新年あけましておめでとうございます。
2024年初回は、香港と広州を結ぶ「広九直通車」です。
香港から深圳を経由して広州東に向かう列車で、途中停車駅は常平のみ。(深圳は通過)列車種別は「Z824」の列車番号から示すとおり直達特快列車(特快)となっています。
前回の上海からの「Z99」が上海から2000km弱を18時間かけて走破するのに対し、こちらはだいたい173kmを約2時間弱で結び、専ら香港と広東省の中心広州のビジネス、観光需要に重点を置いた列車です。
本きっぷは九龍の紅磡駅で購入したきっぷです。2015年7月、香港からとある目的で広州往復することとなり、この広九直通車を利用することになりました。
購入時にちょっと緊張しましたが、筆談とカタコト英語であっさりクリア。一応出入国が発生するのですが、意外と簡単に買えるもんだなあ、と。
ピカピカステンレスのインターシティー
紅磡駅は2015年時点でMTR東鉄線の起点駅と同時に「城際列車」(インターシティー)と呼ばれる、北京、上海、そして広州への列車の起終点になります。香港も中国の一部ですから「国際列車」とはいわず、「城際列車」です。
紅磡駅での出国審査はあっさり通過。ホームに降りると2階建てのステンレス車両が止まっていました。
広九直通車にはMTR(香港鉄路 )と、中国鉄路双方で車両を製造し、MTR側はkttと呼ばれるオール2階建のステンレス車両を導入しています。
オール二階建ての客車を機関車でサンドイッチして運行するいわゆる「プッシュプル方式」の列車で、特等車と一等車の2等級制(二等車はありません。)
客車は近畿車輛による日本製。このためか内装や車体構造等は、日本の二階建てグリーン車に近い形になっています。
今回購入したのは「特等車」。一等車が210本香港ドル(2015年時点のレートで約3000円)なのに対し、特等は250香港ドル(同、約3500円)。
明らかに特等は空いており、一等は混雑していました。
特等車は3列シートになり、ペットボトルドリンクとお菓子など軽食のサービス付き。
客車の車体や内装はJR東日本211系二階建てグリーン車と新幹線100系2階建てグリーン車をかけあわせた構造で、全面にカーペットがひかれ、座席も2列×1列ですが、天井が高いため荷物棚がきっちり設置されています。
ある程度傾斜がつけられた座席が設置され、座り心地は上々。ただしリクライニングはしませんが、2時間弱だったら十分な設備です。
紅磡駅を発車すると、しばらくは香港MTRの東鉄線の線路を走行します。ノンストップではあるものの、東鉄線の各駅停車に頭を押さえられる形であまりスピードが出ず、加速しては減速し、加速しては減速しを繰り返します。
香港島は平地がほとんどないため(なので高層ビルが異常に多い)、すぐ走るとすぐに山岳地帯に入ります。しかしそこは香港。山沿いにもどんどん家が建っていってます。
東鉄線の終点羅湖駅を通過すると、いよいよ香港から中国本土に入ります。
ほどなく深圳駅を通過。すると線路は複々線となり一気にスピードが上がります。
最高速度は140km/hと控えめですが、二階建てから見るとちょっと景色が違って見えますね。
ここからは今までのMTRに変わり、中国高速鉄道や特快列車、快速列車が併走したりすれ違ったりします。スピードが上がったこともあり、なんか別列車に乗った気分。(まあ別会社なのですが。)
景色自体は案外平凡で、都市化が進んでいることもあり、沿線はマンションや民家がずっと続きますが、すれ違う列車が色とりどりで楽しい。
複々線が示す通り、深圳~広州間の列車本数は非常に多く、客車列車とすれ違ったと思ったら今度は中国高速鉄道の高速列車だったりと、そのギャップに驚かされます。
2時間弱で広州東駅に到着。
そこでは入国審査用の書類が配られ、記入が求められます。そこには滞在するホテルの名前の記載が必須項目に。日帰りなのに宿なんて取ってません。
回答に窮して、近くの係員に帰りのきっぷを提示して聞いてみると、「Daily」でOKとのこと。なるほど。
入国審査では入国目的を聞かれ、「sightseeing,zoo」と。
すると係官はニヤっと笑って入国のスタンプをぺたん。無事入国に成功しました。
ちなみに前回記事では上海で入国しましたものの、その日はホテルに泊まらず、直接Z99次列車に乗車しましたが、上海の入国審査の書類にはやっぱり宿泊地の記載が。
困ったので「Sleeping Car」と書いたらあっさり通ってしまいました。今より中国への入国出国がゆるゆるだった2015年だからできたからかもしれませんが、今でも通じるかはわかりません。
目的地は動物園。確かにそれが今回の広州訪問の目的です。
パンダ!パンダ!パンダ!
目的は広州にあるアジア最大の動物園、広州香江野生動物世界。
ここでは2014年に三つ子のパンダが生まれ、話題になりました。
やはり中国でもジャイアントパンダは一番人気なようで、専用の建物があり多くの人が入っていきました。
何?このかわいい生き物?
(1/3の記事に続く)
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