「JR関西線12駅途中下車の旅」、新堂駅の入場券です。関西本線加茂~亀山間は昼間は1時間に一本ですが、全駅下車しようとすると半日かかる計算となり、夜間にかかってしまうことを考えるとあまり現実的ではありません。
このため、今回は笠置、月ケ瀬口、新堂、そして最初に紹介した加太を下車駅に選定しています。
このうち、月ケ瀬口は土休日は無人のため入場券は購入できず、新堂駅のみの購入となっています。新堂駅も簡易委託駅のため、POS端末による発券となっています。
京都府なのに三重県と奈良県の入り口駅
(2/14の記事から続く)
笠置駅をあとにして、次は月ケ瀬口駅で下車。軽く曲がった長いホームにキハ120形一両がポツンと止まる様は、かつての栄光(戦前ですが)を偲ばせるものです。
月ヶ瀬「口」なので、月ヶ瀬への入り口ではありますがその「月ヶ瀬」は奈良県奈良市(!)月ヶ瀬地区にあたり、一方「月ケ瀬口駅」は京都府南山城村に位置します。さらに月ケ瀬口から東に1kmほどに三重県との県境があるといういろいろややこしい関係性を持つ駅です。
有名なのは月ヶ瀬梅林。梅林の時期に限り、京都府の月ケ瀬口駅から奈良市の月ヶ瀬梅園まで、三重交通がシャトルバスを走らせています。2025年も3月上旬の土休日に運行予定です。
駅自体は水平ですがここの土地は斜面となっており、御覧の通り坂を下りると駅ははるか頭上に。
そしてその下をトンネルがあるのですが、歩行者用のトンネルがかなりの年代物。レンガ積みとなっており、おそらく路線開業当初からあったのではないかと思いますが・・・。内部もレンガの様子がよくわかります。
トンネルを抜けて少しあるくと「道の駅お茶の京都みなみやましろ村」です。
名前のとおり、「お茶」を前面に押し出した道の駅で、お昼時ということもあって車は満車状態。ガラガラの月ケ瀬口駅と好対照です。
もともとここでお昼を考えていたのですが、あいにく食堂は満員。
茶そばに抹茶ソフトクリーム、抹茶アフォガードなど気になるものもありましたが、とりあえず抹茶ソフトクリーム(430円)で一息。
食べた瞬間抹茶のやや苦めな味が。そのあとソフトクリームの柔らかい食感が。
その後物産のほうにまわり、お弁当を購入。味噌かつ弁当650円也。なお、ここでは「関西線12駅途中下車の旅」の1000円クーポンが使えます。
ベンチに座ってお昼に。京都府ですが、味噌かつというあたり確実に名古屋の風は入ってきています。そしてコンビニ弁当ではありえないカツの厚さと大きさに少し驚きました。
十分に満足し、月ヶ瀬駅から列車に乗り、先に進みます。
企業主導で建てられたモダンな建築
月ケ瀬口駅から伊賀上野を過ぎ、新堂駅へ。
ここの駅は変わった構造をしており、線路をまたぐこ線橋を降りたところに駅舎?があります。かつては駅北側に大きな駅舎があったような跡が見られますが今はホーム上にこじんまりと。
で、そこのあるのは有人のきっぷうりば。自動券売機はなく有人の窓口で購入することになります。きっぷうりばの両側に列車が走っていくというのはなかなか不思議な感じです。
さて新堂駅を有名にしたのはやはり「SHINDO YARDS」でしょうか。
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鄙びた田舎駅に突然現れたモダンな建築物です。
木造2階建てのモダンなこの建物は「SHINDO YARDS」と呼ばれ、これは図書館になります。DMG森精機が伊賀市と共同で整備をすすめ、2023年にオープン。真っ黒な建物が印象的。
木造そして木のぬくもりが感じられる館内はゆったりとしたスペースに2万冊の本を開架。また1Fの一部はカフェスペースとなっており、スターバックスばりのおしゃれな空間が広がっています。
もっともブレンドコーヒー150円と、お値段は激安。本好きなら1日いてもいい空間です。
また朝9時から夜9時まで開館と図書館にしては開館時間が長いのも特徴。
建物はもう一つあり、こちらは伊賀市役所の伊賀支所と銀行。土曜日なので閉庁で、銀行を含めて人は少なかったですが、平日は人が多くみられるのでしょうか。
「SHINDO YARDS」の全体図を見るとこのあと2025年にワイナリーが開所するそうで、吞兵衛の私としては「しまった、ワイナリーができてから来るべきだった」とちょっと後悔することも。
このSHINDO YARDSの成否は今後の地方活性化の一例として今後注目を浴びそうです。
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