黒磯~熱海・普通列車グリーン券(ホリデー)

上野~東京ラインが開業してから、高崎線・東北本線(宇都宮線)と東海道本線の間で上野・東京経由で直通運転が行われるようになり、中には長距離運用もできるようになりました。

今回取り上げた黒磯~熱海間はその中でももっとも最長距離を走る列車で、走行距離は実に268.1kmに達します。これは東京から東海道本線で西に進むと浜松を越えて弁天島まで達します。
しかしコロナ渦最中の2021年のダイヤ改正で黒磯へのグリーン車付編成の乗り入れが中止され、黒磯発着の普通列車グリーン券は現在なくなっています。
当時も黒磯発着のグリーン車乗り入れ自体は少なかったとはいえ、なくなるとは思ってなかったので少々驚きです。

なお現在のグリーン車付列車の最長は宇都宮~沼津間で235.7km前橋~沼津間で241km(2024/03現在)となります。
780円(現在は消費税値上げで800円)の追加料金で2階からのんびり移動できるので、読書とか昼寝とかにも使えるかもしれないです。(運賃は別に必要ですが、青春18きっぷ等でも可能)

なお、黒磯駅ではマルスでのグリーン券は購入できないので、前日那須塩原駅で購入しています。指定席券売機で普通列車グリーン券が買えないのはちょっと不便。まあ普通はSuicaグリーン券だし、当日なら黒色の券売機でも買えるので、必要ないという判断なのでしょうけど。
(話せる指定席券売機では買えます。)

早朝の北東北から熱海へ

黒磯駅改札口
黒磯駅の案内に出てくる「熱海」の表示が長旅を感じさせます。県別では栃木県から静岡県までになります。

この日、乗車したのは黒磯6:52発の熱海行きです。
流石に休日の早朝ということで、黒磯駅もひと気はまばら。改札をとおるとお目当ての熱海行きは既に入線していました。E233系の10両編成です。

熱海行きの表示
「熱海行き」の表示。「上野経由」とあるので、上野東京ラインを通ることになります。フルカラーLEDなので、E233系ってことですね。

わかってはいたものの、黒磯で「熱海」の表示見ると違和感。さらに隣には郡山行きがいます。
当時は、熱海行きも仙台行きもあってちょっとした行き先のるつぼになっていた感があります。
しかし数度にわたるダイヤ改正で、2022年には黒磯駅を発着する列車は南行きは「宇都宮」、北行きは「新白河」にほぼ統一されてしまい、にぎやかな行き先はなくなってしまいました。

グリーン車車内
グリーン車2階席です。当然のことながらほかに客はいません。

グリーン車は客ゼロ。まあ早朝の始発駅。しかも郊外なので仕方ないところでしょうか。
黒磯を発車した列車

黒磯を発車すると車両基地が見えてきます。

黒磯を定刻で発車。
しばらくは新幹線の車両基地と並走して走ります。東北新幹線の車両が待機していました。
黒磯発車時はガラガラだった車内は、停車していくたびにグリーン車の客は増えていきます。宇都宮に到着するときは3割程度の乗車率になっていました。グリーン車利用は少ないと思ってたのでこれは意外。東京直通で、宇都宮からグリーン車使うような人たちなんでしょうか。

宇都宮では5割ぐらいの乗車率に、ここから先は停車するたびに加速的に増えていきます。
小山を過ぎるころは2階席はほぼ埋まってしまい、大宮に近い駅では2階を覗き込んだ客があきらめて戻っていく姿が見られました。ここは流石に首都圏の引力を感じずにはいられません。
もっともこの列車、途中で増結せずに10両編成のまま大宮~東京に突っ込んだようで、休日の都内お出かけに時間にピッタリなこの列車は普通車はかなりの混雑になっていたようです。

大宮で多少の入れ替えはあったものの、ほぼ満席のまま都内に突入。
流石に赤羽、上野、東京でかなりの客が下車してグリーン車にも空席が出ました。
しかし小田原方面への客が新たに乗車して8割ぐらいの乗車率で品川駅を発車。
基本的に都内を乗り越す客はあまり多くはなく、都内の各駅で客がうまく入れ替わっているようです。こういう点でも直通列車、というのはうまくできてるもんだな、と思いました。

2階建てグリーン車から海を見る。
小田原を過ぎると海が見えてきます。ここまで内陸の黒磯から約4時間。かなりの乗りごたえです。

混雑は横浜を過ぎても続きますが、流石に大船、平塚までくると降りる客のほうが多く、空いてきます。
そして小田原を過ぎると車内は3割ぐらいまで減少しました。

小田原を過ぎると海が見えてきます。黒磯は内陸部にあたりますが、太平洋が見えるところまで進んできました。
気が付くともう4時間経過。長かったような短かったような旅で11:30頃、熱海駅に到着しました。

ちなみにこのとき熱海駅では黒磯行き普通列車がスタンバイ。これに乗れば17時前には黒磯に戻れるはずです。
その気になれば黒磯~熱海の往復乗車ができるのですが、もし黒磯に住んでいたら、昼寝企画として往復乗車やってそうです(笑)

この列車の乗車はコロナ渦前ですが、コロナ渦でなかなか関東に行けない間に黒磯発着首都圏乗り入れの列車自体がなくなってしまっていました。現在は黒磯~宇都宮間はE131系により折り返し運転となっています。

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