「登別~東室蘭」乗車券・自由席特急券

「登別~東室蘭」乗車券・自由席特急券

登別~東室蘭の乗車券と自由席特急券です。この日、青春18きっぷで北海道を旅行していましたが、この区間だけ特急に乗ったため、別途用意したものです。
青春18きっぷはご存じのとおり、特急料金がかかる列車には基本的に乗車できません。このため、特急券のほかに乗車券も別途必要になってきます。

青春18きっぷ「ワープ」とは?

青春18きっぷの「ワープ」とは、普通列車しか乗ることができない「青春18きっぷ」旅行で、特急料金と乗車券を追加して、特急に乗ってしまうこと、と一般的に呼ばれています。
特急を使うことで、より効率的に、そして普通列車では考えられない移動ができるため、「ワープ」と呼ばれるのではないかな、と思います。
東京から成田空港まで青春18きっぷ、成田空港~新千歳空港までLCCの激安航空券、新千歳空港から目的地まで青春18きっぷといった感じも、これもワープでしょうが、飛行機を使うのはあまりワープとは呼ばれていないようです。
また、八幡浜~別府のフェリーは鉄道利用だとこの区間は超大回りですが、フェリーだと約3時間。しかも夜行便もあって宿替わりになるというまさにワープにふさわしい航路ですが、これもワープとは呼ばれることは稀で、主に鉄道の特急列車利用がメインになるようです。

そのほか、先日の「サイコロきっぷ」+「秋の乗り放題パス」の組み合わせも、「サイコロきっぷ」がまさにワープになりますが、こういう単純に複数きっぷ併用もワープと呼ぶことはあまりないようです。

ではよく青春18きっぷハウツー本等で紹介されている「ワープ」とは。

    • 普通列車が極端に少ない区間かつ特急が多い区間(福島~米沢など)
    • 投資した費用に比べて極端に時間短縮効果が高い区間(岡山~相生などの新幹線隣接区間など)
    • 青春18きっぷ利用でも三セク等で追加料金がかかってしまう区間(盛岡~八戸など)

こんな感じでしょうか。
さらに「青春18きっぷ」の場合、基本的に「金をかけたくない」が根底にあるので、このワープの費用が安ければ安いほどいい、ということになります。
1000円以内ならば文句なし、2000円以内でもまあOK。3000円を超えるとちょっと要検討といった感じでしょうか。あまり高いと「青春18きっぷ」+ワープ代より、普通にきっぷ買ったほうが安い、なんていうオチがついてくるからです。

今回の「登別~東室蘭」も特急ワープですが、目的はちょっと違います。

室蘭本線の時刻表。
2020年春のJTB時刻表より引用。実際に乗車した2022年9月は若干時刻が変わっています。

 参考までに時刻表を引用してきました。
室蘭本線苫小牧~東室蘭~長万部のうち、豊浦~長万部間は非常に普通列車の本数が少ないです。このため、 洞爺~長万部間の特急ワープは割とよく見られますが、今回苫小牧12:28発に乗れば、東室蘭で長万部行きにちょうど接続します。これだとワープ不要です。

しかし、極端に本数が少ない=青春18きっぷ客が集中することを意味します。
つまり激込みで、なおかつ東室蘭で乗り換えダッシュが発生すること間違いなし。

これは嫌だなあと・・・と思っていると、その合間に特急「北斗12号」が走っています。登別で普通列車を追い抜き、東室蘭には普通列車に10分ほど早く先着します。
登別~東室蘭は20km弱なので、自由席特急料金も最低ランクの320円で済む、とあれば・・・と自然と指定席券売機で購入していました。

760円の投資の結果は?

