新幹線のEX予約もしくは、スマートEXで広島までのきっぷを購入した場合に購入できる「宮島・安芸路ミニぐるりんパス」です。EX予約、スマートEXで広島まで購入することが本きっぷを購入する条件で、今回は三原駅に車を置いて三原~広島間のEX-ICで広島まで乗車。広島から本きっぷを使うこととしました。
フリー区間は呉~広島~岩国間とJR西日本宮島フェリー。なお宮島入島税は含まれていないため、別途100円必要です。
このほかに大和ミュージアムと厳島神社・宝物殿の入館料が含まれています。
販売価格は2000円で2日間有効。大和ミュージアムの入館料が500円、厳島神社・宝物殿の昇殿、拝観料が500円なので、フリーきっぷ部分は1000円相当。呉~宮島口~宮島の往復運賃が2120円なので、モトを取ること自体は難しくありません。呉と宮島訪問にはうってつけのきっぷと言えるでしょう。
なお、本きっぷは2024/03/31限りで発売終了となっています。後継商品はなく、あえて挙げるとしたら「宮島・瀬戸内tabiwaぐるりんパス」でしょうか。
ただ、こちらは新幹線利用の条件こそなくなっているものの、全体的にエリアが広がっており、少々使い方が変わってくるのではないでしょうか。
宮島の大鳥居を見て
宮島口からJR西日本宮島フェリーで宮島に渡ります。宮島口の自動券売機で入島税100円を支払って改札で係員に渡し、フェリーに乗船。インバウンドを中心に大賑わいです。
船はみやじま丸。このクラスの船としては日本初となるエンジンで電気を起こし、その電気でモーターを回すディーゼル電気推進システムを導入した電気推進船です。
当然のことながら最上階の進行方向右手に陣取ります。
何故右側かというと、行きの宮島行きは厳島神社の鳥居沖を通るからです。近寄りすぎて座礁してしまう事故がつい最近ありました。
このあたりは干潮と満潮では厳島神社の表情が全く違います。満潮時は厳島神社全体が水没したようになりますが・・・・
このように干潮になると人が鳥居の前まで来ることができます。
満潮の厳島神社もいいですが、やはりこの鳥居前まで自分の足でやってくるというのは一度経験したいものです。干潮、満潮の時刻は事前にわかりますから、宮島訪問時は必ずチェックしたほうがいいでしょう。
人間もうじゃうじゃいますが、鹿もたくさんいます。ここの鹿は海岸沿いにも出没し、時には海に入ったりします。なので、干潮のときは鹿がこのように鳥居付近を闊歩する姿も。
ただ、ここの鹿は人間慣れしてしまったのか、人間が捨てた牡蠣の殻を拾って舐めてたり残った中身を食べてたり、人間が傍らに置いた飲み物を目を離した隙に奪って飲んでしまったりと、観光地ならではの順応性を見せています。
そもそも鹿って牡蠣食べて大丈夫なんだろうか・・・?
宮島は秋の紅葉が有名ですが、桜が咲いている箇所もあります。
そのうちの一つ、桃林では5分咲きといった感じです。道が若干わかりにくいこともあって、このあたりまでくると人もまばらなので、隠れた花見スポットと言えるでしょうか。遠回りですが多宝塔からくると比較的わかりやすいです。多宝塔自体も桜のスポットなので、ちょうどいいかもしれません。
潜水艦と戦艦大和
2日目は呉に転進。まずは鉄のくじら館(海上自衛隊呉史料館)へ。自衛隊の広報施設という位置づけで入館は無料。呉駅から徒歩8分ほど。
まずは博物館部分で、海上自衛隊の史料を見学。特に機雷などの掃海に関する展示と潜水艦に関する展示については日本で一番充実しているといっても過言ではないでしょう。まあ両方とも日本では海上自衛隊しかできないお仕事ですし。。。
そこから「鉄のくじら」と呼ばれる潜水艦に入ることができます。退役した潜水艦「あきしお」で、もちろん本物。
展示にあたっては一部改修されてはいるものの、現役の雰囲気を味わうことができます。ただし、防諜上の理由により内部では撮影禁止です。
「鉄のくじら館」では退役した元自衛官と思しき方が、警備も兼ねてガイドとして展示室やあきしお艦内に立っており、気軽に質問することができます。かなりマニアックな質問でも答えてくれるのは流石。
1階には自衛隊グッズショップとカフェがあります。昼食ついでにカフェに入店。
潜水艦「あきしお」をかたどったカレーもありますが、今回は潜水艦玉子砲(1000円)と機雷カフェ(600円)を注文。
潜水艦玉子砲は土休日の限定メニューとなっていて、この日の販売数は4食。あっという間に売り切れてました。これは、デミグラスソースの海で航行するオムライスで作った潜水艦という設定。ハッチ部分がゆで卵というのがかなりユニーク。
一方機雷パフェは、黒い物体(機雷)を掃海している、というコンセプトらしい。実際機雷を食べてみる(笑)と全く甘くなく、むしろやや苦い。これは掃海は甘くないんだぞ、と訴えかけているんだろうか。(多分違う。)
鉄のくじら館を出て、大和ミュージアム(呉市海事歴史科学館)へ。
こちらは自衛隊ではなく呉市の施設となっており、入館料は500円(特別展は別途必要)。両者は隣接しているので、掛け持ち訪問はラクです。
この博物館では軍港都市、呉に主眼を置いた展示が行われており、呉市の歴史や呉市ときっても切れない旧日本海軍や呉海軍工廠の歴史、主に船舶を中心とした模型の展示などが行われています。
展示に注意している点として、あくまでも客観的に歴史的な資料を展示した施設であって、思想的には中立であることでしょうか。もっとも「回天」の展示や出撃時の音声などはかなり耳目を集めていましたが、どのように受け止められていたでしょうか。
入館してすぐ見えるのがこの1/10スケールの戦艦大和の模型。
大和自体は、大艦巨砲時代の終わりを告げる時代遅れの戦艦という評価がされていますが、その造船技術自体は時代の最先端を走っており、その後の造船技術などに応用されている部分も数多くみられます。ただ、そのスケールの大きさには圧倒されるばかりです。
魚雷や潜水艇、はては零戦といった飛行機も展示。この零戦はいわゆる艦上戦闘機で、陸上ではなく空母から発艦していたものだそうです。
戦前~戦中の史料が中心で、なかなか重いものもありますが、その一方で大和でのブロック工法などの技術的な話はなかなか興味深いものがありました。
なお、大和ミュージアムはリニューアルのため、2025年から1年以上の長期休館を予定しています。
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