びわこ・湖北散策きっぷ(井筒屋の駅弁)

びわこ・湖北散策きっぷ

今回は小ネタというか昔ネタです。
2025年1月1日に、自分にとっては衝撃的なニュースが。米原の井筒屋が3/20をもって駅弁事業から撤退するとのことです。

「湖北のおはなし」の井筒屋、駅弁事業から2月末で撤退 滋賀・米原、ファンから惜しむ声
弁当の製造販売などを手掛け、今年で創業171年目を迎えた老舗「井筒屋」(滋賀県米原市)が、2月末で駅弁事業から撤退すると発表した。滋賀の郷土料理を織り込み、冷…

米原という新幹線の乗換駅である地の利を生かして、主に東海道新幹線から北陸本線に乗り換える客をメインに駅弁や立ち食いうどん屋を運営していました。
うどん屋は駅構内からは既に撤退し、駅弁販売は新幹線ホームのベルマートと、新幹線と在来線の乗り換え通路上の屋台売りのみとなっています。

米原駅の駅うどん屋は青春18きっぷのポスターにもなり、また駅弁は米原駅、長浜駅(現在は撤退済)のほか、東海道新幹線の主な駅にも置かれるようになるなど、駅弁業者の中でも大手をみなされることも多かったようです。
しかしコロナ渦が直撃して事業も大幅縮小。駅弁販売も米原駅のみとなってしまいました。コロナ渦明けどうなるか気になっていましたが、ついに撤退の憂き目に。
コロナ渦以降、今度は北陸新幹線敦賀開業で首都圏から米原周りの乗客が激減しました。これはコロナ渦と違って一過性のものではなく、おそらく今後も伸びることはないと判断しての撤退判断ということなのでしょう。

びわこ・湖北散策きっぷの帰り

フリー区間は米原~近江塩津間。これに1000円相当の「長浜浪漫パスポート」がついてきます。

さて、前置きが長くなりましたが今回のきっぷは「びわこ・湖北散策きっぷ」です。北陸本線米原口の直流電化が米原~長浜間だった頃に発売されたもので、長浜地区の4つの施設が廻れる「長浜浪漫パスポート」の引換券がついて山科から2900円。京都から3200円。
長浜浪漫パスポート自体は2025年現在「長浜おでかけパスポート」として現存し、1500円で13の施設が1回限り利用できるようになっています。

フリー区間は米原~近江塩津間。これだったら米原まで琵琶湖線経由と、近江塩津まで湖西線経由が選べたら完璧なのですが、そうは問屋は下ろさない。
もっとも湖西線経由が可能になると近江塩津~永原間の本数が当時極端に少なかったため、困る人がいるからという判断なのでしょうか。

なお、その後も湖北とターゲットにしたフリーきっぷは断続的に発売されており、現在は「(ICOCAでGO) 鉄道版ビワイチパス」が2025年3月31日まで発売されています。

(ICOCAでGO)鉄道版ビワイチパス
近江鉄道全線1日フリー乗車券とJR線自由周遊区間を利用できるお得なデジタルパスを発売!滋賀・びわ湖をぐるっと満喫♪
びわこ・敦賀・小浜フリーきっぷ
2006年10月に北陸本線・湖西線敦賀までの直流化を記念して発売された「びわこ・敦賀・小浜フリーきっぷ」です。滋賀県北部と福井県嶺南(敦賀・若狭地域)がフリー区間となり、1日普通列車乗り放題で1,00...
北近江・長浜ぐるりんパス(大河ドラマ「功名が辻」)
大河ドラマ「功名が辻」タイアップの「北近江一豊・千代博覧会」にアクセスのためのきっぷとして登場しました。往復運賃(発地によっては料金も)+北近江一豊・千代博覧会の観覧料金から若干値引いた設定になってい...