苫小牧から室蘭行きの普通列車は、新たな北海道ローカル線の主となったキハH100型。
この日は2両編成で運行され、ほぼ満席の盛況ぶり。見た感じ地元客はあまりおらず、ほとんどが青春18きっぷか1日散歩きっぷ組ではないかと予想できます。
通常1両が2両ということはやはり多いのでしょう。東室蘭、長万部と乗り継ぐと、これまた本数が少ない函館行き普通列車、小樽行き普通列車に接続するため、どうしても集中は避けられないようです。また、秘境駅として有名になった小幌駅探索もこの列車利用がほぼ唯一の選択肢と、まさに「混んでください」といわんばかりの状況です。

登別駅に到着したH100系
登別駅に到着した室蘭行き普通列車。ここで特急「北斗12号」を退避します。

苫小牧では自撮りカメラを持ったYouTuberらしき人が自分を撮りながら実況していました。なるほど、こうやって撮っているのか。ただ、混雑しているときはちょっと危ない気も。
なお、苫小牧~室蘭間は来年737系電車を導入するということで、このH100系での運用も比較的短期間に終わるのかもしれません。(そもそもこの区間の1両運行はかなり無理があると地元紙に書かれていたぐらいなので)
ただ、北海道新幹線開業後も東室蘭~長万部は非電化の在来線で残るので、入出庫のためにH100系の運用も残りそうではあります。

登別でしばらく待っていると、特急「北斗12号」が入線してきました。

登別駅に入線する「北斗12号」
登別駅に入線する北斗12号です。キハ261系で運転。すっかり北海道の主役特急型気動車になりました。

普通列車からこの「北斗12号」に乗り換えた人は私だけ。あれ、同じこと考える人いないの?
あっという間に東室蘭到着です。「北斗12号」から降り、出発したあと乗り継ぎの長万部行きがゆっくり長万部側から入線してきました。
H100系気動車。今度は1両の単行です。みるみるうちに座席が埋まっていきました。

しばらくしていると、先ほどの室蘭行が東室蘭に到着。ホームが違うので、ドアが開くと一斉に客が降り、乗り換え競争が始まりました。
結局最初の数人のみなんとか空席にありつけ、残りは立席という結果に。2両分の客が1両に集中したので、立席もびっしりの満員気動車です。
長万部行きは定刻に東室蘭を発車していきました。例のYouTuberも見ましたが、満員の車内で自撮り棒は危ない気が。

今回のワープは、別に先を急いでいるわけではなく、単純に「着席したいから」ワープしてみました。正直これってワープの価値があるのか意見は分かれると思います。だって、投資額760円と安いとはいえ、目的地に早く着くわけではないから。
逆に760円で座席を買ったと思えば安いと思うか、高いと思うかは人それぞれだと思います。

ただ、難点をいうと、このパターンのワープは紙の時刻表を使いこなさないとなかなか出てこないこと。
ネットの時刻表は駅の時刻表を集めたのと、その時刻をクリックして表示される列車だけを追いかけることがメインで、いわゆる上記の画像のような複数の列車を俯瞰してみることが難しいです。このため、今回のような任意の駅で追い越されたり等のチェックが非常に難しいです。
さらに出発駅と目的地駅からルートを出すタイプの時刻表だと絶対登別乗り継ぎなんて出てきません。
逆に紙の時刻表はある程度の慣れは必要なものの、直感でワープ区間を導き出せたりできます。

登別で同業のワープをしようとした人が出てこなかったのは、紙の時刻表を使っている人が少なかったからなのかもしれませんね。

(おまけ)長万部駅の光景

満員の気動車は地元民もいるため、徐々に客は減っていきましたが、やはり小幌駅で大量に降りていきました。小幌をすぎると、立席もほぼなくなり車内が落ち着きます。
そして長万部駅に到着。しばらくすると、北斗14号が長万部駅に入線するので、長万部駅のこ線橋からなにげにスナップ写真を撮ってみました。

長万部駅の光景
長万部駅に入線する北斗14号。だが画面左手に噴水・・・?

画面左手上に噴水らしきものが。
これが、長万部で話題になった水柱です。こんなに駅近くだったんだ。
このときは豪快に噴き上げていました。

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