臨時列車ではあるものの、現在、日本の列車の中で一番所要時間のかかる列車として最近マスコミでも報道されるようになった「サンライズ出雲92号」のシングルの特急券、B寝台券です。
「サンライズ出雲」の臨時運行はここ10年ほど運行されており、主に年末年始、GWおよびお盆の増発列車として運行されています。
運行当初こそは、定期便に比べると著しく所要時間がかかるという理由で定期便のほうがすぐに寝台が埋まる傾向がありましたが、ここ数年は「長時間列車に乗ることができる」ところから臨時便のほうから寝台が埋まる傾向にあるそうです。
きっぷの券面は列車名プラス寝台名。しかし、マルスの列車名文字数は最大11文字までという条件があるようなので、列車名が「サンライズ出雲シン92」とかなり苦しい表示になってるようです。
なお、本きっぷは10年前の2014に運行されたときのきっぷです。2024年~2025年年末年始の運行時刻は、
・出雲市(13:52)〜東京(翌06:23)
2014年当時から1時間以上伸び、とうとう16時間を越えてしまいました。(16時間31分)以前からずるずると運行時間が伸びている気がしますが、ここ数年伸びてるのは意図的じゃね?という気すらします(笑)
のんびりと東京への旅
昼下がりの出雲市駅。冬場とはいえ、まだまだお昼の時間帯ですが、「東京行き」サンライズ出雲92号が発車20分ほど前に入線していました。
ちなみにそのあとの「やくも」+「のぞみ」でもその日のうちに東京に戻れますので、出雲市から乗車はほとんどその筋の乗り鉄でしょうか。もっとも最近は「サンライズ出雲92号」の知名度が上がっているので、一般の人の乗車も増えているようです。
シングルの場合、20番台が2階席、それ以外は平屋か1階席ですが、今回は1階席となりました。もっともシングルの場合、部屋で立てるぐらいの十分な広さはあります。一方、2階建ての1階なので窓の位置が低く、上記写真のように窓枠にホーム床がかかることも。
もっとも1階席であっても景色そのものはホームにいるとき以外は大差ありません。
宍道駅を出て宍道湖沿い走行するときは、線路に近い分1階席のほうが迫力あります・・・が、松江付近の高架では壁に阻まれて全く外が見えないのはやっぱり1階席の悲しいところ。
高架の壁で全く見えない松江駅を出ると高架から降りいつもの景色に。またもや湖が見えますが今度は宍道湖ではなく、中海。しばらく中海を見ると安来、そして米子に到着です。
米子を出て伯耆大山を過ぎると大山の雄姿が。冠雪しているのは冬の大山の特徴。もっとも南下して中国山地に分け入っていくにつれ、あたりは雪景色に変わっていきます。
じわじわと雪深くなるとともに暗くなり、真っ暗になる前に上石見駅で運転停車。ここで上下の「やくも」が通り過ぎるのを待ちます。
このあたりは伯備線でも一番雪深い地域になり、ホームにも雪がこんもり。ということで、2階建て車両の1階から見ると雪がこんもりと積もったような感じに。1階席ならでは光景です。
ここから先は暗闇になり、景色は望めないので、夕食としましょうか。
購入したのは「出雲そば弁当」1080円也。残念ながら2018年に調整元の廃業によって、2024年現在は失われてしまいました。
調整元は出雲市改札前にあった蕎麦屋も営業していましたが、一緒に撤退しました。
後に別業者が入っており、松江駅の駅弁(一文字家)を取り扱っています。ただ、定期「サンライズ出雲」の出発時刻はまず駅弁確保は無理なので、昼間に事前確保かコンビニ利用となります。
出雲の地図が描かれていますが、「立久恵峡」は、かつて一畑電気鉄道立久恵線として鉄道で訪問することができた景勝地で、断崖絶壁の渓谷美が見られます。(温泉もあります。)現在はバス路線が通じており、一部は廃線跡を道路に転用している部分を通ります。
出雲大社と正反対にあるため紅葉のシーズン以外は意外とひっそりとした景勝地です。レンタカーで行くと両方の訪問は比較的容易なので掛け持ち訪問は結構見られますが、最短ルートである険道もとい県道162号大社立久恵線がカーナビに出ると地獄を見ます。(ただし、しょっちゅう落石や路肩崩落で通行止めになってますが・・・)
ちょっと脱線したので中身に戻りましょう。
中身は出雲そばを中心にかに寿司、えび天ぷらなど。あご焼が入っているのが出雲らしい。出雲そばはそばのガラごとひくために黒っぽいそばが特徴です。
どうしてもそばが感想してしまうのが難点ですが、それはそばつゆでなんとか緩和しましょう。幸い出雲そばはそばつゆをそばにかけて食べるスタイルなので、違和感なくかけられるのではないでしょうか。
岡山駅に到着。定期「サンライズ」はここで「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」を併結して14両編成で東京に向かいますが、臨時便は7両のまま発車。山陽本線に入っても相変わらず運転停車を繰り返します。
22時過ぎに大阪駅到着。まだ人が多いホームにサンライズが停車しているというのはなかなか新鮮です。
ここで反対側ホームに向かって初めて編成写真を撮ります。臨時便は7両編成と短いため、大阪駅での編成写真も簡単に撮れます。
ここが事実上最後の食料補給基地となり大阪駅を発車。あとは終点東京までひたすら走るのみですね。
あとは眠るだけですが、気がついたら横浜駅到着接近放送。朝5時半ごろです。大阪より先は定期便とあまり所要時間は変わらず一気に東海道を通過。出雲市から大阪までが長すぎていろいろ活動した結果、大阪から先は意外と早々と寝付いていました(笑)
終点東京は朝6時ということでまだまだ真っ暗。眠い目をこすりつつ列車を後にし、山手線で上野に向かいました。
当時は15時間、現在は16時間かかる「サンライズ出雲92号」ですが、個室ならば多少長くなっても楽しく過ごせるのではないでしょうか。最悪、個室の中で好きな恰好してリラックスすればいいので。ただ、「のびのび座席」はやはり人の目があるのでそこまで好き勝手はできず16時間は窮屈に感じるのではないでしょうか。
やっぱり「サンライズ出雲92号」は個室がベストだと思います。(やはり「のびのび座席」が最後まで売れ残るようです。)
コメント