鎌倉・江ノ島パスです。
これも前回の「ヨコハマ・みなとみらいパス」同様に、もともとは「鎌倉・江ノ島フリーきっぷ」として、往復+着地フリーのフリーきっぷだったものが、フリーエリアのみのきっぷに衣替えしたものです。往復までの運賃は別途必要ですから、トータルでは全般的に値上げになっています。
フリーエリア自体は鎌倉・江ノ島フリーきっぷ時代と同様、鎌倉~大船~藤沢のJR線と、江ノ電および湘南モノレールの全線。小田急が入ってないあたりが恣意的なものを感じますが、使い勝手的には使えなくても江ノ電があるためさほど問題ないでしょう。
なお、コロナ渦のさなかの2020年3月で発売を終了し、現在は代替のきっぷも含めてありません。
(2/7:初出時、2020年を2023年と誤って記載していました。失礼しました。)
懸垂式モノレール快走
スタートは大船から。湘南モノレールです。
湘南モノレールは大船から江ノ島までを結ぶ路線で、日本でも千葉都市モノレールと並んで懸垂(吊り下げ)式のモノレールが使用されていることで有名です。
歴史としては千葉都市モノレールより古く(最古は休止された上野動物園)、1970年開業です。
実際にホームに向かうと、線路がないのに違和感を覚えますが、線路は車体の上にあり、ぶら下がっている形です。
行きの車両は、旧式の500型と呼ばれる車両でした。
この湘南モノレール、乗り心地がかなり独特というか、後発の千葉都市モノレールとも違って年代を感じさせるものです。
最急こう配は70パーミル越えと、そこらの山岳鉄道よりも急で、急カーブも点在。そしてその勾配やカーブをそこそこのスピードでクリアしていくので、特に最前部でかぶりつきやってるとかなりの違和感を感じます。
カーブでは遠心力で外側に振られ、勾配区間を全速力で駆け抜けていく姿、そしてほとんどの区間が道路上という特性から、ジェットコースターみたいだと評価する人もいるほど。こればかりは乗ってみないとわからないものです。
帰りは新型の5000系車両。乗車したころは、ちょうど新型と旧型の置き換え時期だったようで、ちょうどいい乗り比べとなりました。やはり新型のほうが窓が天地方向に拡大されてたりと、「新しく」感じますね。
終点の湘南江ノ島は崖に作られています。ホームは崖の上、そして建物は崖の下に作られ、結果階段をかなり上り下りする羽目に。
しかもこの駅舎自体がかなり高台にあるため、江ノ島の中心である江ノ電の江ノ島駅まではひたすら坂を降りていくことになりました。車も通れる舗装道路ですから、むちゃくちゃ急というわけではないのですが、帰りはちょっとしんどかった・・・
江ノ電の旅
江ノ電は、鎌倉から江ノ島を経由して藤沢までを結びます。
全線単線で交換駅の関係上、12分間隔から詰めることができず、2013年時点では朝ラッシュからデータイム、夕ラッシュまでずっと12分間隔という珍しいダイヤ形態です。(そのかわり多客時間帯は増結されます。)
2ドア小型車2両が基本ですが、この日はほとんどの列車が4両になっていました。それでもどの列車もかなりの混雑で、始発かつホームが狭い藤沢駅や鎌倉駅では改札制限を行い、列車ごとに乗車できる人数分しか改札を通さないようにしていました。
さて、最初は極楽寺駅へ
駅舎はかなり古い木造駅舎で、しかも有人駅で出札口も当時は現役でした。写真の左側に工事用フェンスが見えてますが、これはこの年の1/1に駅構内で土砂崩れがあり仮復旧したときの跡になります。
なお、この極楽寺駅は隣接して新駅舎を2019年に建設しており、駅機能自体はそちらに移っていますが、この旧駅舎自体は現在も見ることができます。
極楽寺駅近くには線路をまたぐこ線橋があり、ホームに進入する列車を撮影することができます。反対側を向くとトンネルがあり、ここも一つの撮影名所になっています。
次に向かったのは鎌倉高校前駅。
海沿いの駅として有名で、ドラマやアニメで取り上げられることが多く、周辺には名所はないにもかかわらず、各種ガイドブックに掲載されている異色の駅です。
なんといっても海沿いの駅は味わい深い。
駅から少し歩くと七里ヶ浜の海岸に出ることができます。確かにこのロケーションはドラマやアニメに使いやすそう。冬で短い昼間ということで、もう傾きかけた日を見ながらしばらく海岸を散策していました。
道路併用区間を歩く
鎌倉高校前から隣の腰越駅から江ノ島駅にかけては、道路併用区間となります。もちろんここは江ノ電の撮影スポットの一つ。
ただ、渋滞の名所でもあり、この日も各所で警備員が出て交通整理に当たっていました。
12分おきということは上り下りで12分ごとに電車がくることになり、なおかつ江ノ島駅で列車交換が基本なので、道路併用区間では江ノ島方面行きの電車がいくと、しまばく待てば腰越方面行きの電車が来るという感じです。
というわけで、藤沢行きの電車の写真を撮って見送り、てくてくと江ノ島方面に歩くと、江ノ島駅手前で鎌倉行き電車が出発して道路併用区間に出てきました。
やってきた電車の鎌倉側2両が1000型1502編成で、2009年に嵐電との姉妹提携を記念した嵐電号です。関西から関東に引っ越して嵐電塗装に会えたのはちょっと懐かしく思ったり。
影響の大きなダイヤ体制
江ノ電もコロナの影響の直撃で大幅な輸送人員の低下になりました。そこで、2022年9月に先述した極楽寺駅と鵠沼駅を無人化。極楽寺駅は2019年に新駅舎になったのにわずか3年で無人化です。
そして、来る2023年3月に70年以上続いた「12分ダイヤ」にメスが入り、運転間隔が14分間隔に変更になります。
この変更はローカル鉄道のダイヤ改正というありふれた話題のわりには大きなニュースになりました。
もっとも昨今は特に道路併用区間の渋滞等で12分間隔が維持できなくなったのもあり、これで定時性が確保できるのではないかというのもあります。
いっそのこと15分間隔にすれば時間を覚えやすいのではないかと思いますが、単線で列車交換の都合を考えると難しいのかもしれませんね。
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