湖北のおはなしと元祖鱒寿し

湖北のおはなし

「湖北のおはなし」。このように風呂敷に包まれた独特なスタイル。駅弁容器も竹すだれの容器を用いた独特なもの。

東海道新幹線をもつJR東海が展開した「新幹線グルメ」にあわせて登場した「湖北のおはなし」です。
「新幹線グルメ」は新幹線各駅の駅弁業者が一つずつ900円で駅弁を出し、一体的に販売しようとしたキャンペーンで、昭和62年に登場。ほどなく消滅した「新幹線グルメ」もありましたが、「湖北のおはなし」は大人気となり、米原駅だけでなく京都駅など近隣に置かれたり、駅弁大会にも出品されるようになっています。

2005年当時の価格は1000円。(2025年現在1480円)風呂敷に竹すだれを使った容器という他で見ないユニークなものだったものの、その特殊な容器の関係上製造個数が限られ、長らく個数限定商品だったようです。
竹すだれから紙の容器に切り替えた頃から個数限定が解除され、一時米原駅だけでなく他駅や、特急「しらさぎ」車内でも普通に発売されるようになっていました。

ただし、紙容器になっても竹すだれが印刷され、雰囲気を損なわないようにしているそうです。

湖北のおはなし・中身

中身は豆ごはんに鴨、玉子焼、わかさぎ、こんにゃく、わけぎなど湖北の名産品が詰め込まれた一品。おこわは季節によってかわり、正月は赤飯だったりします。

中身は季節ごとに変わるごはんに赤カブ、わけぎ、鴨ロースト、わかさぎなど、地元の素材が使用されています。サイコロは飴が入っていますが、すべての数字が「5」になっており、「御縁」とかけています。

全般的にさっぱりとしており、かつヘルシーとあってこれが900円~1000円だと確かに人気になってもおかしくないでしょう。
井筒屋のホームページの駅弁コーナーを見ると、この「湖北のおはなし」がトップに来ており、主力となっていることがわかります。

元祖鱒寿し

元祖鱒寿し。日本初の鱒寿し駅弁として「元祖」を名乗ります。

こちらは長浜駅で購入した「元祖鱒寿し」。1100円也。当時の長浜駅では井筒屋による立ち食いうどん屋が営業しており、そこであわせて駅弁が少量販売されていました。

もともとは醒ヶ井養鱒場の鱒を使用していましたが、流石に価格の問題で当時は他の鱒も使用していたそうです。発売当時から「天然」でないのがミソ。鱒寿しは富山の「ますのすし」が超有名ですが、こちらも歴史は相当長いです。

鱒寿し中身

中身は鱒寿しの押し寿司が並びます。それなりにボリュームがあるためにハーフサイズも販売されていました。

中身はカットされた押しずしが10切れ。一見少なそうに見えますが、押し寿司なだけにこれでもかなりの分量なので小食な人はちょっと厳しい。このためハーフサイズ(650円)も販売されていました。
ますのすしと比べると水分多めで全般やわらかめ。酢もそこまで強くありません。どちらかというと日持ちする富山の「ますのすし」と比べるとこちらは乾くとパサパサしていまいちっぽいので、早めに食べたほうがいい感じ。

なお、この「元祖鱒寿し」は2022年に「元祖面構え鱒寿し」にリニューアルされる形で販売を終了しています。「元祖面構え鱒寿し」は井筒屋のHPで見る限り、姿寿司になったようです。米原駅の鱒寿しは発売当初は姿寿司タイプでしたので、いわゆる「先祖返り」した格好になっていますね。

419系

寝台電車改造の419系。敦賀直流化前は、近江今津・長浜~敦賀間の普通電車の主力車両でした。

2005年の直流区間が長浜までの頃、長浜~敦賀間の主力電車は寝台電車改造の419系。
419系はラッシュ輸送に適さないため金沢近辺では敬遠され、主にこの近江今津・長浜~敦賀間と、富山~直江津間がメインの活躍場所となっていました。

当時は敦賀発直江津行きなんていう長距離列車も419系で運転されていました。

窓際のテーブルは存置しているので駅弁食べるのはちょうどいい感じ。
特急列車ゆずりのおおらかな揺れで、空いているときは快適の一言ですね。

長浜鉄道スクエア

長浜鉄道スクエアの中の一つ、旧長浜駅舎。日本最古の駅舎です。

長浜駅から徒歩5分ほどのところにある「長浜鉄道スクエア」は、日本最古の駅舎である旧長浜駅舎を軸に鉄道車両などを展示。鉄道ファンならば立ち寄りたいところ。

長浜城

長浜城歴史博物館。館内は主に豊臣秀吉関連の史料が主です。天守からは琵琶湖を眺められます。

こちらは長浜城歴史博物館。復興させた天守閣が博物館となっており、主に秀吉関連の史料が充実しています。また琵琶湖に面しているため、最上階からは琵琶湖を眺めることも。
こちらは長浜駅から徒歩10分程度。黒壁スクエアとは逆方向なので注意。

これらの施設は20年後の2025年も変わりない姿で営業中です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました