋「天下一品」のこってりのそば版ともいうべきでしょうか。自分はこれと、この地域の地場産米である「仁多米」を使ったおにぎりとの組み合わせが鉄板です。
当然のことながら好き嫌いはかなり分かれるようで、初めての方には店員からアドバイスをもらえます。
奥出雲町の蕎麦屋は出雲そばとして品質もさることながら、とにかくユニークなところも多いので、特に新そばの秋シーズンを中心に土休日はどの店も行列ができており、列車で来るときは時間に要注意です。
列車の本数が少ないだけに、行列で時間がかかって乗り遅れると割と大変なことになるので。
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