「西岩国->150円区間」乗車券

西岩国駅からの乗車券です。西岩国駅は岩徳線の駅で岩国駅の次の駅になります。岩徳線の列車のほか錦川清流線も乗り入れており、日中でも1時間に1本程度の本数が運行されています。

西岩国駅というとやはり国の登録有形文化財に指定された駅舎でしょうか。

駅舎
西岩国駅駅舎。洋風建築で、入り口の3連アーチは錦帯橋を模したものだとか。

1929年の開業当時は岩国駅として開業。当時の岩国市の中心駅で、さらにここから錦帯橋まで徒歩25分ということもあって、開業当時は多くの人でにぎわったそうです。

しかし時代が進むにつれて岩国市の中心は東に移動、このため麻里布駅が岩国駅に、岩国駅が西岩国駅に改称されました。また岩徳線は一時的に山陽本線と名乗っていた時期もありましたが、また岩徳線に戻って1ローカル線となっています。
駅舎は開業当時のもので、長いプラットホームや錦帯橋向けと思われる団体専用出入口跡などが当時の賑わいを物語っています。
また駅舎には木炭自動車も展示されています。

駅舎内。
駅舎コンコース。高い天井が往時をしのばせる。木製改札やシャンデリアは後年に復元されたもの。

コンコースは往時の賑わいを想像できるように高い天井や広い間取りとなっており、かなり開放的な空間となっています。
現在は事実上の無人駅となっており、きっぷ購入は自動券売機のみ。ただし乗り入れている錦川清流線内の駅については、車内で精算、きっぷ購入となっています。入場券はありませんでした。

錦帯橋への道

大明小路
西岩国から錦帯橋を結ぶ大明小路。駅開業当時は観光客はこの道を通ってきたのでしょうか。

錦帯橋へは岩国駅、もしくは新岩国駅からバス利用が一般的ですが、徒歩の場合西岩国駅もしくは川西駅から歩くことになります。西岩国駅より川西駅のほうが錦帯橋に近く、歩いて20分ほど。錦川沿いを歩くことになります。

一方、西岩国駅だと駅を出て左手に折れ、自動車道の高架の右側の側道をひたすら歩くと錦帯橋の正面に出ます。この通りは大明小路と呼ばれ、西岩国が終点だった頃は錦帯橋に向かう観光客でにぎわっていたそうです。今は観光客の姿はみかけませんが、武家屋敷などもちらほらみかけます。

歩いて25分ほどで錦帯橋に到着しました。

錦帯橋
おそらく日本でトップテンに入る有名な橋である錦帯橋。橋を渡るのは有料(310円)です。

錦帯橋は言うまでもなく、日本でトップテンに入るぐらいの有名橋。そして観光名所です。
橋を渡るには往復310円の通行料が必要。橋の前にゲートがあってそこで支払う仕組みですが、入場行列をみると半分以上がインバウンド。いやすごいなこれは。
真ん中の3連のアーチ橋が西岩国駅の入り口にある3連アーチのモデルとなったものです。

橋上からの光景
橋上からの光景。意外とこのアーチは勾配があり、注意深く渡る必要があります。川沿いの桜はまだ咲いていませんでした。。。

早速橋を渡ることに、このアーチ部分は結構勾配がきついため、やや慎重に歩くことに。特に下りは躓かないように注意。
3/30は桜の見ごろと思ってたのですが完全にアテがはずれ、まだほとんどのところがつぼみでした。

橋を渡った先が吉香公園です。アイスクリーム屋さんなどが軒を連ね、観光客も大勢訪れていますが、吉香公園は案外ひっそり。

桜
吉香公園では早咲きの桜もありました。

公園を通り抜けて、ロープウェイで岩国城に上ってみようかと思ったのですが、ちょっと気になった建物があったので予定を変更して訪問。

岩国徴古館
岩国徴古館。昭和20年3月と太平洋戦争末期に竣工した博物館。さすがに本物のレトロ?は違う。

なんだか古ぼけたコンクリの建物が岩国徴古館。建築家佐藤武夫の戦中の傑作として知られ、昭和20年3月完成と太平洋戦争末期にできた建物にもかかわらず大正モダンを感じるデザインが特徴。西岩国駅と同じく登録有形文化財に指定されています。
戦争中は鉄が手に入らなかったため、竹を筋につかった竹筋コンクリートというかなり珍しい作りとなっています。

それは中に入ってもよくわかります。

展示室内
展示室内も錦帯橋を模したと思われる巨大な柱が鎮座。独特な空間となっています。

館内は錦帯橋の資料や岩国の歴史資料などを展示。それ以上に圧倒されるのがこの建物の作りで、竹筋ということで強度を保つために太い柱が部屋中にあり、他の博物館のような見通しが全くききません。しかし、それを逆手にとって錦帯橋のように見せてモダンな空間を作り出しました。

展示内容そのものよりもレトロモダンな建物の作りに圧倒された岩国徴古館は、入館無料ではありますが、今年中に新博物館建設に伴い、9月で一時休館が決まっています。

(4/18の記事に続く)

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